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【お知らせ】
5月のコミティア、6月のそうさく畑に直参します。

出展名はいつもの「That’sゆーのす」、コミティアの配置は「O52b」になります。
そうさく畑は申し込み済みで当落待ちです。
サークルカットに描いてある三十路カメラ女子まんがの新刊、
「橘川絵里子の写真」を頒布予定です。
どうぞよろしくお願いいたします。
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昨日寝る前に
家族と昔の話をしておりました。
昔一時だけですが期整備屋をしていた時期がありまして、
その時のよもやま話を。
いろいろ経験できて楽しい仕事ではありましたが。
大変なことも多くあったとも思います。
一番辛かったのはやっぱり…
扱い方が良いとは言えないクルマに関わった時だなぁ…と。
クルマが好きですから、扱いが粗雑なものをみると悲しくなる…というか、
もちろん整備屋さんは客商売ですから、お客さんのオーダーに従うのみですが、
そういうクルマを見ると、
本音としては不憫でなりませんでした。
でもクルマ好きですから。
せめてクルマには出来るすべてをしてやろう…って思ってました。
仕事としてはサービスになっちゃうけど
そうとういろいろやりましたです。
一番覚えているのは数年間ほったらかしでエンジンもかからないようなクルマを
「とりあえず車検とって動けるようにしてくれ」ってものでした。
車内はゴミだらけ。外観もコケまで生えてぼろぼろ。
タイヤも空気が抜けてつぶれて壊れちゃってるし、エンジンもかからないし、
ガソリンも当然おかしくなってるし。
とどめにトランクのパッキン横に穴が開いて、トランクには腐った水が溜まってました。
先輩は嫌がって触ろうともしないし、全部自分がやりましたです。
いろいろ取り替えるのにお客さんに説明して、出来るだけ安く済ませてって言われて。
その分は自分の手間でサービスして。
でもせめて少しでも多くこのクルマが乗ってもらえるように…と
外観磨いて車内もきれいに掃除して、トランクの穴も何とか自分で塞いで。
「おー、きれいになったじゃん」ってお客さんは乗って行きました。
苦労したもん…とは言わなかったですけど
「これでもう走るほうは大丈夫です」
「ただ、一部の穴はきちんと板金に出されたほうが安心かと思います」
「何かありましたらお気軽に連絡をくださいませ」
とだけ。
そのあとしばらくして整備屋からは離れてしまいましたが、
今でもあのクルマはその後どうなったんだろうか…と思います。
何度か街中で見かけましたが、
少しでも元気に走って、天命を走って全うしてくれたのなら…と思っております。
よくお世話になっているクルマ屋さんでも
整備にまつわるお話とか、昔あったいろんなお話を聞く機会があります。
いいこともあれば、大変なことや辛いこともある…と。
もちろん自分も今はお客さんの立場なので、
社長が自分含めてのお客さんのことを話すときにはあまりハッキリとは
言っていないんだろうとは思います。
※よく「(僕も)わたなべくんも素人or運転が上手い訳じゃないんだよ」とか
「わたなべくんみたいな普通の乗り方にあわせた」とかは言われますけど
逆にそういう風に言ってくれるからこそお世話になっているわけではあります(^^;)
別にエキスパートだとか褒めてもらいたくて行ってる訳じゃないので~(笑)
ただ。
運転も上手くはなかなかなれないし(そもそも走りこんでいるわけじゃないし)
整備の技術も昔のままでそんなにいろいろ出来るわけじゃないです。
でもクルマ屋さんに接する時に、
”クルマ好き”として自分にも一つだけできることがあります。
「愛車を大事にすること」です。
自分が昔整備屋だった時に、すごく大事にされているクルマが入ってくることもありました。
特にいじってるクルマじゃないんですが、
本当にきれいに清掃・整備されていて、触るところがないくらいでした。
逆に予防整備で「ここはやっておいてください」ってのがあったくらいで。
車検終わって渡す時に
「ご注文のパッキンと液もの類は皆交換させていただきました」
「本当におきれいに乗っていらっしゃるので、問題はなかったです。」
お客さんもそう聞いて満足気でした。
そういうお客さんは本当に格好良く見えましたし、
走り去っていくクルマも誇らしげに見えました。
整備屋を離れてずいぶん経ちます。
技術的にも精神的にも整備屋には正直戻れない自分ですが。
せめてクルマ屋さんに接する時に
「この人のクルマは不憫だ」って思われないようなクルマの状態を
維持していたいなと思います。
いつもお世話になっている猫ガレージさんの社長と奥さんには
運転も何も褒めてはもらえません(笑)
が、
「いつもきれいにしているね」
「クルマもこれなら幸せだね」
そう言って貰ってます。
クルマ好きですからね。
クルマが好きという気持ちを疑わしく思われてしまうような様子ってのは
自分は一番嫌だなぁと思います。
何かを好きでいて、その様子を同好の人々に見せた時に、
それが疑わしかったり、その気持ちが負けているってのは
やっぱり嫌ですから。
(絵描きも同じで、技術や内容で負けても怒られても仕方がないけど
本を作る気持ちや絵を愛する気持ちでだけは負けたくないです)
社長たちが言っているのはお世辞かもしれないけど。
できることなら愛車を診てもらう時に
「大事にされてるんだね、お前」って思ってもらえるようにできたらと思います。
整備士さんも大変だから。
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