一億総裁判員時代
少々不気味な世の中になりつつあるような気がします。
かつては、「まあ人それぞれだし」とか「バカ言ってら」
で済まされていたような問題がいちいちSNSやネットに
取り上げられて騒ぎ立てられているように見える。
いわゆる炎上っていうんですか。
ぼくはいまのところ傍観者でありますが
当事者は膨大なエネルギーを消耗するだろうに
と思うわけです。
次に挙げるのはいずれもぼくが目にした話題です。
1.働くママ向け隔月刊ファッション情報誌『Domani(ドマーニ)』の広告。
「今さらモテても迷惑なだけ。」
「忙しくても、ママ感出してかない!」
「“ママに見えない”が最高のほめ言葉」
「働く女は、結局中身、オスである」
というコピー。特に4つめが非難の的とか。
ぼくはそもそもこの雑誌の
<働くママ向け隔月刊ファッション情報誌>
っていうコンセプトの方が違和感ありますけどね。
女性誌は特に読者対象を絞る傾向にあるらしい。
「今さらモテても迷惑なだけ。」は強烈ですね。ミートゥです。
2.2019女子ハンドボール世界選手権の幟の広告。
「手クニシャンそろってます」
「ハードプレイがお好きなあなたに」
というコピー。インパクトありますし、ぼくはこれで
今年の11月に熊本県で大会があることを認識しました。
県などでつくる熊本国際スポーツ大会推進事務局の
広告だそうですが「よし!これでいこう」っていうセンスを
疑いますし、このご時世に炎上狙いでないとすれば
どんな感覚してんのか?とは思います。
「これはきっと炎上するよ」という想像力がないのが痛い。
3.トヨタ自動車の女性ドライバーへの質問。
問い:やっぱり車の運転って苦手ですか?
選択:〇とても苦手 〇少し苦手 〇どちらでもない 〇得意です!
この問いの「やっぱり」が失礼だというのです。
果たして失礼でしょうか?フレンドリーに問いかけただけ
のような気がしますけどね。
短歌の世界でも昨年でしたか、セクハラ騒動を
ネット上で目にしましたけれども、これは
セクハラをしたとされる当事者がSNS上で
謝罪して一件落着となったようです。
昔は居酒屋や喫茶店、お茶の間で友人知人や家族と
「あれはないよなぁ」とか「不愉快だなぁ」とかって
世間話として喋っていたようなことだった気がします。
今や告発も謝罪もネット上で大衆の目に晒す世の中。
それについて有罪か無罪かをほとんどの場合
ネットの情報だけによって論じる世の中。
昔が良かったなどと言うつもりは毛頭ありませんが
自戒しつつぼくは怖いと思う。