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「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

根津さん勝利判決に寄せて

2016-06-02 07:28:07 | 全国から

根津さんの勝訴に寄せて、宮城の土屋さんからのメールを掲載します。

 

根津公子さん

宮城県の小学校教員・土屋聡です。

昨日(2016/6/1)は、教職員評価制度の校長面談の日でした。評価制度に反対し、評価記入拒否12年になりました。今年度宮城県教委は処遇に反映する新制度を提案(試行)しました。例年通り、私の意見を書いた文書を示し、話をし、聞きました。断罪されることはありませんでした。

私が評価制度に抵抗するきっかけは「指導力不足教員」問題でした。いじめ問題と言ってもよいと思います。ある教員を学校現場みんながいじめ(現場にいられなくする)ました。本人が抵抗し訴訟を起こしました。私は支援しました。組合も彼を攻撃しました。すると支援する人が去りました。支援しない組合を批判する私も攻撃されました。私の発言に応援はなく、ヤジが飛びました。トイレでこっそり「本当はあんたの言う通りだと思う」とささやく人が度々いました。その都度がっかりしました。

裁判闘争が続く中、評価制度が登場しました。当然に拒否しました。組合は「反対」と記しながら何もしませんでした。制度試行の2年間拒否し、制度スタートの2006年処分の可能性を繰り返されながら校長室・教育長室・校長の車で長時間の「説得」を受けました。校長は「組合だって反対していないんだ」と言いました。教育長は「おかしな制度だ」と言いました。「おかしな制度だから、ちゃちゃっと書けばいいんだ」と続けました。

私(そして2人の仲間)は処分をさせない取り組みを大々的に展開しました。処分されることはありませんでした。たくさんの出会いがありました。感謝しています。それからちょうど10年目の昨日でした。

苦しいとき、くやしいとき、がっかりするとき、やると言っていながらなぜ何も行動しないんだと憤るとき、仙台市市民活動サポートセンターの印刷室で組合大会修正案(12ページ)を400部独りで印刷して丁合いしているとき、職員会議で挙手するとき、校長室の扉をノックするとき、式で着席するとき、闘いに向かうとき…私は根津さんを思いました。思っています。根津さんの闘いから学び、励まされました。学び続け、励まされ続けています。

だから根津さんには「おめでとう」とともに「ありがとう」を伝えます。根津さん、ありがとう。あきらめないこと闘い続けることは、やっぱり間違っていないのですね。課題はますます山積していますが、顔を上げて、胸張って、引き続き一歩一歩歩んでいけそうです。

きっと私と同様に根津さんの闘いから勇気をもらっている人はたくさんたくさんいることでしょう。まだ直接出会ってはいないたくさんの仲間たち! ひょっとすると、根津さんに学ぶ私の闘いは知らない誰かを支えているかもしれない、そう思うことがあります。そんな誰かは行動を起こし、その誰かに喚起されて別の誰かもまた…

根津さん、これからも不断の努力を朗らかに(美味しいもの食べながら)続けていきましょうね。ありがとうございました。

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真摯な思いを受け止めよ―第2回最高裁要請行動報告

2016-05-28 11:36:20 | 全国から

被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団の近藤さんからのメールです。

「処分撤回を求めて(403)真摯な思いを受け止めよ―第2回最高裁要請行動報告」

【雑感】沖縄県民に謝罪せず、「非人道的な大量破壊兵器」の言及なし

G7首脳会合に先立つ安倍首相とオバマ大統領会談は、元米海兵隊員による女性殺害・死体遺棄事件に関する発言が注目されました。しかし、オバマ大統領から謝罪の言葉はなく、日米地位協定改定への言及もなく、安倍首相は翁長沖縄県知事のオバマ大統領との面会要求を妨害し、「辺野古『移設』が唯一の解決策」との日本政府の立場を繰り返し、沖縄県民の怒りに背を向けました。腹立たしい限りです。

28日にはオバマ大統領がアメリカの現職大統領として初めて広島を訪れました。
「核兵器のない世界」への「第一歩」であるとは思いますが、核廃絶に向けての具体的な取り組みには一切触れず、核兵器が「非人道的な大量破壊兵器」であるとの言葉もありませんでした。

