ヨイショじゃないですけど、うちの会社にあらためて感心しました。
ひさびさに感心したと言う気持ちもあります。
というか今回の震災における毅然とした対応には
社員としてありがたさを感じました。
震災被災地への支援を先ずしっかりと、そして早急に行ったこと。
これは大企業としてある意味当然とも思われるでしょうけど
実はうちの会社も大規模に被災しています。
栃木にある研究所、そしてメカトロエンジニアリング部門、
新機種・品質管理部門が地震で被災しました。
うちの会社の中枢部、そこが壊滅的な被害を受けていたのです。
人的被害で一名の方が亡くなり、建屋の破損も激しく、
建物の中は瓦礫の山と化し、一切の業務ができない状態との事でした。
でもこの中で早急に被災地に向けたアクションをしたことに
社員として嬉しさと誇りを感じました。
そして各事業所においても…私のいる埼玉事業所でも
被災時に社員の安全をきっちり確保し、きちんと全員を帰宅させ、
いち早く自宅での待機を命じてくれました。
ご存知のように地震の後は続く余震や停電、原発事故、
また物資困窮による混乱が東日本を襲った訳ですが、
帰宅難民や停電で混乱する都市部や一部企業をよそに
うちの会社の従業員は家で自分と家族の安全を考えることができました。
会社は利益や生産よりも従業員の安全を考えてくれました。
物資困窮やガス欠に怯え、停電で従業員を右往左往させることを良しとしない
その姿勢には自宅待機中にもありがたさを感じました。
そして関連協力企業にも早急に連絡をとり、
混乱を最低限に抑えたことも高く評価したく思います。
そして今日…
自動車関連企業が深刻な被害を受ける…という報道が駆け巡る中、
社員も期間契約社員もこの後どうなるかを心配して会社に出てきました。
噂では「4月いっぱい稼動できない、給料も払えないのでは?」という
悲観的な噂も多く流れていました。
特に心配していたのは期間契約社員の皆さんだったと思います。
働けない=給与が消えてなくなる です。
死活問題です。
そして私たちのお給料も最低賃金補償額まで落とされるのではないかと
考えていました。
即死でないまでも、かなり深刻な経済的打撃を受ける家庭も出てくる筈でした。
しかしうちの会社は「大英断」を下してくれました。
4月11日から今の勤務形態のままに生産を再開すると…。
また翌週からも生産準備を始め、工場としての稼動を維持すると…。
そう宣言してくれました。
もちろん電気は足りません。
節電に協力するため、設備の稼動も最低限の時間と範囲です。
部品も十分ある訳ではありません。
今は協力メーカーさんが働ける状態ではなく、
部品は今ある在庫をかき集め、市場に浮いている部品を集めての稼動になります。
もちろん4月の生産量は通常の50%にもぜんぜん足りません。
これは…我が社が自動車製造業としての社会的務めを
一刻も早く果たそうとする姿勢であると同時に、
従業員…正規も期間も全てひっくるめて「雇用も賃金も守るよ!」という大英断です。
今回の震災で受けた我が会社の被害はきわめて深刻です。
創業以来の最大の危機、オールホ○ダの存亡がかかった絶体絶命の危機です。
部品もほとんど無く、空っぽになった工場のライン…今までこんなことは無かった。
リーマンショックの時もここまでではなかった…。
そして頭脳である研究所も行動不能になりました。
それを見て多くの従業員が不安を感じていたでしょう。
「さすがに今回ばかりはうちの会社も…」と言う人もいました。
しかし…「その話」が伝えられた時、みんな驚いていました。
まさかこういう話になるとは夢にも思わなかったから。
でも時間がたった今はみんな嬉しく思っていると思います。
会社は私たちを守ろうと必死でいてくれる、
そう分かって嬉しくない社員はいないと思います。
特に…期間契約社員さんを守ってくれる会社の姿勢には感動しました。
以前のリーマンショックの時に守れなかったことを会社も悔いていました。
今度は身を挺してもっとしっかり従業員を守ろうとしています。
これを見て誇りに思わぬ人はいないと思います。
また被災地域の事業所の人たちも埼玉に臨時オフィス…と言えば聞こえは良いですが
言うなればバラックです…を埼玉の工場の空きスペースに建てて、
多くの方が単身赴任で遠くの寮にバラバラに入り、バスで通いながら
研究開発やエンジニアリング、新機種関連業務を再開するとのことです。
すでに多くの人が埼玉に赴任し、準備を進めている様子を見ております。
私たちの会社を守るため、会社も必死になっていますし、
先に動き出した仲間も頑張っています。
うちの会社…最近製品に元気が無いせいで残念に思うことが多かったのですが
こういう中身の芯の部分でしっかりしているところを見ることができ、
本当に嬉しく思います。
正直、私は4月いっぱい家に待機することを覚悟していました。
ですが、翌週から仕事をすることができます。
私も私のできることを頑張って行きたいな…と思いました。
頑張れホ○ダ!
頑張れうちの会社!!
今日の決断、本当に嬉しく思います!
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