胡主席はガス田開発問題について、「共同の努力で双方が受け入れ可能な解決案をみつけ適切に解決できると信じる」と改めて強調したが、この発言は裏返せば、今回の訪日で合意を得るのは難しいことを示したものといえる。
中国製冷凍ギョーザ中毒事件に関しては、「(この事件を)高度に重視している。双方が引き続き調査と協力を強化、一日も早く真相を解明するよう望んでいる」と述べるにとどめ、解決が長期間に及ぶことをほのめかした。
胡主席は今回の訪日を「暖かい春の旅」と表現し、訪日の目的について、「友好を強化、協力を深め、戦略的互恵関係を全面的に推進することだ。良き成果を得たい」と述べた。
日中関係に関しては「両国には2000年以上の友好往来の歴史がある」と2度にわたって強調した上で、「さまざまな矛盾や問題が生じるのは避けられない」とも指摘。重要なことは「双方が胸襟を開き、『異』を残して『同』を求めることだ」と力説した。
また、北京五輪に関して「日本国民を含む世界の幅広い支持でレベルの高い五輪になると信じる」と述べ、訪日で日本側の強い協力を得たい意向を示した。
東京の上野動物園のパンダ「リンリン」が死亡したことに関し、胡主席は「残念なことだ」とし、日本側がパンダの貸与に関心を持っていることに対し、「パンダは両国民の友好のシンボルだ。関係部門で検討を急いでいる」と前向きに応じる姿勢を示した。(MSN産経ニュース)
[追加] 読売新聞
日中首脳が定期往来へ、胡主席来日で「互恵関係」強化 (一部抜粋)
一方、政治文書では、戦略的互恵関係について、〈1〉政治的相互信頼〈2〉日中2国間の互恵協力〈3〉人的・文化交流〈4〉アジアにおける地域協力〈5〉グローバルな課題での協力――の五つの柱を打ち出す。歴史問題については「謝罪」や「反省」の文言は盛り込まず、「歴史を直視し、未来へ向かう」と表現する方向で調整が行われている。ただ、懸案の東シナ海のガス田開発問題は、首脳会談での合意は見送られる方向だ。 (2008年5月5日03時05分 読売新聞)
〈1〉政治的相互信頼〈2〉日中2国間の互恵協力・・・漠然としているので、相互信頼という言葉のもとに何を要求されるかわかったものじゃなくて不安です。
〈3〉人的・文化交流 ・・・ これは具体的に想像がつくところで研修生やら留学生やらを送りこまれるということでしょう。すでに不安です。
日本には中国からたぶんパンダ。中国には以後日本からどのくらいの利益がつぎこまれ流れることになるのでしょう・・。大変不安です。