この間、朝から夜遅くまでオバマ・安倍一色のマスコミ報道に辟易したのは私だけでしょうか。参議院選挙を意識しての安倍政権のマスコミ対策ではないかと疑いたくなります。

戦争させない・9条壊すな総がかり行動実行委員会と安保法制廃止・立憲主義回復を求める市民連合は、「参院選で野党勝利・憲法守る国会へ」と来たる6月5日(日)14時から大規模な国会包囲行動を呼びかけています。怒りを行動へ(混雑が予想されるので早めに来てください。被処分者の会は国会正門前・憲政記念館寄り30mの場所に集合。13時より最高裁要請署名を集めます)。

◆原告の思いに耳を傾け、公正な判決を 要請署名1万1千筆を超える―第2回最高裁要請行動報告

5月26日、被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団は、第三次訴訟において、①違憲判断、②戒告処分取消、③損害賠償、を目指して第3回最高裁要請行動を行い、19名が参加(入構は17名)しました。

当日は冒頭、最高裁要請個人署名3,456筆(累計11,170筆)、団体署名83筆(累計252筆)を最高裁に提出しました。署名の数は、既に二次訴訟時の最高裁要請署名の最終集約数を上回り、皆さんの熱い思いが伝わってきます。ご協力に感謝します。署名集めは、最高裁判決が出るまで続け、月1回の最高裁要請の度に提出しますので、引き続きご協力をお願いします。

その後、都立高校現職の上告人2名、都立定時制高校元栄養士の上告人、計3名が、要請書を提出し、発言しました。

・Iさん(都立高校現職教員 減給処分取消2回→戒告の再処分2回)
 都教委は、最高裁判決を受けて、「当事者間の話し合い」に応じないで、一方的に再処分(戒告)を科した。司法の判断を軽視する姿勢を正すためにも、戒告処分を取り消す以外に解決策はない。10・23通達(2003年)以降、教育現場は疲弊している。国民主権・憲法の軽視も「日の丸・君が代」強制と根は一つだ。もう一度教育に自由の風を吹かせることを一教育者として司法に望む。

・Oさん(都立高校現職教員 戒告処分)
 2014年4月から2015年3月まで1年間、ロンドンで語学を学んだ後、アイルランド共和国のダブリンの公立校で日本語、日本の歴史、地理、産業などを教えた。アイデンティティの維持に熱心なアイルランドでも国歌は学校教育には登場しない。多様性への理解と尊重が求められる。卒入学式での旗・歌の儀式は世界の常識ではなかった。最高裁が国際水準の人権感覚によって都教委の暴挙を終わりにしてほしい。

・Tさん(都立定時制高校栄養士(行政職) 戒告処分)
 定時制高校の給食を通じて様々な生徒と交流してきた。10・23通達委前の対面式の卒業式など自由で人間味あふれた卒業式が忘れられない。卒業式で起立しなかったことを問題視し、「式に出させない」という校長もいる。生徒の門出を祝うこともできずに退職を迎えた。戒告処分は決して軽い処分ではなく、理不尽な罰で汚点を残した。生徒のために憲法の精神が隅々までいきわたることを願っている。

◆署名の重み、上告人の真摯な思いを受け止めよ

事務局からは、①沢山お署名の重みをしっかりと受け止めること、②上告人の心からの思い、教職員としての真摯な思いを裁判簡易伝えること、③都教委は、最高裁が戒告処分を容認しているから戒告の再処分科しているので、戒告処分が全ての問題の前提になっているので取り消すべきであること、と発言しました。

要請に対応した首席書記官補佐は、熱心にメモを取っていました。要請書と署名、発言を裁判官に伝えてほしいと念押しして、30分間の要請を終えました。

◆引き続き最高裁要請署名にご協力ください。

署名用紙は被処分者の会ホームページ(上の段)からダウンロードできます。
  ↓
http://www7a.biglobe.ne.jp/~hishobunshanokai/

