金星探査機「あかつき」が、金星周回軌道への投入に失敗しました。
今現在、原因究明が進められているようですが、
いずれにしても宇宙のかなたにあるあかつきのことは
いくらかのデータからの推測でしか知る術はありません。
いずれにしても失敗といえば失敗と思います。
火星探査機「のぞみ」に続いての失敗になってしまいますし、
「はやぶさ」も一応成功したとは言え、当初の計画に対して見れば
飛行状態やサンプルリターンの達成率を考えれば
成功だと諸手を上げて喜べる状況ではないとも思います。
※勿論極めて限られた予算の中で関係者の皆さんは
非常に良くやっていると思います。
ちなみに「あかつき」の計画総予算は250億円と言われています。
必ずこの手の話が出ると、
「こんなことに大金使いやがって」
「そもそも宇宙開発に意味などあるのか」
という話をする人が必ず現れます。
250億円は確かに大金です。
宇宙開発としてみれば微小な額でも、庶民感覚からすれば
とんでもない額であるのは事実です。
そして宇宙開発に意味があるのか?
少なくとも実生活における利益やメリットは少ないでしょう。
金星のスーパーローテーションの秘密が分かったからといって
それが直接日本人の収入や利益にはならないでしょう。
そういう人に逆に質問。
あなたも働いていると思いますが、
何のために働いているのですか?
家族のため、社会のため、自分のため、いろいろあると思います。
まとめれば「生きて暮らすため」になるというのも
実際のところであると思います。
でも働き、利益を得ることは目的のためのただの要素であり、
経緯に過ぎないというのはほとんどの人が思うことであります。
ただし、それをしなければ生きていけないという重要な要素でもあります。
その中では利益を生む行動をしなければいけないし、
不毛なことは慎むべきでしょう。
今まで得た知識やパワー、バイタル・メンタル両面での充実を
仕事…生きるための糧を得る戦いに向けるべきです。
ただ…働くだけでは人間は疲弊します。
寝ても食っても体は生き返っても、精神は満ちることはないでしょう。
精神的な休息や充実も大事なことは、いまや社会の常識です。
そのために「遊び」があります。
※先に断っておきますが、遊びはサボタージュや怠惰とは
全く関係ない人間の文化的行為です。
遊びという言葉に対する誤解をしている人が多いので
先に書いておきます。
働く、休む、遊ぶ、というローテーションは
社会を保つ上での重要な”輪っか”だと思います。
遊びというのは単なる「わーい」ってレベルのものから
精神的・肉体的な高揚を伴うものまでたくさんあります。
勿論、知識を高める行為もそこに含まれます。
遊びは個々人のものから社会的なものまで
たくさんあります。
「お祭り」もそれに含まれると思います。
祭りはそれ自体が楽しみであると同時に
文化の継承や発展、ひいては人全体としての進歩・充実がある
壮大なイベントです。
人を遊ばせ、社会を豊かにする遊びがあるからこそ
人は単なる生産マシーンではなく、豊かな文化を持つ人で
いられるのだと思いますです。
そういう意味では「宇宙探査」は”壮大な遊び・お祭り”と言えないでしょうか?
宇宙に限らず、探求の全てがそう言えるかも知れません。
人類の英知を尽くし、未知なる領域に挑み、
未知を既知に変えていく時の楽しさ、喜び。
人類の知識や領域を拡大し、人類という存在を一歩前に押し進める…
その行為が人に勇気を与え、喜びや誇りを与える…。
その気持ちを糧に人がより豊かに生きていく…。
そういうものではないかと私は考えます。
今回の「あかつき」は、いろいろ理由はあったにせよ、
宇宙の壁に阻まれたともいえます。
宇宙という人類にとって最後にして最大のフロンティアは
そう容易いものではありません。
ただ…祭りであるとしたら「よっしゃ、次は必ず決めるぞ!」になるものでしょう。
壊れるかも知れない神輿があったとしたら、予備を用意する。
神輿自体を大きく頑丈にする…そういう流れのように
宇宙開発・探査にもより大きな予算をつけてあげられればと思います。
今の日本人がすぐ使う言葉「意味あるの?」「金がかかる」
この考えが逆に日本人を疲弊させているのではないかと思います。
金貯めるのに精一杯で遊びも知らずに家に閉じこもっている人みたいなものでしょう。
遊びは重要です。
これが人を人足らしめる…。
学術探査でどかーんと遊ぶ!
日本人ってなんて素晴らしいんだと思えると思います。
ちなみに…遊びにも金がかかります。
無い金使って放蕩するのは愚の骨頂です。
「あかつき」の予算は全部で250億円。
参考に…高速道路の割引、無料化という
公共交通いじめ/CO2垂れ流し/必要以上の環境破壊誘発の
愚策にかかっている費用は10年間で3兆円です。
年当たりで換算しても3000億円です。
しかもその予算は10年どころか5年で使い切ろうとしています。
無駄なCO2垂れ流しを抑止すべく高速道路料金を”正規”に戻せば
自然にあかつきを10機打ち上げられるだけの金が沸いてくるじゃありませんか。
渋滞の中でCO2を無駄に垂れ流す行為も、その個々人の遊びにつながっているので
なんとも言いがたい部分はありますが
あれは金がかからない(と思われる)ところに人が流れただけで
そこで渋滞させる必然があったかどうかは私には分かりません。
とにもかくにも。
遊びにもお金がかかります。
日本は大赤字国家です。
無駄な金を使う余裕は無いはずです。
しかし…道路に線路、ゼネコンや一部団体にばらまく金があるのなら
国家としての壮大な遊びにもう少し分けてあげても
バチはあたらないかな…と思います。
遊びが全く無いと、逆に国家がダメになると思いますです。
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