和菓子の国の人だから

関西中心に美味しい和菓子を紹介。
貴方の旅に和菓子でちょこっと甘味付け…

032(和歌山)橋本 串柿

2012-11-28 15:49:22 | 和歌山の和菓子
今回は和歌山県橋本市にある「竹虎堂」さん
の紹介です。

<竹虎堂の店構え>

南海高野線の橋本駅から徒歩1分、駅前の
ロータリーに続く表通りにあるお店です。
橋本はかつて高野詣での宿場町として栄え
たそうですが、現在は地方商店街の例に漏れ
ず寂れ気味。
それに、外からは店内が良く見えず薄暗く、
一瞬休みかな?と思ったほど。

創業は…明治19年(1886年)…
これは侮れません。
店内は小綺麗で老舗の雰囲気も漂います。

<串柿>

この辺りは柿の名産地ということで、串柿を
模した饅頭。
串柿と言えば、正月の鏡餅の飾りでお馴染み
のアレ。
そんな饅頭の中身は黄身餡ですが、その中に
刻んだ干し柿が混ぜ込まれ、かすかな酸味が
味に変化を与えてくれます。
また、見た目に拘って柿のへたに見立てた
塩昆布が添えられている凝った和菓子です。
(1個 \140)

<焼き餅>

この辺り(高野山周辺)で定番の焼き餅。
そんな基準があるかどうか分かりませんが、
薄く香ばしい焼き目がついた「花坂タイプ」。
餅に適度な噛みごたえがあり、甘さを抑えた
粒あんと正統派の美味しい焼き餅です。
特筆すべきはそのサイズ、大きくてお得。
(1個 \110)

ちなみに、購入した和菓子は店内のテーブル
で頂いたのですが、温かいお茶だけでなく、
出来立ての薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)
を2個もサービスしてくれました。
これがまた美味しかった~。
橋本に行ったら、是非また寄りたいですね。
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031(奈良)信貴山 寅まんじゅう

2012-11-20 15:30:05 | 奈良の和菓子
奈良県生駒郡平群町の信貴山朝護孫子寺は
あの聖徳太子と虎に縁が深いお寺。
そんな虎に因んだ名物を売るお店がこちら。

<曽我乃屋本店の店構え>

信貴山の参道、仁王門の手前にあるお店。
建物自体は新しいながら、大正初期創業と
約100年の歴史があるそうです。
たぶん、創業当時はもう一つの名物よもぎ
餅を売っていたんでしょう。

そして、本日紹介するのはこちら。

<寅まんじゅう>

広島のもみじ饅頭と同じ、カステラ生地の
饅頭。

造形はかなりリアルで、タイガーマスクばり
のイカツサ。
「虎だ!虎だ!お前は虎になるのだ!」…
って懐かしい。
私はリアルタイムでは見てませんけどね。

ところで肝心の中身は、しっとりあっさり
目のこしあん。
この手のカステラ饅頭は味の差別化が難しい
ので、あんが命ですが、なかなかイケる。
値段も手頃で、ここへ来たらもう買わずに
いられません。
(1個 \80)

I can't help buying "Tora-manjyu".
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030(三重)名張 なばり饅頭

2012-11-11 14:13:16 | 三重の和菓子
三重県名張市は忍者で有名な伊賀国の一部。
元は「隠」と書いて「なばり」と読んだとか。
いかにも忍者ゆかりの地という感じ。
蛇足ながら、大阪方面からここ名張への道中、
初瀬街道に吉隠(よなばり)という地名も。

そんな名張の中心、近鉄大阪線の名張駅西口
前にある「賛急屋(さんきゅうや)」さんの
紹介です。

<賛急屋の店構え>

昭和5年創業、80年の歴史ある饅頭屋さん。
ところが、店先に見えるのは「呑み処」、
「酒」、「スーパードライ」の文字が…。
なんと、向かって右側がまんじゅう屋、左側
が一杯飲み屋というユニークな形態。

お店の方に伺うと、もともと饅頭屋を営んで
おり、後に駅前という立地を活かしお酒も
飲めるお店にしたんだそうです。
私はどちらも好きなので、近所にこんな店が
あれば嬉しい…いや、ヤバイ。

