Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

<雪と淳>閉講パーティー(2)

2016-05-05 01:00:00 | 雪2年(曰く~閉講パーティー)


雪は酔いが回った頭で、一体なぜ休学を決意せざるを得なくなったか、

ということについて考えていた。

 

先学期自身を悩ませた横山翔や平井和美、彼らと顔を合わせたくないというのも勿論ある。

けれどやはり、元凶はあの男だ。



胸の中にムカムカと憤りが沸く。

青田淳さえいなかったら‥

 

青田淳は涼しげに微笑みながらその場に佇んでいた。

自分が今どんなに青田淳のことを恨んでも、この場で彼のことをじっと睨んでも、現状は何も変わらない。

雪は彼から目を逸らし、空に近いジョッキに目を留めて考え続ける。

何なの?虚しいの?



胸の中をざわつかせるこの感情。

雪はじっとその正体について考えを巡らせた。

違う。ムカつくんだ



”虚しい”という受動だけの感情で、休学を決意するのは嫌だった。

雪は胸中にうねる感情にまかせて、テーブルに両肘を強く打ち付ける。

悔しいんだよ!



結局このまま尻尾巻いて逃げて終わりってか?!

何だっつーの?!私の今期の大学生活、こんな形で終わるの?




こんな形で‥??



身体を壊し、成績もいまいちで、経済的にも苦しい。

なぜ自分だけがこんな目に合わなきゃいけないんだろう。

顔を上げた先には、楽しげに皆と談笑するあの男の姿がある。

 

何の悩みもなさそうな顔で笑う彼の顔。

それを見ていると、雪の胸の中は黒く濁った。

ゴキゲンってか?



ああそうでしょうよ、アンタはゴキゲンでしょうよ。

私がいなくなったらもっとゴキゲンでしょうよ




あの狐野郎‥せいぜい良く食べ良く寝て幸せに暮らすがいいさ



雪は苛立ちを持て余しながら、ジョッキを手に立ち上がる。

私も今日は思う存分飲み食いしてここからサヨナラだ!バイバイ狐野郎!!

「え?アンタも乾杯すんの?」「止めといた方が良いデスよ」



聡美と太一の制止を振り切って、雪は勢い良くビールを飲み干す。

ぐわっ!!

「ちょっと!マジで止めときなって!」

「ちょ!俺のビール飲まないで下サイ!」



雪達の騒がしい声が、喧騒の中に溶けて行く。

そしていつしか、結構な時間が過ぎて行った。





「バイバイ‥」



テーブルの上の料理はあらかた食べ尽くされていた。もうお開きの時間が近い。

雪はソファに凭れ掛かりながら、うわ言のように何やらずっと呟いている。

「バイバイ‥永遠にぃ‥」



遠くで「そろそろ帰りたい人は帰ってねー」という声や、席を立つ人達の物音が聞こえる。

目の前には楽しそうにおしゃべりをする聡美と太一。店を出て行く同学科の学生達。

 

もう自分は休学するのだ。

彼らとも、聡美と太一とも、そして青田淳とも、バイバイするのだ‥。

「バイバイ‥」



雪の鼻から、鼻水が一筋流れている。

けれど酔いが回った雪にとっては、そんなことはどうでも良いことだった。

「アンタ相当酔ってるでしょ。つーか鼻水食ってるっつの

「もう休みに入るんだし、見逃してやりまショ」



まずはこの二人に、伝えなければ。

雪はソファから身を起こすと、二人に向き合って口を開く。

「?」



そして雪はようやく、その言葉を口に出すことが出来たのだった。

「私、休学する」



喧騒の狭間から踏み出す一歩。

まずはこの二人が、その目撃者だ。









その頃青田淳は、雪から離れた席にて顔馴染みの仲間と談笑していた。

いつものように、彼の周りに笑い声が響く。

そして彼自身も、どこか愉快な気持ちでその空間に溶け込んでいた。



これから始まる自身と赤山雪との大学生活。

どうやって彼女を捕まえようか。

淳の心は弾んでいた。





しかし次の瞬間、彼はとんでもないニュースを聞くことになる。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<雪と淳>閉講パーティー(2)でした。

最後、セピアからカラーに戻るコマ!物語が元の時系列に戻る瞬間ですねー!ゾクゾク!

そして物語は冒頭に戻りますが、この先の細かい描写がもう少し続くみたいです。

ですので次回も<雪と淳>閉講パーティー(3)です。

☆ご注意☆ 
コメント欄は、><←これを使った顔文字は化けてしまうor文章が途中で切れてしまうので、
極力使われないようお願いします!

人気ブログランキングに参加しました
人気ブログランキングへ

引き続きキャラ人気投票も行っています~!