*署名用紙は個人署名用、団体署名用の2種類あります。


◆第3回最高裁要請行動を下記の日程で行います。一人でも多くの参加をお願いします。

*最高裁に入構できるのは17名です。人数がオーバーした場合は調整します。終了
後門前で報告集会を行います。

★東京「君が代」裁判第三次訴訟・第3回最高裁要請行動
*集めた署名を最高裁に提出し要請を行います。
 6月29日(水)
  13時45分 最高裁西門集合・時間厳守 
  14時~ 要請  要請者(予定):3名
 <行き方> 地下鉄永田町駅、半蔵門駅徒歩5分 最高裁南門から左手、国立劇場寄り
●今後も月1回のペースで要請行動を実施します。

◆粘り強く闘われている「日の丸・君が代」強制反対の裁判の傍聴をお願いします。

★東京「君が代」裁判第四次訴訟第11回口頭弁論
(東京地裁民事11部。2010~13年処分取消請求、原告14名)
 7月27日(水)
  10時30分傍聴希望者集合(傍聴抽選なし・先着順)   
  11時開廷 
  東京地裁527号法廷(定員42名)
  報告集会:場所未定。追って連絡。
*毎回満席で入廷できない人が多くいます。早めにお出でください。


5・11再発防止研修抗議声明掲載。
三次訴訟最高裁要請署名用紙 ダウンロード可能。
「お知らせ」、通達関連裁判進行状況等随時更新。
各種判決文、声明文、行動予定、資料等入手可能。
************
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会
東京「君が代」裁判原告団
事務局長 近藤 徹
携帯:090-5327-8318
e-mail:qq947sh9@vanilla.ocn.ne.jp
事務所:〒160-0008 新宿区三栄

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「君が代」訴訟 最高裁での闘い―第2回最高裁要請行動へ!

2016-05-20 18:12:44 | 全国から
被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団の近藤徹さんからのメールを転載します。

「処分撤回を求めて(402)
「君が代」訴訟 最高裁での闘い―第2回最高裁要請行動へ!」

◆「日の丸・君が代」強制反対の闘いは「戦争への道」を阻む闘い

日本が「戦争する国」へと歩み出した歴史的岐路に立ち、この1年の「日の丸・君が代」強制反対の闘いの中で、「『日の丸・君が代』強制は戦争への道」という言葉が語られてきました。

2003年、「憲法を命懸けで壊す」と公言した石原都知事(当時)の下で、都教委は「日の丸・君が代」の実施を「学校経営の最大の課題」と位置づけ、10・23通達を発出したのであした。10・23通達体制下、職員会議での挙手採決を禁止する「学校経営適正化」通知(2006年)等により、都教委は処分による恫喝で「もの言わぬ教員」を作り出そうとしてきました。卒入学式などでの「君が代」斉唱時の不起立・ピアノ不伴奏などで処分された教職員は延べ478名(2016年4月現在)にのぼります。この大量処分は東京の異常な教育行政の象徴です。

2011年~2012年の一連の最高裁判決は、戒告処分を容認したが、職務命令には「間接的制約」があるとし、減給処分以上の機械的累積加重処分に歯止めをかけました。職務命令を違憲とした反対意見の他に、都教委に「謙抑的な対応」を求める補足意見も多く出されました。にもかかわらず都教委は、
10・23通達を見直すどころか、最高裁判決を無視して処分を出し続けています。

これに対して私たちは、13年間にわたり、都教委と正面から対決して、裁判と運動を車の両輪として粘り強く闘い続けてきました。

◆都教委の暴走を止め、10・23通達体制を打ち破るために

しかし都教委の暴走はとどまるところを知りません。不起立等を理由とする処分を出し続け、最高裁で違法とされた減給処分まで出しています。更に「再発防止研修」を質量共に強化し、被処分者に対する精神的・物理的圧迫による「イジメ」で抵抗を根絶やしにしようとしています。
  
こうした状況を突破するために、10・23通達が違憲・違法であり、戒告処分が取り消されるべきという最高裁判決を勝ち取り、10・23通達体制を打ち破らねばなりません。


◆最高裁判決を前進させよう!―違憲判断、戒告処分取消、損害賠償を!

