大変遅い記事ですみませんが…
1月27日、日生劇場の黒蜥蜴を見てきました。
原作 江戸川乱歩、脚本 三島由紀夫、演出 デビッド・ルボー
出演 中谷美紀、井上芳雄、相良樹、朝海ひかる、たかお鷹、成河 他
魅力的なスタッフ、キャストに期待が高まる…
原作の怪奇的、猟奇的な世界がルボーの演出でどのようになるのか…
このお芝居をするには日生劇場はちょっと大きすぎるような気もしましたが、
舞台上部に大きなアーチがあって、中谷美紀さん演じる黒蜥蜴が舞台上にいるときは
そのアーチにダンサーさんが演じるトカゲが張り付いている、という風になっていて
普通の会話をしていても、何となく妖しい雰囲気が漂う、という感じでした。
音楽は生バンドです。
そして舞台では盆が多用されていました。ゆっくりと回る盆がうまく使われていました。
黒蜥蜴役の中谷美紀さんは美しさとなまめかしさと残酷さもあって素晴らしかったです。
黒蜥蜴に対する明智小五郎役は井上芳雄さん。
演出のルボーさんとは縁がありますよね。
丹精な物腰のなかに毅然とした雰囲気で素敵な明智小五郎でした。
舞台は前半は押さえた感じで探偵の推理ものという雰囲気でしたが、後半は一気に猟奇的な雰囲気になり…とても面白かったです。
黒蜥蜴の家来たちが出てくるとみんな爬虫類の感じで、ちょっと高野聖を思い出しました。
朝海ひかるさん、家政婦で黒蜥蜴の手下。雰囲気があってよかったです。
成河さん、雨宮青年役でした。黒蜥蜴の手下ですが、罵倒され足蹴にされ、かなり
虐待っぽい…が、それも愛ゆえか。かなり倒錯的ですが。嫌いじゃありません、こういうの(笑)
三島の脚本なので、日本語が昔風で丁寧で美しい、そして耽美な響き。
でも台詞をいう方は普段使わない言葉も出てくるし大変でしょうね。
ルボーさんのアート的な演出で乱歩の猟奇的な世界、そして三島脚本の言葉の美しさと耽美な世界が楽しめてとてもよかったです。