グループZAZA

「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

大阪府教育委員会会議傍聴記~意見や要望を出す委員に切れる中原教育長

2014-04-18 22:37:40 | 中原教育長下の大阪の教育

本日(4月18日)、大阪府教育委員会会議を傍聴しました。すでにご存じのように安倍政権によって今国会で教育委員会制度が改悪されようとしています。その先兵となったのは、橋下維新府市政治による教育改革です。

かつて政治学者山口二郎が、橋下府知事誕生の折、「大阪が新自由主義の実験場にされようとしている」と、講演で述べていましたが、まさにその通りになったわけです。この実験により、大阪では様々な被害が表れているのですが、そのことを無視して、安倍政権は改革を進めようとしています。

しかし、ここで私たちが考えなければならないのは、そもそも教育委員会制度は何のためにあるか、ということです。それは言うまでもなく、政治の影響を排して地域住民の教育の権利を保障するための機関であるはずです。

大津イジメ事件を契機として、教育委員会が機能していないと言われて来ましたが。それ以前に、教育委員会を私たちはもっと知るべきなのではないでしょうか。

本日の教育委員会会議は、制度上の問題点が如実に表れていました。端的に言えば、府民すなわち地域住民の声が反映しないシステムであることです。私たちが考えなければならないのは、地域住民の教育への権利が実現する制度です。それは政治によって選ばれた首長の権限を強化することとは真逆の地域住民の溢れるほどの多くの声のなかから政策を掬い取っていく行政です。

本日の議題「平成26年度大阪府教育委員会の運営方針について」

この方針こそ、府民にその案を公表し、パブリックコメントを募集し、そこから具体の政策を編み出していくべきなのです。中原教育長と陰山教育委員長を初めとする教育委員の議論はかみあわず、いや議論以前のひじょうに稚拙な子どもじみた話に中原教育長はもっていったと言えます。

議会は各委員会も含め動画が公表されています。教育委員会会議は、議事録は公開されているとはいうものの、動画は公表されていません。教育の主体が府民であることを考えれば、ライブで公開してこそ、教育委員会の責任も果たせるというものだと思うのですが。

議論のいくつかを紹介します。

陰山委員長からはICTの活用について、どうせやるのなら大阪が世界のスタンダードになるくらいのものを目指してほしい。2020年から国が英語教育を始める。大阪の方向性は間違ってないのだから、もっと切り込んだらいいんじゃないか。

立川委員からは、グローバルリーダーズハイスクールの充実に関して、3年間の取り組みの成果と課題を検証した上で総合評価に基づき、再指定(指定校入替)とあるが、評価基準はどうなっているのか、それを見せてほしい。障がいのある生徒に向けてのエキスパート支援員としては、指導看護師や理学療法士も考えられているのか。体罰の防止について教員の意識改革はどのように行うのか。優秀教員制度を府下で合同でやってほしい。進路保障について進路未定数を減らす努力をしてほしい。

木村委員からは、スポーツ指導において、先日テレビでも見たが、特に女子に対して過度の指導により月経がなくなりそのために疲労骨折しやすくなっていることを指導者自身が知識がなく知らないことがある。先日、大教大の学生から質問されたが、教員になるためにどのような勉強をしたらよいかわからないとのことであった。対策講座などをお願いしたい。

小河委員からは、小学校入学以前の子どもの問題、幼児教育を政策化してほしい。いじめ問題については、自分の経験からもなかま作り、集団作りをどうするかを考えてほしい。現場で一つ事件が起こったから処罰するということではなくならない。体罰については啓蒙が必要。運動生理学の普及なと、正しい知識を身につける、まだまだ根性論が幅を利かしている。

それらの質問や要望について、事務局の役人は応えるが、いつもと違って中原教育長は一言も発言しませんでした。それをいぶかって、陰山委員長が中原教育長に、どうしたのかと尋ねると…

中原教育長切れる~不満たらたら!

