今の歌声は

ohtaと申します。M!初演の中川晃教さんに感動してこのブログをはじめました。ゆるゆると更新中。よろしくお願いします。

ルードヴィッヒⅡ

2014-01-06 23:17:48 | cinema



映画「ルードヴィッヒⅡ」を見てきました。

あのビスコンティの名作「ルードヴィッヒ2世~神々のたそがれ~」があるので
どんなものを作っても比べられてしまうのでは?って感じですが…
やはり、余韻の深さが違いました。

細かなエピソードの積み上げで、ルードヴィッヒⅡの孤独感を描こうとしているのは
判るけれど、なぞってる感が強くて、深い感銘は受けなかった。残念。
音楽ももっとワーグナー作品が使われているのかと期待したのですが、
あんまり効果的には使われていなくて、これもちょっと残念。
やはり、ワーグナー好きじゃないと、あの長大な曲のどの部分を使うのか
それを考えるだけで凄い時間かかりそうだしなあ…


でも、ビスコンティの映画では描かれなかったエピソードもあって、それはそれで
ルードヴィッヒⅡの個性は描かれていたと思います。

最新の武器を購入する必要があっても、敵が攻めてきたら音楽を聴かせよう、
ワーグナーの音楽を聴けば敵も戦意喪失するはず、と主張する国王…
そして、武器よりも楽器を購入しようとする。
国家予算をつぎ込んで作曲家ワーグナーを庇護する。
ちょっと笑っちゃうくらいの純真さなんですよね、ルードヴィヒは。
その辺は愛しいくらいの純真な青年です。そして凄い美青年でもある。

ルードヴィッヒ役のザビン・タンブレアは凄く背が高くてハンサムだけれど
貴族的な雰囲気がいまいちかな…(って偉そうにすみません)
弟のオットーとの身長さが凄くて、兄弟というよりは親子くらい?(爆)

ビスコンティの映画でも描かれていてけれど、改めて彼の繊細さを感じました。
そして、ワーグナーへの心酔度が高ければ高いほど、客観的にみればそれは滑稽な状況
に映ってしまうのです。

「狂王」とも「メルヘン王」とも呼ばれたルードヴィッヒ2世
音楽で戦争を回避することを真剣に考えていた国王
時代が違えば平和主義者として讃えられていたかもしれないですね。


ところで、今回有楽町のスバル座で見たのですが
シネコンではない映画館、久しぶりでした。
場内の係員の対応もいいし、雰囲気が落ちついていて
凄くよかったです。
なんだかホッとしました。













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