和菓子の国の人だから

関西中心に美味しい和菓子を紹介。
貴方の旅に和菓子でちょっとアクセント…

027(奈良)榛原 宇陀川

2012-10-31 21:54:32 | 奈良の和菓子
先日、ロードバイクで訪れた榛原(はいばら)
はそもそも伊勢本街道と青越え道(伊勢街道)
の分岐点、萩原宿を中心として発展した町。
「歴史ある町には必ず美味しい和菓子がある」
という法則に違わず、やっぱりあった有名店。
今回は「昇栄堂」さんをご紹介。


<昇栄堂の店構え> ~奈良県宇陀市榛原~

創業は明治38年、100年以上の歴史ある
お店。
国道165号線と国道369号線、370号
線が合流する萩原交差点に位置し、ひときわ
目を引く三階建のシャープな外観のお店。

「あれ?入口がない!」と思ってよ~く見る
と駐車スペースの左奥に小さな入口が…
「ひょっとすると、小粋な割烹みたいに、
わざと入りにくくしてるんかな?」
恐る恐るドアを開けてみると中にママチャリ
が停まっていたり、ずいぶん家庭的な感じ。
「すいませ~ん」と声をかけつつ奥に進むと
ちゃ~んと店舗があり、ガラス戸の向こうが
道路。
どうやら裏口から入ってしまったみたい…。

で、本当の入口はこちら。

裏側とはずいぶん違う和風な感じ。
実はこちらは風情ある町並みが残る青越え道
(伊勢街道)に面しています。
「こっちが表でしたか…」

<宇陀川饅頭>

薄くてしっとりした饅頭生地には蜂蜜が練り
込まれているようです。
中身は粒あんと思いきや、白あんの中に小豆
の粒が混じった粒白あん?
う~ん、ありそうでなかった組合せ…。

肝心の味も、白あんの上品な甘さに小豆独特
のコクが加わってかなりイケます。
小振りなうえに不思議なあんが後を引く美味
しさに一度に2~3個は食べてしまいます。
(1個 \94)

他にも色々な種類があるので、また違うもの
も買ってみたいですね。
もちろん次は正面入り口から堂々と入ります。
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026(奈良)初瀬 草福餅

2012-10-26 13:00:10 | 奈良の和菓子
初瀬(はせ)の名物、焼き草餅です。
長谷寺の門前は結構な賑わいで、焼き草餅も
たくさんのお店で売られています。
中でも寺の仁王門に一番近い「白酒屋(しら
ざけや)」さんをご紹介。

<白酒屋の店構え> ~奈良県桜井市初瀬~

明治8年創業、元はお酒の醸造元で現在は
奈良漬け屋の営業の傍ら、焼き草餅を売って
います。
2軒並んだ建物のうち左の白壁の店舗では
焼き草餅を右の店舗では奈良漬けを販売し、
店の奥には焼き草餅を食べられるスペースが
設けられています。
中庭から心地よい風も吹き抜けて気持ちいい。

<草福餅>

ちょっと縁起のいい名前です。
(草餅2個とお茶のセット \300)

濃い緑色の草餅は小振りながら厚みがあり、
両面に焼き目がついています。
手に取ってみると、餅は思っていたよりしっ
とり柔らかい感触。
餅にはよもぎの繊維がはっきりと残っていて、
これが濃厚な風味を際立たせます。
中身のつぶあんはよもぎの邪魔をしないよう
甘さ控えめであっさり味。

もちろん、持ち帰り用の箱入りやばら売りも
あります。
(1個 \100)

ところで、こちらの女将さんが商売熱心で、
通りすがりの人への声掛けも積極的。
勧められた試食の奈良漬けも美味しかった。
今回はロードバイクだったので買いません
でしたが、バイクか車ならきっと釣られて
買ってたでしょうね。
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025(滋賀)彦根 三十五万石

2012-10-16 12:44:22 | 滋賀の和菓子
彦根の有名和菓子店「おおすが」のご紹介。

<おおすがの店構え>
~滋賀県彦根市中央町~

お店の場所は彦根城京橋口から南東へ5分の
中央商店街。
こう言ってはなんですが、商店街に不似合い
なほどクールな外観。
とても和菓子店には見えません。
ただ、昔懐かしい雰囲気を残すオレンジ色の
看板が、なぜかほっとさせてくれます。

店内もとても綺麗でおしゃれ。
きっと店員さんも若くて綺麗で…
とはいかず、落ち着いた年配の女性でこちら
の女将、いや大女将かも。
でも対応はもちろん親切丁寧でしたよ。

