晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

天地明察

2012年10月20日 | 
天地明察  冲方 丁

昨日、映画を見てきました。「天地明察」~岡田準一、宮崎あおい、、

原作が、とてもよかった!おもしろかったのです。
2年前には本屋大賞も受賞して、冲方 丁(うぶかたとう) さん、といえば、今や時代物を書く超人気作家さんですね。

で・・映画は

まぁ・・こんなものか~
が、第一印象。

やはり、原作の物語が大きすぎたのかなぁ・
たった二時間では描かれないですよね。しかたなく,映画の脚本では割愛されたのでしょう。
主人公の春海とえんのいきさつや、、二人はバツイチ同志のはず(死別)なのに、カットされていたし、
水戸光圀や会津藩主保科正之の役どころもイマイチ。

よく考えてみると、、原作を読んでいても最初のうちは難しい表現もあり、時代背景を知らないとよく理解できない
部分があると思う。

江戸初期。徳川四代将軍家綱のころです。
戦もなくなり、世の中は天下泰平。。
平和な世の中になるとどうなる?の質問に春海は「戦がなくなります」と、そして碁打ちの自分の職とも重ね、退屈である、と。
水戸光圀は「新しい息吹を抹殺してはいけない」・・
これは、、新しい世を切り開く!ということですね。

とにかく・・深い。
渋川春海は、碁打ちの名門に生まれながら、算術家で、神道家で、暦学、朱子学にも通じ。。才能あり。
そして、今でいう、ちょっと天然?憎めない人柄なのです。

碁打ち、なんて江戸時代に職分があったなんて、知らなかった。
将軍家に碁の指南役としてつかえる職業です。。だから身分は低い。武士ではないのですから。
なのに、特別に春海は帯刀を許されて、幕府の役人として、、まず北極出地への任務を受けるのです。
各地を回って、北極星の観測と測量。。計算緯度を図る。

当時はまだ、ヨーロッパに比べ、天文学や自然科学の遅れていた日本では
「そもそもなぜ日や月が欠けるのじゃ・・?」などと問う幕閣も多かったそうな。春海のような知識人は
ごく一部だったんですね。
それにしても当時の日本の数学、いや、算術の技術は早くから優れていたのがよくわかる。
円周率や平方根など、和算としてでてくるので、、おもしろいです。

で・・
本題は、そう、改暦です!
800年も前のそれも大陸からの輸入で使ってた、暦が少しづつずれているのが判明。
日本独自の新しい暦を作る、という国家プロジェクトの任命を受けるのです。

暦。。カレンダー。
私たちは何も考えずに今、使っているカレンダー。。
そういえば、最初にだれが作ったの?って考えると、すごいことです。

日本では朝廷がその権力を握り、陰陽師さんがいた。
利権を独り占めしていた、ってところも目の付け所がおもしろい!

暦は売れる!
今も同じですよ~
でも、暦が当時の人々にとって不可欠だったってことです。
民だけではなく、独立国家として、政治、経済、宗教、を司る重要なものなんです。

なんでもそう、生みの苦しみがあります。

「命を賭して、成し遂げる!」

う~ん、、今の政治家たちよ、見よ!春海の心意気を!

春海は新しい暦を完成させたのち、幕府の初代天文方に任命された。

あれあれ・・
映画の感想を書くつもりが・・長くなってしまいました。

今夜は、夜空を見上げ、満天の星やお月様を感慨深く観察してみましょう~