女子高校生のあとに続いてバスを降りるときに、その前の女子が足元に黒っぽい何かを落とした。
自分でも気がついたようで「あっ・・・」と口にしたかどうか耳をそばだてていたわけではないからわからなかったが、彼女は手に持っていたスマホを落とさないようにしながら片手で小さな黒い塊を拾った。
よくよく自分の足元を見ると、ほぼ同じような黒い塊がすぐ下にもあるのを見つけたので、「よっこらしょ!」と声には出さずに(心の中では言っている)拾ってあげた。その黒い物体は軽くて柔らかーい感触。
そして彼女の手のひらへそっと置く。
すると、「おっさん、なにあたしのもんを触ってんだよ!」と凄まれることなく、蚊の鳴くような声で「ありがとうございます・・・」というリアクションをもらい、唐突に運気が上がったような気に(今週末の有馬記念は取れるかもしれない)。
いい子じゃ。
柔らかい黒い塊は手編みの手袋。お手製なのか、お母さんに編んでもらったのか知る由もないけれど、ぜひ女子高生自らが編んだ手袋であって欲しいとおっさんは心の中で切に願う。
暗がりゆえにルックスを観察しそこねたのが悔やまれるものの、そこはこの余韻で満足しておこう。
自分でも気がついたようで「あっ・・・」と口にしたかどうか耳をそばだてていたわけではないからわからなかったが、彼女は手に持っていたスマホを落とさないようにしながら片手で小さな黒い塊を拾った。
よくよく自分の足元を見ると、ほぼ同じような黒い塊がすぐ下にもあるのを見つけたので、「よっこらしょ!」と声には出さずに(心の中では言っている)拾ってあげた。その黒い物体は軽くて柔らかーい感触。
そして彼女の手のひらへそっと置く。
すると、「おっさん、なにあたしのもんを触ってんだよ!」と凄まれることなく、蚊の鳴くような声で「ありがとうございます・・・」というリアクションをもらい、唐突に運気が上がったような気に(今週末の有馬記念は取れるかもしれない)。
いい子じゃ。
柔らかい黒い塊は手編みの手袋。お手製なのか、お母さんに編んでもらったのか知る由もないけれど、ぜひ女子高生自らが編んだ手袋であって欲しいとおっさんは心の中で切に願う。
暗がりゆえにルックスを観察しそこねたのが悔やまれるものの、そこはこの余韻で満足しておこう。