そして今、最高裁第三小法廷に以下の2つの事件が係属しています。三次訴訟の裁判長裁判官は大橋正春裁判官(第1東京弁護士会出身)です。

①東京「君が代」裁判第三次訴訟(上告人49名 07~09年処分取消請求)・・・地裁・高裁で減給・停職処分計26名・31件取消、戒告処分容認、損害賠償を認めず。当方が違憲判断、戒告処分取消、損害賠償を求め最高裁に上告及び上告受理申立。

②河原井さん根津さん07年停職処分取消訴訟・・・東京高裁で全面勝訴(①河原井さん停職3月取消、②根津さん停職6月取消、③両名に各10万円の損害賠償命令)。東京都が上告及び上告受理申立。

最高裁が、①三次訴訟、②河原井・根津事件の両方について、何らかの「統一的判断」をするものと思われます。

私たちは、あくまで2011年~2012年の一連の最高裁判決からの前進(①違憲判断、②戒告処分取消、③損害賠償)をを目指して下記最高裁要請署名、要請行動を取り組んでいます。絶大なるご支援、ご協力をお願いします。


◆最高裁要請行動に参加しよう! 最高裁に思いをぶつけよう!

「教職員に国旗国歌を強制する真の狙いは、生徒への強制です。「安保法制」が強行採決された今、立憲主義・平和主義と同時に教育も危機に瀕しています。本裁判にあたり、改めて原告の訴えに耳を傾け、憲法に則った公正な判決を下すことをお願いいたします。」(最高裁要請署名より)

最高裁では、通常弁論が開かれないので、最高裁要請は私たちの思いを最高裁に伝える唯一の手段です。第1回最高裁要請では、個人署名7714筆、団体署名169筆を提出しました。その後も署名が続々と集り、累計で個人署名10810筆、団体署名231筆(5月19日現在)に達しています。皆さんのご協力に感謝します。

第2回最高裁要請行動を下記の日程で行い、要請署名を提出し、原告3名が要請します。一人でも多くの参加をお願いします。

*最高裁に入構できるのは17名です。人数がオーバーした場合は調整します。終了後門前で報告集会を行います。

★東京「君が代」裁判第三次訴訟・第2回最高裁要請行動
*集めた署名を最高裁に提出し要請を行います。
 5月26日(木)
  14時45分 最高裁西門集合・時間厳守 
  15時~ 要請
  要請者(予定):OA(現職 戒告)、IT(現職 再処分2回)、TC(行政職・退職 戒告)
 <行き方> 地下鉄永田町駅、半蔵門駅徒歩5分 最高裁南門から左手、国立劇場寄り
●今後も月1回のペースで要請行動を実施します。第3回は6月下旬を予定しています。


◆引き続き最高裁要請署名にご協力ください。

署名用紙は被処分者の会ホームページ(上の段)からダウンロードできます。
  ↓
http://www7a.biglobe.ne.jp/~hishobunshanokai/

*署名用紙は個人署名用、団体署名用の2種類あります。


◆粘り強く闘われている「日の丸・君が代」強制反対の裁判の傍聴をお願いします。

★東京「君が代」裁判第四次訴訟第11回口頭弁論
(東京地裁民事11部。2010~13年処分取消請求、原告14名)
 7月27日(水)
  10時30分傍聴希望者集合(傍聴抽選なし・先着順)   
  11時開廷 
  東京地裁527号法廷(定員42名)
  報告集会:場所未定。追って連絡。
*毎回満席で入廷できない人が多くいます。早めにお出でください。


4・22都教委要請書掲載。
三次訴訟最高裁要請署名用紙 ダウンロード可能。
「お知らせ」、通達関連裁判進行状況等随時更新。
各種判決文、声明文、行動予定、資料等入手可能。
************
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会
東京「君が代」裁判原告団
事務局長 近藤 徹
携帯:090-5327-8318
e-mail:qq947sh9@vanilla.ocn.ne.jp
事務所:〒160-0008 新宿区三栄町6 小椋ビル401号
被処分者の会HP↓(4月22日更新。下の青のアドレスをクリック・アクセス可)
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信条に反する恥ずべき姿は生徒には見せられない!―不起立の思い