中原教育長曰く、しんどくて何もしゃべる気がしないんです。お願いします、お願いしますって、この会議は会社で言えば取締役会議ですよ。それが、お願いお願いの相談会になってるんで、しんどいんですよ。ドラえもんンのポケットじゃないんだから、ぽんぽんぽんぽん、言うだけだったら誰でもできますよ。大教大の学生がこう言ったとか個人的な話やら些末な話やら、教育委員会会議の意義が見えない。それだけ言うのだったら、今日から分担してやりましょうよ。これは教育委員会制度の根幹にかかわること。、箕面市教委なんか頻繁にやっているじゃないですか。定例会を増やして、コミュニケーション不足ですよ。会議の進め方もわからない。これは相談会ですよ。

それに対して立川委員、毎週来るつもりだったが、(事務局に)その必要なないと言われました。1週間前に60ページの資料を渡され議論すると言われても…

傍聴しながらつくづく思いました。あまりにも低次元の、議論ともいえない、駄々っ子のような中原教育長の言いよう。

しかし、彼がマスメディア取材のなかで敢えて言って見せるのは、国が教育委員会制度改革を実行に移そうとしている今、教育委員会会議の議論がいかに無意味であるのかを強調したかったのかもしれません。

確かに、教育委員は府民を代表しているとは言い難い面もあります。しかし、大阪府教育委員はそれぞれの感覚から問題提起は行なっています。問題は中原教育長がそれらの声を聞くことを面倒だと思っているところです。おそらく彼は、ただ一人知事の指示にしたがって教育行政をやりたいと思っているのでしょうが、それが危険であることは、そもそも教育が多様な個々人の権利の行使であることを考えれば、自明のことであるのですが…府民不在の議論にしてしまっているのは中原教育長の責任です。

中原教育長へ、しんどいんですよって、それを傍聴している府民の私は憤懣やるかたない気分でした。あなた方は誰のために仕事をしているのですかとよっぽど聞こうかと思いました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大阪府教委は、本日、口元チェック方針をおろしました!

2014-03-25 21:25:55 | 中原教育長下の大阪の教育

本日(3月25日)、大阪府教育委員会会議で、事務局が提案した、「入学式及び卒業式における国歌斉唱時の対応について」を全員一致で了承しました。すなわち、大阪府教育委員会は口元チェック方針をおろしました!

昨年9月、大阪府教育委員会は秋季卒業式実施高校の校長に対し、「君が代」斉唱を目視により確認し報告せよとの、いわゆる口元チェック通知を発出しました。「君が代」強制反対大阪ネットワークでは、多くの市民から撤回の署名を集め、数次に亘り大阪府教育委員会に提出して来ました。それにもかかわらず、今年1月にも同じ内容の通知を再度発出しました。

しかし、わずか半年足らずで教育委員会は、口元チェック方針の撤回を余儀なくされたわけです。撤回署名等にご協力いただいたみなさま、ともに喜びたいと思います。しかし、「君が代」強制がなくなったわけではありません。今後は、校長の裁量と責任において実施することとしています。

つまり、口元チェック方針はおろさざるを得なかったものの、条例下において、「君が代」の強制は続きます。

丸岡高等学校課長は、対応の変更について、(「君が代」)条例制定後すぐの卒業式では、21校29名が不起立であったのに対して、本年は6校6人が不起立不斉唱と大幅に減ったことをあげ、状況が改善したためと説明しました。しかし、実際の理由は「口元チェック」への大きな批判を回避するためやむなく方針を変更したと考えられます。なぜなら、条例下、やむを得ず起立はしたものの、やはり「歌えない」という教員がかなりいることを教育委員会事務局も、そして現場の教員も、よく知っているからです。

つまり、教育委員会は、建前上、起立・斉唱の構図を作ったということに他なりません。不斉唱は6名だけで、他の教員はすべて斉唱していたなど、実際にはありえません。

なんだか、まやかしがどんどん蔓延していくなかで、「君が代」斉唱が自明のこととして扱われるのは、それはそれで問題です。「歌えない」と考える教員や生徒は、これまで以上に孤立させらることになる可能性もあります。

なぜ、条例を制定してまで、学校で「君が代」を歌わせようとするのか、やはりその根本のところから考えていく必要がありそうです。

以下に、本日の議題6の資料を掲載します。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

教育があぶない!北摂市民ネット(あぶネット)が箕面市教委に請願書を出しました!

