【誰よりも幸せになりたいと願う、なのに】
※『明日カノ』の単行本化してない部分への言及があるので、ネタバレが嫌な人は読まないでください※
『明日カノ』(=をのひなおさんの人気漫画『明日、私は誰かのカノジョ』)で太陽くんが闇堕ちしそう…というか、自分が苦しめられてきた毒親の悪しき側面を思いっきりコピーして雪さんにやっちゃいそう、という描写がなされましてねえ。
「そうだよね、綺麗な男女愛でハッピーエンドにはさせないのが明日カノだよね…」
「嫌だ~!!
大丈夫だって信じてるよ太陽くん!」
などなど言われている。
私は
「お、世代連鎖をちゃんと描きますか。
をのさん家族問題についてちゃんと勉強したんだなあ。
この先の展開楽しみー!」
と思いました。
(世代連鎖とは、親世代→子ども世代→孫世代と先祖代々同じような問題を繰り返し継承しがちなこと)
優しく繊細な人に多いのかなと思うけど、自分の心の中で
「出てきちゃダメ、出たら嫌われるよ!!」
と必死に出てこないように押さえ込む“もう一人の自分”がいたりする。
それはたいてい、辛く悲しい感情を必死に耐えた過去の自分だ。
スピリチュアル用語でいえば傷つき
「自分を見て!」
と訴えるインナーチャイルド。
ゲシュタルト療法の言葉でいえばアンダードッグ。
その言葉の意味は“負け犬”・“劣等者”であり、自分の短所や弱さ…人間関係を台無しにしがちな側面をいうそうだ。
その対として使われる言葉はトップドッグといって、意味はご想像の通り“勝ち犬・優越者”。
長所、強さ、人間関係を円滑にすすめやすい側面。
傷ついた記憶を放置してる人の内面には凍結されたインナーチャイルドがいる。
「ボクを見てーっ!!!」
と暴れたい負け犬的自分を
「お前は出ちゃダメ、出たら嫌われるよ」
と勝ち犬的自分が抑えつけている。
太陽くんは…母親にされてあれほど嫌だと思い、おそらく頭の中では
「俺はお母さんみたいな人間にはぜったいにならない!!!」
と考えているはずの毒親の嫌な行動と思考を繰り返しかけてしまっている。
大切な人になった雪さんに対してね。
これ本当に現実ではよくある話。
毒親問題・世代連鎖問題・依存症問題・共依存問題についての名著…クラウディア・ブラックの『私は親のようにならない アルコホリックの子供たち』。
アルコール中毒・アルコール依存症患者の親をもつ子どもたちが
「自分はぜったいに親のような人間にはならない」
と強く決意し、願っているにも関わらず自分もアルコール依存になってしまったり、
「父(母)のような人とだけは結婚しない」
と決めているのにアルコール依存の配偶者と結婚してしまうのはなぜなのか…について書いてある。
毒親の虐待行為も依存症なんでね、広く家族問題…人間関係にあてはまる名著なんですよ。
(感想はこの過去記事の真ん中くらいに書きました。
↓
・つれづれ日記・2020.7.22.)
今でも読めるし買えるので興味がある人はぜひ読んでほしい。
世代連鎖を繰り返すのは偏に(ひとえに、ってこう書くのか)
「慣れてるものには違和感を抱きにくい、見て学び取ったものを人は自分もやってしまう。
だから繰り返してしまう」
から。
「ああはなりたくない!と思っても正しいやり方(愛し方、など)を知らないからめちゃくちゃなことをやってしまう」
のは反発っぽくなってるだけで、本質的には同じことをやってしまう点でやっぱり繰り返してしまうから。
…と私は今のところ考えている。
これは現実の例なんだけど、某セレブレディーは両親に育児放棄され貧しいおばあさんの元で育ち、
「私は、私を捨てたママにならない、自分の娘を、自分のパパの顔も知らないかわいそうな子になんかさせない。
結婚して、離婚せずずっと一緒にいて、幸せな家庭を築いてみせる!」
と心に誓ってまずは仕事を頑張ってセレブの地位を築き、素敵な旦那さんと結婚するんですね。
でも彼女は
「これが幸せな家庭、これが仲の良い夫婦」
を知らない。
どうコミュニケーションをとるのか、どんな生活をしているのか、知らない。
だから想像でめちゃくちゃなことをする。
彼女が心酔したのは明治~昭和時代の日本的な
「夫に妻が仕える」
というスタイルで、
「旦那さまには家事をぜったいさせない!