2016-05-08 10:04:01 | 全国から
学校への「日の丸・君が代」強制に抗する運動は、全国にあります。特に東京では、2003年に「君が代」起立斉唱の職務命令が出されて以来、粘り強い、本当に粘り強い抵抗の運動が展開されています。

私たちは東京の運動にどれだけ力付けられたことか!私たちは連帯しています。



被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団の近藤さんからのメールを転載します。教師とて人間、当たり前のことですが生活があります。それに揺さぶりをかけて信条を捨てさせようとするやり方は実に卑怯です。KSさんの意見陳述書をお読みください。

「処分撤回を求めて(399)原告意見陳述 東京「君が代」裁判第四次訴訟第10回弁論」

◆「いつか来た道」許さない!―「君が代」訴訟は「希望」への道

戦争法の強行成立と同時進行で「日の丸・君が代」の強制が強まっています。国立大学の国旗・国歌強制の動きはその一端です。小学校から大学まで、式典で「君が代」斉唱が当たり前となりつつあります。幼いときから子どもに「君が代」を通じて「愛国心」を刷り込む。この狙いは、「お国のために命を投げ出す」子どもづくりです。いつの日か、「『君が代』を歌わないのは非国民だ」と言われかねない時代が来るのではないかと恐れています。

「日の丸・君が代」強制反対の闘いは、このような危険な流れに真っ向から対決するものです。「いつか来た道」を許さず、日本国憲法の理念を体現して、個人の尊厳、基本的人権である思想良心の自由、信教の自由を守る闘いは、「希望」への道へと続きます。私たちは、粘り強く闘いを継続しています。

5月6日、東京地裁で東京「君が代」裁判第四次訴訟第10回弁論が開かれました。多くの支援者が駆け付けてくれました。定員42名の法廷で15人もの人が入廷できませんでした。次回法廷は、7月27日(水)11時~。東京地裁527号、ですが、10時30分にはお出でください。

当日は原告のKSさんと弁護団から平松弁護士が意見陳述をしました。ここでは、原告意見陳述全文を紹介します。お読みいただければ幸いです。

◆信条に反する恥ずべき姿は生徒には見せられない!―不起立の思い

第4次訴訟第10回口頭弁論 陳述書 2016.5.6 KS
 
原告のKSと申します。私は、教職最後の卒業式で国歌斉唱時に起立しなかったために、職務命令違反を理由に都教委から戒告処分を受けました。私が不起立するに至った事情について、陳述致します。

私は、都立高校に国語科教員として37年間勤務し、後半の17年間は夜間定時制高校に勤務しました。夜間定時制の初めの勤務校・足立高校で4年目を迎えようとする時、高血圧性脳内出血を発症し、一年間治療とリハビリのために休職しましたが、左の上肢・下肢機能障害により、身体障害2級の認定を得て復職しました。復職した4年後に10・23通達が発出されました。

私は、翌2004年4月、K高校定時制に転勤しました。入学式・卒業式の役割分担が式場内の時には、国旗・国歌の強制に従いたくないという思いは強くありました。同時に、間近になった定年退職後の生活の心配がありました。国歌斉唱時に起立しなければ、戒告処分があります。それは退職金及び年金の減額につながります。それが不安の種でした。身体障害者の私にとって、定年後に仕事を続けることに困難を感じていましたので、退職後の生計は退職金と年金に拠る外はないと考えました。入学式・卒業式に臨み、信条に反して起立することを考えるのは苦痛でした。悩んだ結果、私が行ったのは、開式と同時に起立し、新入生・卒業生の呼名が終了するまで起立していることでした。起立したのは国歌斉唱のためにではなく、新入生・卒業生を見守るためだと言う私自身への言い訳のためでした。客観的に見れば、国歌斉唱時に起立していたのですから、強制に屈した情けない姿、強制なのだから仕方がないとのあきらめや無力感を生徒たちに見せたことに違いありません。信条に反する恥ずべき行為をしたと思い、悩みました。

