町村官房長官は8日の閣議後の記者会見で、チベット問題を巡って人権団体などの北京五輪の聖火リレーへの抗議・妨害活動が相次いでいることに関し、「暴力的な行動を伴う抗議行動は決して好ましいことではない」と自制を求めた。
(2008年4月9日00時04分 読売新聞)
ダライ・ラマと中国政府の直接対話を…日本の文化人ら要求
作詞家の湯川れい子さんら日本で活躍する文化人、芸能人、学者など65人が8日、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世と中国政府の直接対話を求める声明を発表した。
中国に対し「激しい人権弾圧に、深い憂いと強い憤りと悲しみを覚える。中国政府首脳が国際的仲介者の下で、ダライ・ラマ法王と話し合うことを心から求める」と訴えている。また、日本政府にも「直接対話の実現に、あらゆる外交手段を使って働きかける」ことを要請した。
東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見した湯川さんらは「五輪までに話し合いを。石ころと棒きれしか持たない人への暴力はやめて」と語った。
これに関連して高村外相は8日の参院外交防衛委員会で、「私自身はただちに仲介、和解に乗り出すことはないと思う。できるような立場ではない」と述べ、日本政府として直接対話の仲介に乗り出すのは困難との考えを示した。
(2008年4月8日19時48分 読売新聞)
日本の文化人65人が、ダライ・ラマ14世と中国政府の直接対話を求める声明を発表したというニュースを聞いて、敬意を表します。
問題は日本政府の対応なのですが、町村官房長官「暴力的な行動を伴う抗議行動は決して好ましいことではない」・・・しごくごもっともなお話です。ならば当然、中国政府の軍によるチベット人民への凶暴な暴力に対して、「暴力は好ましくない。自制を!」と大声で抗議するべきだと思います。
一方、高村外相はこうです。「私自身はただちに仲介、和解に乗り出すことはないと思う。できるような立場ではない」・・日本政府として対話の仲裁の乗り出すのは困難との考え・・・・おそらく、中国主席の訪日を控えて中国の逆麟に触れるわけにはいかないということでしょう。お二人とも、まったく無為無策の日本政府を端的に表していますね。
中国相手に何も言えない日本政府。これが今の日本です。北京五輪が「成功裏」に終わる可能性はそれほど高くないと思いますが、万一そんなことになったら、日本は今以上に、中国に一言たりとも口答えはできなくなるのでは、と危惧していますがこれは考えすぎでしょうか。