キッチンには立ち入り禁止!
一睡もしないででも、旦那さまより早く起きて遅く寝る!!」
等々めちゃくちゃな理想で突っ走った。
セレブの激務を独身時代から変わらずこなしながらね。
この旦那さんはキッチンに自分も入りたかったし、奥さんにしっかり眠ってほしかったから訴えたけど彼女は頑として聞かなかった。
その結果…彼女は婦人科系疾患を悪化させて大変なことに。
今でも二人は結婚されているので、生きやすいやり方に変えていけていればいいのだけど。
この事実、セレブレディーは
「私は親のようにならない」
と強く強く願って頑張っているけれど
「相手(親にとって子である彼女、子である彼女にとっては旦那さん)の気持ちや事情はおかまいなしで、自分の暴走につき合わせて相手の生活や心を犠牲にしている」
点で同じなんですよね。
だって、彼女は
「あなたはどう思う?
どうしたい?
こうするのはどう?
あなたがしたかったらするし、嫌ならしないよ」
と思いやられた経験がないから。
「相手(子、配偶者)は自分の一部、だから意思なんてない、隷属するも捨てるのも自分の自由」
そんな風に振り回されるだけ。
…繰り返しちゃうってきっとそういうこと。
これが世代連鎖。
長くなったのでその2に続きます。
書きました!
↓
・呪い呪われた“今の君”の未来を想像して・その2。
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※『明日カノ』の単行本化してない部分への言及があるので、ネタバレが嫌な人は読まないでください※
『明日カノ』(=をのひなおさんの人気漫画『明日、私は誰かのカノジョ』)で太陽くんが闇堕ちしそう…というか、自分が苦しめられてきた毒親の悪しき側面を思いっきりコピーして雪さんにやっちゃいそう、という描写がなされましてねえ。
「そうだよね、綺麗な男女愛でハッピーエンドにはさせないのが明日カノだよね…」
「嫌だ~!!
大丈夫だって信じてるよ太陽くん!」
などなど言われている。
私は
「お、世代連鎖をちゃんと描きますか。
をのさん家族問題についてちゃんと勉強したんだなあ。
この先の展開楽しみー!」
と思いました。
(世代連鎖とは、親世代→子ども世代→孫世代と先祖代々同じような問題を繰り返し継承しがちなこと)
優しく繊細な人に多いのかなと思うけど、自分の心の中で
「出てきちゃダメ、出たら嫌われるよ!!」
と必死に出てこないように押さえ込む“もう一人の自分”がいたりする。
それはたいてい、辛く悲しい感情を必死に耐えた過去の自分だ。
スピリチュアル用語でいえば傷つき
「自分を見て!」
と訴えるインナーチャイルド。
ゲシュタルト療法の言葉でいえばアンダードッグ。
その言葉の意味は“負け犬”・“劣等者”であり、自分の短所や弱さ…人間関係を台無しにしがちな側面をいうそうだ。
その対として使われる言葉はトップドッグといって、意味はご想像の通り“勝ち犬・優越者”。
長所、強さ、人間関係を円滑にすすめやすい側面。
傷ついた記憶を放置してる人の内面には凍結されたインナーチャイルドがいる。
「ボクを見てーっ!!!」
と暴れたい負け犬的自分を
「お前は出ちゃダメ、出たら嫌われるよ」
と勝ち犬的自分が抑えつけている。
太陽くんは…母親にされてあれほど嫌だと思い、おそらく頭の中では
「俺はお母さんみたいな人間にはぜったいにならない!!!」
と考えているはずの毒親の嫌な行動と思考を繰り返しかけてしまっている。
大切な人になった雪さんに対してね。
これ本当に現実ではよくある話。
毒親問題・世代連鎖問題・依存症問題・共依存問題についての名著…クラウディア・ブラックの『私は親のようにならない アルコホリックの子供たち』。
アルコール中毒・アルコール依存症患者の親をもつ子どもたちが
「自分はぜったいに親のような人間にはならない」
と強く決意し、願っているにも関わらず自分もアルコール依存になってしまったり、
「父(母)のような人とだけは結婚しない」
と決めているのにアルコール依存の配偶者と結婚してしまうのはなぜなのか…について書いてある。
毒親の虐待行為も依存症なんでね、広く家族問題…人間関係にあてはまる名著なんですよ。
(感想はこの過去記事の真ん中くらいに書きました。
↓
・つれづれ日記・2020.7.22.)