2011年3月のK高校定時制卒業式が、私にとっては、在職中最後の卒業式でした。その卒業式が近付く中、私は、卒業生と共に行った沖縄修学旅行のこと、共に学んだ沖縄戦の実相を度々思い返しました。この修学旅行で生徒たちと心を通わせる交流がありました。

私が修学旅行の前の年の3年生から担任した学級にKという多動性の落ち着きのない生徒がいました。彼の行動が原因となり、学級が授業中や考査中に騒然となることがありました。この件で、校長は企画調整会議で学年主任に対し、教科担当者を含めて一斉に取り組めるような具体策を提案するように指示しました。学年主任の報告を受けて担任団としては、教科担当者から授業時の状況や対応を聞き取ることにしました。問題になったK君には、持ち前の底力と気立てのよさがあり、私は、それらのよい点に着目し、それを引き出しながら、問題行動を改善するように仕向けようと考え、対話を繰り返しました。この過程で親との信頼関係も生まれ、親から相談を持ちかけられることもありました。K君は徐々に私たちの説得を受けとめるようになり、問題行動の改善を約束するまでになりました。

生徒たちが4年生に進級した翌年度に実施された沖縄修学旅行の時には、このK君と、もう一人、校長の指導に反抗したことがあるM君の二人が、足場の悪い戦争遺跡のガマの中で、足の不自由な私を気遣って交代で背負ってくれるということがありました。校長は、卒業式の式辞で、この事に触れ、「今年の卒業生には気持ちの優しい生徒が多かった」と述べました。K君とM君は「問題児」どころか、実に気持ちの優しい生徒たちなのです。このような生徒たちの姿を見て、私は、彼らの成長と私たち学年担任団の思いが受けとめられていたことを確信しました。私は身体に障害があるために、生徒指導に動き回ることには、辛いこともありましたが、生徒が成長する姿を見ることに喜びを覚えました。

沖縄修学旅行の時のK君との交流で記憶に残ることがもう一つあります。摩文仁の平和祈念公園を一緒に歩いていた時でした。K君が「ここはどういう場所なの?」と尋ねるので、私は、「今は平和の礎が並んで平和を祈る場所になっているけれど、沖縄戦最大の激戦地だった」と答えました。すると、K君が「え、ここが!」と驚きの声を発したのです。今、平和な光景が広がる同じ場所で、多くの人の血が流されたとは信じられなかったからでしょう。

このような記憶を蘇らせながら、今の平和がいつまでも続き、日本が再び戦争への道を突き進むようなことがあってはならないと思いました。国旗・国歌が、この国が犯した侵略戦争に、国民を駆り立てるために使われたのは、紛れもない事実です。そのような国旗・国歌の強制には従うべきでないという思いを強くしました。

卒業式が近付き、私がそのような思いを強くしている時、校長が、職員会議で卒業式の包括的職務命令を伝えました。私は職務命令に反対して、「予防訴訟で最高裁に公正判決を要請する署名には、元管理職も応じてくれた。校長の本音はどうなのか。私は不自由な身体なので、起立姿勢を続けるのは辛い。ましてや、信条に反するのだから、なお辛い」という主旨の発言をしました。私がそのような発言をしたからだと思います。卒業式の前日に、私は校長室に呼ばれました。校長は、「あなたが起立しなければ、注意するし、その時、式は中断するし、生徒がざわつくかもしれない。皆が迷惑する。」と言い、起立するよう求めました。

卒業式当日、開式の合図と共に、私は起立し、国歌の伴奏が始まるのを確認してから、着席しました。式は何の混乱もなく続けられました。
しかし、私に対して科された戒告は決して程度の軽い処分ではありません。私のような身体障害者を含めた教職員の生活を脅かし、そのことによって起立することを迫り、精神的苦痛をもたらすものです。

私が心ならずも起立し、恥ずべき行為をしたと悩んだのも、その戒告を恐れたためだったことを、もう一度申し上げて、私の陳述を終わります。


◆転向を強要する「イジメ研修」を許すな―再発防止研修抗議・該当者支援行動に参加しよう!

