毎週土曜日は病気と戦っている妻に会いに行く日。
数日前に担当医による病状説明があった。
足が麻痺状態になっていたが両手も動かなくなってきたので危険な状態という。
面会しやすいように個室に移していただくことにした。
離れて暮らしている娘たちも会えるなら会いに行くというのでみんなで面会することにした。
当日の朝病院から電話。
嫌な予感がしたけど病状が悪化したので急いで面会に来て欲しいという。
いつもは14時以降が面会時間だけど9時に病院へ。
ナースステーションに行くと休日にもかかわらず担当医が待機していてくれた。
呼吸が苦しくなり酸素吸入を開始したという。
一気に病状が悪化し呼吸ができなくなってきているので今日が山場かもしれない。
面会の制限をしないので会いたいと思う人には会わせてあげて欲しいと言ってくれました。
妻は苦しそうに酸素吸入をしている。
声をかけると答えてくれたがなぜか涙が溢れて困ってしまった。
これまで面会恒例だった大好きだったデコポンも食べることができない。
「頑張れ」と声をかけると「頑張る」とかすかに答える。
みんなで声をかけてなんとか話をすることができた。
これまで半年間会えずにいた母親と義母も会うことができました。
今日一日は特別に長時間妻と過ごすことを許していただけました。
「旦那さんは泊りますか」と担当医に言われたので「お願いします」と即答。
みんなも母親との別れに寂しそうだったけど一日会うことができたので安心。
夜は妻と二人にさせていただきました。
こんなに長く一緒にいるのは久しぶり。
何を話していいのかわからない。
話したいことはいっぱいあるんだけど・・・・・。
なぜか話をすると涙が溢れてくるので困る。
深夜にうとうとしていると救急車が迫ってくる夢を見たと思ったら医療機器の警告音だった。
看護師さんが飛んできて対応してくれたが、
それ以降妻は話をすることができなくなっていた。
話しかけると目を開けて答えるのが精いっぱい。
状態は安定しているが呼吸は弱くなり眠り続けている。
朝を迎えて「おはよう」と言うと目を開けてみてくれるが声は出ない。
目を開けると涙を流すのでわかっているのかもしれない。
手を握っているとなんとなく力が入るときがあり答えているのかもしれない。
朝一番で担当医が来て「旦那さんの身体が心配だから一度帰って休んでください」と言われた。
義妹と交代して一度帰宅することにした。
妻は昏睡状態で眠り続けている。
いよいよ別れの時間が近づいているのかもしれない。
仕事を休んでできるだけ一緒にいる時間を作ることにした。
もっともっとできるだけ生きている姿を見せてくれ。