和菓子の国の人だから

関西中心に美味しい和菓子を紹介。
貴方の旅に和菓子でちょっとアクセント…

016(大阪)堺 大鏡

2012-07-15 21:02:32 | 大阪の和菓子
堺の和菓子は今回で第7弾。
「曽呂利(そろり)」の「大鏡」をご紹介。

<曽呂利の店構え> ~堺市堺区宿屋


本店は阪堺線妙国寺前駅阪堺線妙国寺前駅
の目の前にあります。
以前はもう少し南にありましたが、約3年
前に現在地に移ってきたそうです。
創業は約50年前(昭和30年代半ば)と
いいますから、堺の有名和菓子店としては
新参の部類。
それでも、支店が堺市内に3店舗(北野田、
上野芝、新金岡)もあることからも堺市民に
愛され、親しまれていることが伺えます。

ところで、この「曽呂利」という店名、
安土桃山期の堺の刀の鞘師、曽呂利新左衛門
に因んだもの。
曽呂利は異名で、彼が作った刀の鞘はソロリ
ソロリと刀身を吸い込みようにぴったり合う、
というので、世間の人々がそう呼ぶように
なったと伝わります。
茶道、香道ともに一流の腕前で、話し上手で、
頓智に巧みなことから、豊臣秀吉の御伽衆と
して寵愛されたそうです。

看板は、秀吉の耳元でなにやら囁く曽呂利
新左衛門が図案化されたものです。

そんな「曽呂利」を代表するお菓子がこちら。

<大鏡>

三種の神器の一つ八咫鏡(やたのかがみ)を
かたどった見た目も可愛らしい焼き菓子で、
中身は白あん。
直径は8~9cm位あり、結構食べ応えあり。
(1個 \221)

ふわっとしつつも少し香ばしさのある生地と
白あんの組み合わせがいい感じ。
優しい甘さの白あんがブラック珈琲と合う。
どっちかというと日本茶よりも珈琲の方が
合うんじゃないでしょうか。
味は京都の新京極のロンドン焼と似ています。

そして、お店の人に「大鏡以外でお勧めは?」
と聞き薦められたのが、こちらの「蘇」という
お菓子。
古代のチーズ「蘇」をイメージしたお菓子。

<蘇>

胡麻、アーモンド粉が練り込まれた生地は、
クッキーのような香りがします。
生地は香ばしく、中はチーズと生クリーム、
バターの混ざったような不思議な味。
店の人いわく、「若い人に結構受けが良い」
とのこと。
(1個 ¥179)

~堺プチ案内~
まずは「曽呂利」の由来、曽呂利新左衛門
の屋敷跡です。

<曽呂利新左衛門屋敷跡>
~堺市堺区市之町東

街中に忘れられたようにポツリと建つ石碑。
それでもちゃんと石碑があるということは
新左衛門が町の人々に忘れられていないと
いうことでしょう。
ちなみに新左衛門の供養塔は堺市堺区中之町
の妙法寺にあるそうです。

石碑の紹介だけでは寂しいので、刀の鞘師
だった新左衛門にちなみ、堺刃物を身近に
感じる場所をご紹介。

<堺刃物ミュージアム> ~堺市堺区材木町

場所は曽呂利本店からちんちん電車の走る
大道筋(紀州街道)沿いに南へ100mほど。
二階には堺産の色々な包丁がずら~っと並ぶ
展示室があり、販売もしています。
堺は業務用包丁で全国シェア90%を占めます。
出刃、刺身、菜切り、三徳などの包丁だけで
なく、ハサミや爪切りなどもあり、包丁は安い
ものなら5,000円ほど、高いもので数十万円。
花切り用鋏で38万円という高価なものまで。
一体どんな人が使うんでしょう?華道の先生?

さてさて、堺銘菓シリーズはまだまだ続きます。

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015(大阪)あびこ 厄除け饅頭

2012-07-01 20:29:04 | 大阪の和菓子
最近、どうもツイてない。
2月には右の顔が神経麻痺になり、3月半ば
にようやく完治したと思えば、6月初旬には
左まぶたを蜂に刺される、ある意味ミラクル
なツイてなさ。
これは何が原因か…そういえば今年は後厄。
普段から神仏や縁起などそういうことを信じ
ない私でも、こんなに続くとさすがに気に
なります。

そんなわけで、大阪市住吉区にある観音宗
総本山、吾彦山大聖観音寺、通称あびこ観音
にお参り。
大阪では厄除け観音として有名で、節分の
時期には参拝客でごった返します。

<あびこ観音>

今日は参拝客もまばらで、境内にはのんびり
とした空気が流れています。

お参りを済ませて、気分がすっきりとした
ところでJR阪和線の我孫子駅方面へ。
駅前の商店街にふと目をやると和菓子屋さん
が偶然…ではなく、これは予定通り。
あびこ観音に来たら、忘れちゃいけない
「あびこ餅本舗」の「厄除け饅頭」。
あくまでも、お参りが目的なので誤解のない
ように。

<あびこ餅本舗の店構え>

ごく普通の商店街の和菓子屋さんですが、
現在のご主人で三代目だとか。
節分の時期は参拝帰りの人々が長蛇の列を
なし、買うのも大変ですが、今日はすぐに
買えました。
それでも昼前の時点で店頭に残るのは3つ。
さすがに人気のお店です。

<厄除け饅頭>

商品名を書いた紙が厄除け札みたい。

皮はほのかな黒糖味、中身は程よい甘さの
こしあんで、これが最高の組合せ。
黒糖饅頭ですが、なんとも言えず美味しい。
ブラック珈琲との相性もバッチリ。

この饅頭、私の子供の頃からのお気に入り。
好きな和菓子ランキングをつけるなら、
1位「宇治駿河屋」の茶だんご、
2位「かん袋」のくるみ餅
に続く3位グループに位置しています。
(3位タイは1つに絞れませんが…)
節分時期には蒸し上がったものを売って
くれるので、ホクホクなら1位かも。
(5個入り \550)

厄除けのお参りも済ませ、厄除け饅頭も
食べたし、一度で二度美味しいですな~。

さて、次はどんな和菓子にしようかな。
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