早朝からの行動ですが、多くの皆さんの参加を訴えます。

★再発防止研修抗議・該当者支援行動
*早朝からの行動ですが、ご協力を!
*報道関係者の取材歓迎。
 5月11日(水)東京都教職員研修センター前
        (JR水道橋東口、地下鉄水道橋 都立工芸高校隣)
  8時20分 支援者集合・行動開始
  8時35分 弁護団(澤藤弁護士)申し入れ
  8時50分 該当者(受講者)入場、激励行動
  9時~ 研修
  12時30分頃(予定) 研修終了後、該当者激励行動 
  *呼びかけ:被処分者の会
(注意)相手側の挑発にのらず、整然と行動するようご協力をお願いします。


◆東京「君が代」裁判三次訴訟 最高裁要請署名・最高裁要請に力強いご支援を!
―最高裁判決の枠組みを突破し、10・23通達体制を打ち破るために

●最高裁要請署名(個人署名、団体署名)を集めよう!

署名用紙は被処分者の会ホームページ(上の段)からダウンロードできます。
  ↓
http://www7a.biglobe.ne.jp/~hishobunshanokai/

●最高裁要請行動に参加してください!

最高裁は通常弁論は開かれません。最高裁要請が私たちの思いを伝える唯一の手段です。

第1回最高裁要請では、個人署名7714筆、団体署名169筆を提出しました。その後も署名が続々と集り、累計1万筆ほどになっています。今後も月1回のペースで要請行動を実施します。第2回もよろしくお願いいたします。

★東京「君が代」裁判第三次訴訟・第2回最高裁要請行動
*集めた署名を最高裁に提出、要請を行います。
 5月26日(木)
  14時45分 最高裁西門集合・時間厳守 
  15時~ 要請 
 <行き方> 地下鉄永田町駅、半蔵門駅徒歩5分 最高裁南門から左手、国立劇場寄り


4・22都教委要請書掲載。
三次訴訟最高裁要請署名用紙 ダウンロード可能。
「お知らせ」、通達関連裁判進行状況等随時更新。
各種判決文、声明文、行動予定、資料等入手可能。
************
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会
東京「君が代」裁判原告団
事務局長 近藤 徹
携帯:090-5327-8318
e-mail:qq947sh9@vanilla.ocn.ne.jp
事務所:〒160-0008 新宿区三栄町6 小椋ビル401号
被処分者の会HP↓(4月22日更新。下の青のアドレスをクリック・アクセス可)
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東京都 「君が代」処分のべ477名に!

2016-03-27 08:31:54 | 全国から

誰だった処分されたくはない。あたりまえのことだ。ぜひ、みなさんに考えてほしい。東京ではのべ477名の教員が処分された。なぜ、こことでまして、教員は「君が代」に抵抗するのか、それを知ってほしいのだが、、、、

 

東京・全国の仲間の皆さんへ。
(転送・転載・拡散歓迎。重複はご容赦を。一部報道関係者にも送信)

被処分者の会・東京「君が代」裁判原告団より

「処分撤回を求めて(390)<速報>都教委の卒業式処分強行に抗議する!」

◆卒業式処分に断固抗議する! 処分者数延べ477名に

3月24日、東京都教育委員会(都教委)は第5回定例会で、2校の都立高校卒業式で起立しなかったり、式場に入場しなかった教職員3名の懲戒処分(戒告)を決定し、25日に教育庁人事部職員課の管理主事が、各学校に出向いて、処分発令を強行しました。なお、都教委は、24日のS特別支援学校の卒業式で起立しなかった教員TSさんの事情聴取を同日25日に強行しました。

これにより、卒業式・入学式などで「君が代」斉唱時の起立・斉唱、ピアノ伴奏を強制する都教委の10・23通達(2003年)による処分者数は延べ477名となりました。特別支援学校教員Aさんの処分は3月31日までに発令されると見込まれますが、それを加えると処分者数は、延べ478名になります。

私たちは、都教委の卒業式の不当処分に満身の怒りを込めて抗議すると共に、卒業式被処分者を対象に予定されている服務事故再発防止研修(4月5日(火)9時より)の中止を求めるものです。

◆卒業式処分の内容

都教委卒業式処分発表(都教委HP)
卒業式における職務命令違反に係る懲戒処分について
   ↓
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/pickup/p_gakko/p_hukumu/160325a.pdf