<なばり饅頭>

薄皮から餡が滲み出したいわゆる田舎饅頭。
形はやや平べったい小判型。

昔からお伊勢参りの旅人で賑わった名張では、
旅人をもてなす田舎饅頭が名物。
この伝統を受け継いだのが「なばり饅頭」
なんだとか。

あっさりしたこし餡と薄皮の組み合わせが、
素朴で懐かしい味。
薄皮のしっとり感が好き嫌いの別れるところ
ですが、美味しくて一度に2~3個は食べ
られます。
(1個 \100)

ところで、名張には1枚500円の和菓子の
食べ歩きチケットが存在し、指定の店から
5店舗を選んで引き換えが出来るとか。
次はぜひそのチケットを買って回りたいな。
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029(和歌山)学文路 かむろ大師餅

2012-11-08 13:58:52 | 和歌山の和菓子
今回は和歌山県橋本市の学文路(かむろ)に
ある「長栄堂」さんです。

<長栄堂の店構え>

南海高野線の学文路駅から東へ2~300M、
国道370号線沿いにあるお店。
看板や幟が賑々しく、雑然とした見た目。
店の建物自体は新しいながら、大正9年の
創業と90年の歴史があるそうです。

<かむろ大師餅>

要するには焼き餅です。
焼き餅と言えば高野山に向かう花坂の名物
ですが、ここ学文路もまた高野山の麓。
やっぱり高野山に焼き餅はつきものみたい。

ただし、花坂のものとの違いは、そのぶ厚さ。
柔らかさも含め、まるで大福餅並み。
中のつぶ餡はあっさりとして、かすかに感じ
られる塩味との相性もバッチリ。
ボリュームの割に軽く食べられます。
(1個 \110)

ロードバイクで何度も前を通りながら、
これまで気付かなかったのが不覚でした。
もう少し店構えに心惹かれるものがあれば、
きっと早くに気付いたのにな…。
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028(奈良)田原本 権平もなか

2012-11-06 13:39:06 | 奈良の和菓子
奈良県磯城郡田原本町は「賤ヶ岳の七本槍」
の一人、平野権平を祖とする旗本、平野家
5千石の陣屋町。
陣屋こそほとんど名残をとどめないものの、
町並みは江戸以前の面影を色濃く残します。
今回は田原本町にある有名店「雲水堂」さん
をご紹介。

<雲水堂の店構え>

慶長8(1604)年創業と400年を超える
老舗和菓子店に相応しく二棟続きの堂々
とした店構え。
京の菓子職人だった初代が平野権平長泰
に招かれ、平野家御用菓子司を務めたと
いう由緒ある店。
代表銘菓は「ふり松風」、甘みのある生地を
引き伸ばし、けしの実をふりかけたお菓子。

そんな「ふり松風」と並ぶのが、こちら。
<権平もなか>

御留菓子「権平もなか」。
九代領主の求めにより野点の茶席のために
作られ、当主はこの功で帯刀を認められ、
町方支配年寄役の名誉を授かったそうです。
それにしても初代領主の名前「権平」を
呼び捨てにするなんて…

白い皮の方を食べてみると、「あれ?普通の
あんじゃないような…」
どうやら黒豆を使った餡みたいです。
あっさりとした上品な黒豆餡なかなかいい。
(1個 \126)

一方の普通の皮の方は王道の小豆のつぶ餡。
こちらも甘さ控えめでおいしい。
(1個 \126)

「権平もなか」はもなかとしては大きめで、
コストパフォーマンス高し。

おまけで、お店の方が薦めてくれたお菓子
をもう一品。

<香りあずき>

小豆と生クリームを練り込んだ生地を伸ばし、
焼いて、餡を挟んであります。
甘さ控えめで、少し洋菓子のテイストを取り
入れた品のいいお菓子。
食感も軽いのでいくらでも食べられそう。
(1個 \137)

田原本町は小さな町ながら、歴史と美味しい
和菓子が味わえるいい町です。
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