今でも読めるし買えるので興味がある人はぜひ読んでほしい。
世代連鎖を繰り返すのは偏に(ひとえに、ってこう書くのか)
「慣れてるものには違和感を抱きにくい、見て学び取ったものを人は自分もやってしまう。
だから繰り返してしまう」
から。
「ああはなりたくない!と思っても正しいやり方(愛し方、など)を知らないからめちゃくちゃなことをやってしまう」
のは反発っぽくなってるだけで、本質的には同じことをやってしまう点でやっぱり繰り返してしまうから。
…と私は今のところ考えている。
これは現実の例なんだけど、某セレブレディーは両親に育児放棄され貧しいおばあさんの元で育ち、
「私は、私を捨てたママにならない、自分の娘を、自分のパパの顔も知らないかわいそうな子になんかさせない。
結婚して、離婚せずずっと一緒にいて、幸せな家庭を築いてみせる!」
と心に誓ってまずは仕事を頑張ってセレブの地位を築き、素敵な旦那さんと結婚するんですね。
でも彼女は
「これが幸せな家庭、これが仲の良い夫婦」
を知らない。
どうコミュニケーションをとるのか、どんな生活をしているのか、知らない。
だから想像でめちゃくちゃなことをする。
彼女が心酔したのは明治~昭和時代の日本的な
「夫に妻が仕える」
というスタイルで、
「旦那さまには家事をぜったいさせない!
キッチンには立ち入り禁止!
一睡もしないででも、旦那さまより早く起きて遅く寝る!!」
等々めちゃくちゃな理想で突っ走った。
セレブの激務を独身時代から変わらずこなしながらね。
この旦那さんはキッチンに自分も入りたかったし、奥さんにしっかり眠ってほしかったから訴えたけど彼女は頑として聞かなかった。
その結果…彼女は婦人科系疾患を悪化させて大変なことに。
今でも二人は結婚されているので、生きやすいやり方に変えていけていればいいのだけど。
この事実、セレブレディーは
「私は親のようにならない」
と強く強く願って頑張っているけれど
「相手(親にとって子である彼女、子である彼女にとっては旦那さん)の気持ちや事情はおかまいなしで、自分の暴走につき合わせて相手の生活や心を犠牲にしている」
点で同じなんですよね。
だって、彼女は
「あなたはどう思う?
どうしたい?
こうするのはどう?
あなたがしたかったらするし、嫌ならしないよ」
と思いやられた経験がないから。
「相手(子、配偶者)は自分の一部、だから意思なんてない、隷属するも捨てるのも自分の自由」
そんな風に振り回されるだけ。
…繰り返しちゃうってきっとそういうこと。
これが世代連鎖。
長くなったのでその2に続きます。
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↓
・呪い呪われた“今の君”の未来を想像して・その2。
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