『都見物日記』(一)‥‥ ②
さて、鹿児島を出帆して2日目、未だ船上の人で昨日の船酔いの余韻か、食欲は無く、気晴らしに甲板に出て景色を眺めてはみるものの、船旅は時間が掛かるので難儀をしている様子がうかがえます。
四・一八 今日も何事もなく目覚め候得(ソウラエ)共 飯食べる事はいかず、矢張矢張ごろごろ休み、九時過ぎ初めて用足しに出で、其から上に顔洗いに行き 茶ども飲み 少しは気分宜敷(ヨロシク)、デッキより眺め 片脇は少々島が見え、かたわきは何もなく 地知れずして呆れて眺めおり候
又今日は矢張りごろごろ枕様と日暮し 一時頃にひるめし、粥をたべ申事。 其より又休み居候、御尊母様は少し 昨夜御吐き遊(ば)され御気分あしく、今日はよろしく 私と同敷(オナジク) 昼飯より御めし上がりなされ、カンバン辺には 私よりも おのり遊ばされ候事、私乃事は只々あきるる計り也。
四時頃に又夜食、それと酒瓶一ツ舟より差出し、三人にて飲み、腹ならしに又かんばんへ 母上様とけんぶん(見聞)いたし、五時過には舟とめられて 安芸乃御手洗(ミタラシ)と申所に於て 夜を明かし候事也。
時間つぶしにごろごろして「枕様と日暮し」というのが茶目っ気ありますね、イサさん
ところで、「安芸乃御手洗」って広島?どの辺りでしょうね?
※ 「御手洗港」、後日、地図で確認できました。画像を貼っておきます(追記:'20. 5.7)
(画面中央「大崎下島」にあります)
明日は讃岐・多度津へ参ります