Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

<雪と淳>彼女の姿を

2016-05-13 01:00:00 | 雪2年(<淳>旅立ちの前に~雪2年終了)


旅立ちの前の空白の時間。

淳はぼんやりと天井を眺めて寝転んでいた。脳裏には、雪の後ろ姿ばかりが浮かぶ。



ふと、先日の閉講パーティーの時に耳にした彼女達の会話を思い出した。

「ねぇ雪、アンタ休み中またバイトすんでしょ?どこでやるの?」

「‥XX企業に願書送っ‥」



そして保健室で目にした、

彼女のポケットに入っていた紙切れのことも。



手に入れていた二つの情報が、淳の頭の中で一つに繋がった。

‥彼女は今、XX企業にてバイト中だ。



飛行機の時間まではまだ余裕がある。

淳はガバッと起き上がった。



「近所だ」



XX企業、その場所はここから随分と近い。

すぐに淳は出掛ける準備を始めた。

もしかしたら、彼女に会えるかもしれないという微かな期待を込めてー‥。






案の定雪は、XX企業にて絶賛バイト中だった。

通常業務はオフィス内にて、PCでの作業である。



その他は雑用で、電話対応をしたり段ボールを運んだりと、それなりに忙しかった。

雑用途中で社員に呼ばれても、雪は嫌な顔一つせず素直に業務をこなす。

 

PCに向き合っての作業中、ふと今日の日付を見てこう思った。

もうちょっとで成績発表の日だな‥うーん‥



休学すると決めたものの、奨学金のことはいつも頭にあった。

全額は無理だと思うけれど、もしかしたら‥。

雪がモヤモヤと頭を悩ませ始めたその時、少し離れた席から名前を呼ばれた。

「赤山さーん!コーヒーの買い出し頼む!

ここメニュー書いたから、他のバイトの子達と行って来てー」
「あ、はい!」



そして雪はバイト仲間と共に、オフィスの下にあるカフェへと向かった。

それはビルの真下にあるため、外に出ずとも買いに行けるのだ。







えんじ色のセーターを着て、佇む彼女。

少し猫背な後ろ姿。



XX企業前に到着した淳の目に、その姿は飛び込んで来たのだった。

まだ空気が冷たい二月、彼は白い息を吐きながら彼女の姿を覗き込む。



オレンジ色の豊かな髪。ひと目で彼女だと分かった。

久しぶりに目にするその背中に、どこか懐かしさを感じる。



淳はボストンバッグを背負い直しながら、その場に立ち止まった。

彼女の後ろ姿から目が離せない。



じきに、Pick-upのカウンターから雪達に声が掛かった。

「まずコーヒー四つお渡しします。お待たせしましたー」



それを受け取ろうとした雪の元に、バイト仲間らしい男性がすぐに駆け寄った。

どうやら「俺が持つよ」と声を掛けているらしい。



雪は首を振りつつ、何やら彼に話し掛けていたが、やがてその男に任せることにしたようだ。

バイト仲間達は親しげに会話を重ねている。





そんな彼女の様子を、淳はガラス越しにじっと眺めていた。

どこか面白くない気持ちを胸に秘めながら。



俺は一体何をやっているんだろう。

何度も頭を巡るその自虐的な問いが、またもゆらゆらと自身を揺らす。






そして淳は一歩踏み出した。

もう旅立ちの時間なのだ。

しかしそう考える思考とは裏腹に、心はじっとこの場に佇んだままだ‥。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<雪と淳>彼女の姿を でした。

淳ってば‥雪の姿見たさに少ない情報をかき集め、バイト先に出向くとは‥!

言ってやりたいですね。
「恋~しちゃったんだ~多分~気付いてないでしょ~」と!


次回は<雪と淳>彼の姿を です。

次で、雪が二年生の時の時系列は全て終わりだそうですよ!

☆ご注意☆ 
コメント欄は、><←これを使った顔文字は化けてしまうor文章が途中で切れてしまうので、
極力使われないようお願いします!

人気ブログランキングに参加しました
人気ブログランキングへ

引き続きキャラ人気投票も行っています~!