2014-01-23 08:53:53 | 中原教育長下の大阪の教育

大阪ネット事務局の恩地庸之さんからうれしいメールが届きました。地域の市民団体が小・中学校での「君が代」斉唱をやめるよう、子どもに強制しないよう市教委に請願書を提出した報告でした。

子どもたちへ「指導」とういう名で事実上「君が代」斉唱が強制される実態が進んでいます。「君が代」強制はいよいよ最終ステージに入りつつあります。つまり、教員にこれほどまでの強制が行われる、その最終の目的は子どもに、それこそ一人を残すことなく日本のすべての子どもに「君が代」を斉唱させることにあります。

その先にあるものを考えるとき、これは教員だけの問題ではなく市民の問題でもあります。あぶネットのように、様々な地域で市民から教委へ働かきかけてはどうでしょうか。下記に恩地さんからのメールを請願書とともに掲載します。

 

「教育があぶない!北摂市民ネット」(あぶネット)では、1月22日、箕面市教委に下記の内容を求める請願書を出しました。


1.箕面市立小・中学校での子どもたちの「君が代」斉唱をやめること
2.少なくとも、現在行なわれている下記の行為をやめること
 1)「指導」の名の下でなされている生徒に対する「君が代」斉唱の強制
 2)卒業式および入学式において、子どもたちがきちんと「君が代」を斉唱しているか否かについて貴教育委員会が行なっている調査・点検行為

 この「1」は、市は”国の「学習指導要領」に従う”として”門前払い”の可能性があることについて会内で検討しましたが、やはり私たちの思い、原則は打ち出そうということで、入れました。

審議は、2月10日(月)の市教委2月定例会です。開始時間は2時30分です。通常は、遅くとも4時半頃には終わるそうです。不確定ですが、請願の議案は早いうちに入りそうです。

箕面市議会は維新は無論、民主も含めて君が代斉唱、教育への政治介入に熱心です。教育委員も昨年、任期を残して(ほとんどが多分、市長、市長派の”お友だち”委員に)全員変わりました。
ご都合のよい方の傍聴をお願いできるようでしたらありがたいです。

請 願 書

箕面市教育委員会 様

教育があぶない!北摂市民ネットワーク

 

平素のご公務、ご苦労様に存じます。

以下の請願をいたしますので、よろしくお願い申し上げます。

 

【請願内容】

1.箕面市立小・中学校での子どもたちの「君が代」斉唱をやめること

2.少なくとも、現在行なわれている下記の行為をやめること

1)「指導」の名の下でなされている生徒に対する「君が代」斉唱の強制

2)卒業式および入学式において、子どもたちがきちんと「君が代」を斉唱しているか否かについて貴教育委員会が行なっている調査・点検行為

 

【請願理由】

1.「日の丸・君が代」は、わが国が大陸・アジア諸国への侵略戦争を進めるシンボルとして永きに亘って

掲げられ利用されてきたものです。この侵略行為は、それらの国々の一般民衆への殺戮、強奪、強姦、人間性の破壊・冒涜等凄惨を極めたものでした。この被害国ではない、また現在の一番の友好国でもある米国からでさえ「残虐性と規模において前例のない20世紀最大規模」と言われるものでありました(日本軍「慰安婦」問題に関する2007年7月米国下院決議)。この侵略戦争への反省から、これらの象徴物を敬う行為に対する反対、嫌悪感と、強制に対する強い批判が巻き起こって久しい年月が経ちます。

 これらの象徴物にはこうした歴史と、それを推進してきた思想が抜き去りがたく込められています。このことを真剣に思慮するなら、このような象徴物を敬う行為は直ちに止めるべきであり、そして、本来的にはこれらは廃棄をするという決断をすべき事柄であります。そうではなく逆に、これを敬う政治、制度を進めるに至っては、これは単なる時代錯誤では済まない、戦争の反省の上に立ってつくられた思想及び良心の自由、表現の自由など各種精神的自由権を保障したわが国最高法規範としての憲法(19条)の内実を国民から奪い、国民を思考停止させ権力に盲従させようとする、民主主義と逆行するシステム構築に向かう大きな危険を孕んだものといえます。また、かつて巨大な犠牲をもたらした被植民地各国をはじめとした人たちの怖れと悲憤を再び呼び、警戒を招いて日本自らの国際的孤立を招くものでもあります。このように、それは暗黒政治の復活の始まりに至る由々しき事態であると考えられ、反対意見は、こうした大きな危惧によって広く存在し、また起こり続けています。

