水辺の町ルッツェルン(Luzern)の続編。
氷河の痕跡を展示している氷河公園がある。
そのすぐ横の岩壁には、横たわるライオン像が刻まれている。
1792/8/10 フランス革命の時、フランス王家に仕えていたスイス人衛兵の786名が、パリのチュイルリー宮殿で、押し寄せる革命人民軍からルイ16世とマリー・アントワネット王妃を、最後まで守り続けて全員戦死した。
その忠実さと英雄的悲劇を称え、デンマークの彫刻家 「トルバルセン」 が制作した。
岸壁に刻んだ5mほどの彫刻は、異国で没したスイス衛兵をライオンに見立て、その左背には折れた槍が刺さり、十字マークの盾(フランス王家を表す)の上に苦しそうに横たわるその姿を、
マーク・トゥウェインは 「この世で最も悲惨で心を打たれる岩塊」 と記し、碑文には 「ヘルヴェティア人の信仰と美徳に寄せて」 と書てある。
農業に不適な山地の多いこの国は、昔は大層貧しかった、それ故傭兵(お金で雇われた兵隊)として出稼ぎを余儀なくされ、この悲劇に遭遇した。210年前の悲劇を思い浮かべながら、ライオン像を眺めた。
おまけ;これ以外に、幾つかの観光スポットがある。(ご参考までに、列記しておく)
• イエズス教会:スイス最古のバロック建築。1666年築。
• ホーフ教会:ルツェルン市民の信仰の場。8世紀にベネディクト派の修道院として建てられた教会。火事で焼失後、1645年に再建。スイス有数のルネッサンス建築。
• 時計塔と城壁:最古の部分は1386年築。最も古い時計塔「Zyt」の時計は1535年に造られた。他の時計塔より1分早く鳴らされる。
• 名門時計店「ギュベリン」
• ルツェルン湖遊覧
• ピカソ美術館
• リヒャルト・ワーグナー博物館:作曲家ワーグナーの1866年〜1872年の居所。
• ルツェルン文化会議センター:フランスの建築家ジャン・ヌーヴェルの設計。コンサートホール、コンベンションセンター、ルツェルン美術館などが入っている。
• スイス交通博物館