◆処分内容、処分者数

今回の都教委発表の処分者数・処分の内訳などは以下の通りです。
<卒業式の処分の内訳> (  )内は近藤による注釈
1.都立大森高校    戒告(不起立処分3回目)
2.都立大森高校    戒告(不起立処分2回目)
3.都立石神井高校  戒告(処分初めて 式場に入場せず)
  計2校3名
<学校種別> 都立高校3名
<発令日> 3月28日

●板橋特別支援学校卒業式に係わる処分は、3月31日までに発令されると見込まれます。
●服務事故再発防止研修 4月5日(金)(詳細は下記参照)

◆最高裁判決に反する処分を許すな! 抗議の声をあげよう!

10・23通達とそれに基づく職務命令違反を理由とした処分は、起立斉唱行為が、「思想及び良心の自由」の「間接的制約」であることを認めた最高裁判決、教育環境の悪化を危惧して、「全ての関係者によってそのための具体的な方策と努力が真摯かつ速やかに尽くされていく必要がある」という最高裁判決の補足意見(櫻井龍子裁判官 2012年1月16日最高裁判決)、「謙抑的な対応が教育現場における状況の改善に
資するものというべき」と述べ、教育行政に反省と改善を求めている補足意見(2013年9月6日最高裁判決 鬼丸かおる裁判官)などに反するものです。

この間、都教委は10・23通達に係わる減給・停職を含む違法な処分を乱発し、最高裁、東京高裁、東京地裁で処分取消が確定した数は、65件、55名(延べ)にも達します。違法な処分を司法に断罪されている都教委は、最高裁補足意見が求めているように原告団との話し合いの席に着き、問題解決のために努力するなど、これまでの教育行政を抜本的に見直すべきです。13年に亘って東京の教育を混乱させてきた
責任を取るべきです。

教育裁判で12連敗しても、原告・都民に謝罪せず、再発防止策も講じないで、「違法行為」を繰り返す都教委に「道徳」とか「規範意識」を語る資格はありません。スキャンダルまみれの乙竹氏も教育委員(昨年12月まで)として「君が代」処分に責任がありますが、彼を教育委員にした知事の任命責任はどうなるのでしょうか。

◆続く不服従の抵抗―学校が学校であり続けるために

安倍政権の暴走が続き、戦争法が強行成立され、「海外で戦争する国」にさせないため戦争法廃止の市民の運動、2000万人署名が広がっています。「日の丸・君が代」強制は、「戦争する国」にするための道具になっています。公立・私立の区別なく、小中高校はもとより、大学にまで「日の丸・君が代」強制の動きが強まっています。

私たちは教育を守り、学校が学校であり続けるために、「日の丸・君が代」の強制に反対しています。都教委は処分を振りかざして抵抗を抑え込もうと必死になっています。学校現場がますます息苦しくなり、自由にものが言えない雰囲気が蔓延しています。しかし、このような状況の中でも「日の丸・君が代」強制反対の闘いを風化させず、13年に亘って不服従の抵抗が継続しているのは素晴らしいことではないでしょ
うか。

該当者を孤立させず、励まし合って闘いを前進させましょう。

◆下記の行動に全力で集まろう!

★卒業式処分発令抗議・該当者支援総決起集会
*報道関係者の取材歓迎。記者会見も兼ねて行います。
 3月31日(木)
  13時30分 全水道会館5F中会議室
        (JR水道橋東口 都立工芸高校北隣)
  主催:五者卒・入学式対策本部
  (被処分者の会など5団体で構成)

★再発防止研修抗議・該当者支援行動
*早朝からの行動ですが、ご協力を!
*報道関係者の取材歓迎。
 4月5日(火)東京都教職員研修センター前
        (JR水道橋東口、地下鉄水道橋 都立工芸高校隣)
  8時20分支援者集合・行動開始
  8時35分弁護団申し入れ
  8時50分該当者(受講者)入場、激励行動
  9時~ 研修
  12時30分頃(予定) 研修終了後、該当者激励行動 
  *呼びかけ:被処分者の会

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