晴れ上がった空のように・・

日常の出来事や読んだ本の紹介

アンのゆりかご 

2014年05月12日 | 
アンのゆりかご 村岡花子の生涯  村岡絵梨著

朝ドラ「花子とアン」の原作本です。
モンゴメリーの「赤毛のアン」もちろん遠い昔(~_~;)読んだしアニメや映画化されて
誰もがご存じの名作の児童文学でした。
しかし、翻訳者の「村岡花子」のことなんて気にも留めなかった、、し全く知らなかったです。

驚きました!
目からうろこでした。。。
村岡花子さんて、偉大な人だったんですね。

明治26年6月21日、山梨県甲府市で葉茶屋を営む安中逸平、てつの間に8人兄弟の長女として生まれる。
    2歳で洗礼を受けクリスチャンとなる。
明治36年 10歳で、カナダ系メソジスト派の東洋英和女学校(現在の東洋英和女学院)にはいり10年間を寄宿舎ですごす。
・・・・
年表をずっと、羅列するのも大変なので・・

軽い気持ちで読み始めた文庫でした
しかし、以外にも内容は厚く、その生涯は明治から昭和にかけての波乱万丈な人生はまさに和製版「アン」。

近代化を目指す日本の歴史も背景にあって、苦難の道を強いられた当時の市井の人々のようすもとてもリアルで
興味深い。当時、女学校で教育を受けられたのはホンの一握りの人たちだ。花子の母も字が読めないのだから。
幼いころの花子の利発さに才能を見出し、東京の女学校へ編入させた父はお面白い人だが、ほかの兄弟は悲惨な状況です。

封建制度の世の中で身分制度に格差社会。花子の貧しい出自から、どんなにか差別的で苦しかったことか。しかし
いつも前向きで努力家の花子には勇気がわきます。

柳原白蓮(ドラマではレンコ様)、市川房江、林芙美子、芥川龍之介、吉川英治、ヘレンケラー!
実在の、そうそうたる人物が出てくるので、驚きと興味深さにワクワクしました。

敬虔なクリスチャンでもあるのに、それほど宗教的な色合いが濃くなかったのも読みやすかったです。
しかしながら

「東洋の芸術を理解するのに、仏教の知識は必要なように、聖書は西洋人の思考や生活のすべての基盤になっているもの
だから、英米文学を研究する人には絶対不可欠。信仰するしないかは別として。」

なるほど・・とてもわかりやすい。

翻訳に通訳・・
誰もが花子は留学経験があると思われていた。しかし、それはなし。
驚きです。それは東洋英和女学校で10年間カナダ人宣教女性からの教育と花子の努力の賜物です。

思うに、私たち現代人の軟弱なこと・・。

「腹心の友」「生涯の伴侶」を求める心を忘れず、、

魂を浄化させてくれた良書です!