ちなみに彦根キャッスルロードにも支店が
あります。

商品の種類もたくさんあって迷いますが、
ここは定番をチョイス。

<三十五万石:餅入り>

手に取るとずしりと重く、いかにも食べ応え
ありそうな定番の最中。
米俵の形をしており、表面には彦根藩井伊家
の石高を示す「三十五万石」の文字が。

中にはつぶあんと求肥の餅が入っています。
食べたのは購入から4日後だったのですが、
とても柔らかく、あんは甘さ控えめで上品。
ちなみに小豆は北海道産、求肥は近江米に
拘っているそうです。
(1個 \126)

<三十五万石:栗入り>
餅の代わりにちょっと豪華に栗入り。
最中の見た目は変わらないので写真は省略。
大きな栗が入っていてなかなか美味しい。
でも、食感や最中とのバランス、さらに
お値段を考えると餅入りをお勧めします。
(1個 \189)

さすが彦根三十五万石の城下町、美味しい
和菓子には事欠かきません。
探せば他にもありそうなので、いずれまた
来ないといけませんね。
「待っててや~彦根!、待っててや~
ひこにゃん!」
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024(滋賀)彦根 埋れ木

2012-10-10 23:08:00 | 滋賀の和菓子
先日、オートバイでの湖東ツーリングで立ち
寄った「いと重菓舗」さんをご紹介。
彦根で和菓子といえばコレというほどの定番。


<いと重菓舗の店構え>
~滋賀県彦根市本町~

彦根城の京橋口近く、観光客で賑わう夢京橋
キャッスルロードから南へ少し入ったところ。
創業は文化6年(1809年)と200年以上
の歴史がある老舗で、彦根藩の御用達だった
そうです。

店舗は鉄筋コンクリート造りのようですが、
景観に配慮した立派で綺麗なお店。
さすがに老舗らしく、店員さんも非常に親切
丁寧に対応してくれます。
ショーウインドには箱入りしか並んでいませ
んが、ちゃんとばら売りもしてくれます。

ちなみに、夢京橋キャッスルロードをはじめ
本店以外に3店舗あるようです。

<埋れ木>

幕府大老、彦根藩主であった井伊直弼が青年
時代を過ごした「埋れ木舎(うもれぎのや)」
に因んだもの。
小振りで見た目も綺麗な緑色、いかにも老舗
の和菓子という感じ。
手芒豆(白いんげん)の白餡を求肥で包んで、
抹茶を加えた和三盆糖をまぶしてあります。

この時点で既に高級感や上品な味を想像…。
いやいや、先入観は良くない…意識と味覚を
リセットして味わわねば。

では、いざ実食です。
食感は求肥の外側が少しカサカサというか
しっかりしています。(ちょっと意外)
断面も美しく、薄桃色の白餡を真っ白な求肥
が包み、さらにその外側を薄緑色の和三盆が
覆っています。
味は白餡+和三盆なので少々甘め、後味に
ほのかな抹茶の風味が加わります。
もう少し苦味があるほうが…と思いますが、
渋いお茶や抹茶とのバランスを考えれば丁度
いいのかも。
(1個 \126)

これはきっとお茶席を意識して作られている
んでしょうね。
せっかくなので、この機会に茶道でも始めて
みようかな~。(嘘です嘘)
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023(滋賀)多賀 糸切餅

2012-10-07 22:31:17 | 滋賀の和菓子
オートバイの湖東ツーリングで立ち寄った
「莚壽堂本舗」さんをご紹介。

<莚壽堂本舗の店構え>
~滋賀県犬上郡多賀町~

多賀大社の鳥居前、創業は明治初年なので
約130年の歴史があります。

建物の屋根は藁葺か茅葺のようですが、
店先が雑然としていて、残念ながら趣が
あるとは言い難い。
写真で分かるように店先からもうもうと
湯気をあげて実演販売もしています。

<糸切餅>

米粉を搗き、きめの細かい餅で餡を包んで
伸ばし、その名の通り糸を使って食べ易く
切ったもの。
可愛い赤と青の線が入り、見た目はまるで飴。
私はオッサンなので言いませんが、女子なら
きっと「可愛い~」って喜ぶんじゃないで
しょうか。

糸切餅は、鎌倉時代に神風によって蒙古軍の
襲来を撃退できたことに感謝し、多賀大社に
奉納された蒙古軍の旗の色「赤」と「青」を
餅に表現。
また、刃物を使わず三味線の糸で餅を断ち切
るのは悪霊を断ち切ること「平和」を意味
するそうです。

店の奥で腰掛けて食べることが出来、お茶は
セルフサービスながら2個で100円という
良心的なお値段。
もちろん箱入り(10個入り \550)やミニ
パック入り(3個入り \170)もあります。

見た目通り上品な餅はきめ細かく、微かな
塩味。
餡も甘すぎず、とにかくあっさり上品で
多賀大社の門前にふさわしい味。
ただし、無添加で賞味期限は2日だけ。

ちなみに1件挟んで隣の「本家多賀屋」でも
ほぼ同じお値段で糸切餅を売っているので、
食べ比べも面白いかも。
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