また、千代に八千代に・・苔のむすまで」との「君が代」の歌詞は、かつて国定教科書で教えてきたよう

に、「天皇陛下のお治めになる世の中がずっと続きますように」との意味であるとしか考えられません。民主主義の時代に、なぜ、こんな歌を歌わされなければならないのでしょうか!?「君が代とは・・天皇を象徴とするわが国のこと」云々との( 時代の概念を表す言葉を「国」という概念におきかえる)政府の説明は、どう考えても詭弁と言わざるを得ません。このような説明を子どもたちにすれば、科学的思考を養うべき教育の使命とは真逆に、子どもたちに「大人の社会ではこじつけが『正論』として通るのだ」と教えてしまうことにもなろうと思います。

以上のように、教育の場で、これらの象徴物を敬うよう教えるなどもってのほかの行為であり、こうした学校での「教育」行為を直ちにやめることを要請いたします。

2.しかし箕面市では、貴教育委員会の説明では例年、卒業式・入学式において教師のみでなく子どもたちが「君が代」をきちんと歌っているかどうかを、貴教育委員会 (事務局職員)が市立全校に出向いて調査、点検をするということまで行なわれています。

 上述のように「君が代」斉唱は個人の思想及び良心の自由にかかわる問題であります。

 学校では、宗教上の問題や在日外国人家庭である場合等の諸事情や個人の思いによって、「歌いたくない」子どもたちがいることが当然推察されます。貴教育委員会は「そのような場合には当然配慮する」と説明されますが、子どもたちが自由に意見や希望を述べられる条件、雰囲気を作るための方策、また、そのような意見、希望が子どもたちから出された場合の対応について、その「配慮」の具体的中身の説明は全くありません。ただ「指導する」との繰り返しの説明であります。これは、やはり(貴教育委員会や学校現場での意図は仮に別としても)、これらの子どもたちへも強制がなされているとしかいえない状況であろうと思われます。

自治体は、その教育施政は国の方針に沿うとの姿勢を示しますが、国歌・国旗に関する法律は、これが「日の丸」「君が代」であることを定義したに過ぎず、この掲揚や斉唱を義務づけたものでは全くありません。同法の制定時にも、総理大臣が「新たに義務を課すものではない」との談話を発表(1999年8月)していることは周知のとおりです。

また判例においても、学習指導要領には「教師に対し一方的な一定の理論ないしは観念を生徒に教え込むことを強制するような点は全く含まれていない」とし、教師の「起立斉唱の有無を管理職が確認する体制」は、この要領の「大綱的基準」を越える教育に対する「不当な支配」であり、これを違憲としています(旭川学テ最高裁判決、1976年)。また東豊中高校での不起立教師への処分をめぐる2009年大阪高裁判決では「・・とりわけ『唄う』という行為は、個々人にとって情感を伴わざるを得ない積極的行為であるから、これを強要されることは、内心の自由に対する侵害となる危険性が高い。従って、『君が代』斉唱しない自由も尊重されるべきである」としています(これは確定判決です)。教師に対する強制においてさえかかる司法判断があるのに、「職務命令」には関わりのない子どもたちへの強制については何をかいわんやでありましょう。 

国連でも、自由権規約委員会において2011年7月、「旗やシンボルに敬意を払わないこと」を理由に人権を制約することは許されないとの意見書を採択しています(当時、こうした強制が社会問題化している国は他にないことから、これは日本の「日の丸・君が代」強制を念頭に置いたものと解釈するしかないものです)。

箕面市も、関連法規や「君が代」斉唱の条例を設けた大阪府の方針を尊重するとのことでありますが、いうまでもなく、法的規範としては憲法が最高規範であり、また箕面市が「人権のまち推進基本方針」を遂行するにあたって「基本」の一つとしている「児童の権利に関する条約」=国際条約も同様に規範力の高いものであります。規範性は以下、法律-条例と順に低くなり、したがって法律や条例が憲法に違反していれば、その実効性は本来持たないものと解釈されるべきであります。

