松尾芭蕉の不易流行
芭蕉との縁は、深川タウンウォッチングで江東区の「芭蕉記念館」で接し、NHK「その時歴史は動いた」を見て、益々深まった。
芭蕉は、後に俳聖と呼ばれるが、俳句を言葉遊びから心の芸術にまで高めた契機となったのが、有名な「古池や蛙飛び込む水の音」の句である。この句は、常識を破って下の句「蛙飛び込む水の音」が先にできた。ここで先ず弟子が驚く。蛙は(啼く)ものと来るのが普通。更に、芭蕉の「上の句は…?」という問いかけに、弟子が「蛙と来れば、それはもう(やまぶき)でしょう」と応えたという。(*やまぶきと蛙の関係はよく解りません。私の記憶には、やまぶきと聞こえましたが…)
この句がナゼ新境地を開くものだったのか? 常識を破った発想、表現にあるらしい。今で言う「破壊と創造」か!? (蛙/飛び込む)(古池/蛙)…ナルホド、異質なものを融合させた発想の飛躍を感じさせる!?(*奥が深いですねぇ!?)
この句には、経営の真髄にも迫るかのような「不易流行」(ふえきりゅうこう)の精神に繋がるものがあるという。後の名句、平泉の戦い跡を詠んだ「夏草や兵どもが夢の跡」(変わらぬ自然、変わる人の世)、山形・立石寺の「閑さや岩にしみ入る蝉の声」は、(蝉の命は変わるが、岩の風情や自然は変わらない)という意味であろうか。不易(変わらぬもの)と流行(変わるもの)は、遂にはひとつに帰するという。
私の解釈では、不易流行は(伝統と革新)に置き換えられると思っている。変化の少ない業種では不易7,流行3のバランス、変化の多い業種では逆のバランスを念頭に置くのが良い…と、かねて考えてきたが、今日のような変化が大きく、しかも早い時代にはリスクがあっても(変化対応の実行力)ある舵取りが最終的な価値に繋がると思う。極めて卑近な例で取り上げてみよう。東京三大「鯛焼き」、麻布十番「浪花屋」、四ッ谷「わかば」、人形町「柳屋」いずれも手作り派で、昔ながらの型焼きであんこも変わっていない。時代と共に甘みを変えるのは、カイゼン、改良、小豆の産地を変えたり、製法に機械化、ロボット化を取り入れればフルモデルチェンジに近い。これはもう「革新」である。あんこを小豆からカスタードやお好み焼きの具を使う例は、伝統を破る新製品の「革新」と言えるだろう。
しかし、そんなご時世でも「着眼大局、着手小局」という言葉は生きているから、経営は難しいものだと思う。変化はチャンスであるという。大きな時代の変化、お客様の変化を長期的に捉え、小さな変化に素早く対応する…そんなセンスと決断力、実行力が勝利に繋がると思う。
芭蕉との縁は、深川タウンウォッチングで江東区の「芭蕉記念館」で接し、NHK「その時歴史は動いた」を見て、益々深まった。
芭蕉は、後に俳聖と呼ばれるが、俳句を言葉遊びから心の芸術にまで高めた契機となったのが、有名な「古池や蛙飛び込む水の音」の句である。この句は、常識を破って下の句「蛙飛び込む水の音」が先にできた。ここで先ず弟子が驚く。蛙は(啼く)ものと来るのが普通。更に、芭蕉の「上の句は…?」という問いかけに、弟子が「蛙と来れば、それはもう(やまぶき)でしょう」と応えたという。(*やまぶきと蛙の関係はよく解りません。私の記憶には、やまぶきと聞こえましたが…)
この句がナゼ新境地を開くものだったのか? 常識を破った発想、表現にあるらしい。今で言う「破壊と創造」か!? (蛙/飛び込む)(古池/蛙)…ナルホド、異質なものを融合させた発想の飛躍を感じさせる!?(*奥が深いですねぇ!?)
この句には、経営の真髄にも迫るかのような「不易流行」(ふえきりゅうこう)の精神に繋がるものがあるという。後の名句、平泉の戦い跡を詠んだ「夏草や兵どもが夢の跡」(変わらぬ自然、変わる人の世)、山形・立石寺の「閑さや岩にしみ入る蝉の声」は、(蝉の命は変わるが、岩の風情や自然は変わらない)という意味であろうか。不易(変わらぬもの)と流行(変わるもの)は、遂にはひとつに帰するという。
私の解釈では、不易流行は(伝統と革新)に置き換えられると思っている。変化の少ない業種では不易7,流行3のバランス、変化の多い業種では逆のバランスを念頭に置くのが良い…と、かねて考えてきたが、今日のような変化が大きく、しかも早い時代にはリスクがあっても(変化対応の実行力)ある舵取りが最終的な価値に繋がると思う。極めて卑近な例で取り上げてみよう。東京三大「鯛焼き」、麻布十番「浪花屋」、四ッ谷「わかば」、人形町「柳屋」いずれも手作り派で、昔ながらの型焼きであんこも変わっていない。時代と共に甘みを変えるのは、カイゼン、改良、小豆の産地を変えたり、製法に機械化、ロボット化を取り入れればフルモデルチェンジに近い。これはもう「革新」である。あんこを小豆からカスタードやお好み焼きの具を使う例は、伝統を破る新製品の「革新」と言えるだろう。
しかし、そんなご時世でも「着眼大局、着手小局」という言葉は生きているから、経営は難しいものだと思う。変化はチャンスであるという。大きな時代の変化、お客様の変化を長期的に捉え、小さな変化に素早く対応する…そんなセンスと決断力、実行力が勝利に繋がると思う。