私たちは、法的な面においても箕面市がこうした基本的考え方、姿勢に立って市政を実行されることを強く望みます。「箕面市子ども条例」では「市と市民は、子どもの成長に応じて、表現の自由と意見を表明する権利を尊重する」(第8条)と謳っています。いうまでもなく「表現の自由」の尊重は、「表現することを強制されない」自由の尊重でもあろうと思われます。

「君が代」斉唱は、教育の場において強制されるべきでない、いや、教育の場であるからこそ、これは「人間の思想、内心にかかわる問題であり、各々がこの問題について考えてみよう」と教えるべき事柄であろうと考えます。

以上、学校での「君が代」斉唱の「指導」は実際上は強制となっており、こうした強制は直ちに止めることを求めます。

また、貴教育委員会による各学校への調査・点検は、斉唱が不十分な学校には「指導」を重ねる方針だとされており、この「歌うまで指導」するというのも、やはり「指導」という名の強制でしかなく、こうした点検行為を直ちにやめるよう求めます。しかも、教育現場への教育委員会による監視としか見えない、こうした直接的な関与は威圧感を伴うことは避けられず、卒業式・入学式の場を国家儀式まがいの重苦しい場にすることになお拍車をかけるものと考えます。卒業式・入学式を、子どもたちや地域の主体性を尊重し、めでたく送りだし、また迎えるという本来の主旨の場にするよう貴教育委員会が務めていただくことを要請いたします。

以上

2014年1月22日

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スーパーイングリッシュティーチャー(SET)にみる中原教育長政策の差別性

2014-01-22 11:53:58 | 中原教育長下の大阪の教育

ここに中原教育改革の本質が表れています。つまり、教育によって経済格差をさらに拡大肯定しようとする新自由主義的側面と、日本人(日本国籍保有者)とそれ以外の人を差別し、それを煽ろうとする偏狭ナショナリズムに基づく拝外的新保守主義の側面を併せ持つのが中原教育改革の特徴です。このSET政策に、その差別性、反人権的な政策の本質がみとごに表れているとは思われませんか。これは決して外国人講師の問題ではありません。私たちオオサカ人の問題です。

昨日(1月21日)の毎日新聞ウェブ記事と当ブログ「府教委9月会議傍聴記~大阪市公募校長の失敗に懲りず~今度は公募スーパーティーチャー」(2013.9.21)の記事と併せてお読みください。

SET:「日本国籍限定は不当」外国人講師の労組反発

毎日新聞 2014年01月21日 08時00分

http://mainichi.jp/select/news/20140121k0000m040148000c.html

 大阪府が高校生の英語力強化のため、2015年度から採用を検討している「スーパーイングリッシュティーチャー(SET)」の選考に関し、受験者を日本国籍に限定しているのは不当だとして、外国人の英語講師らの労働組合が反発している。府は、一般教員については条件付きで外国籍を採用しており、議論を呼びそうだ。

 府立高校で英語を教える外国人教員が組織する労働組合「OFSET(オフセット)」は昨年11月に抗議声明を出した。

 府教委によると、SETは3年の任期付き教員で、15年4月から進学校を中心に府立高6〜8校に配置し、段階的に対象校を増やす計画という。国際的な英語能力試験「TOEFLiBT」などを活用し、英語圏の大学に留学できるレベルを目指す。募集要項によると、TOEFLiBTスコア100点以上の高い英語力に加え、日本国籍を条件とする。教員免許の有無は問わない。

 外国籍の地方公務員の採用は、政府が「公権力の行使や公の意思形成に関わらない限り可能」と解釈している。府は公立校教員について、校長や教頭など管理職に就く可能性がある教諭ではなく、学級担任や教科指導に限る常勤講師として採用している。給与面など待遇の差はほとんどないという。

 SETに国籍要件を設けたことについて、府教委教職員人事課は「他校が使う可能性のあるカリキュラムの策定や教材開発に関わり、公権力の行使などに当たる可能性がある。管理職には登用はしない」と説明する。

 これに対し、OFSETのダミアン・ウィルソン代表(37)は「メンバーには国際的な英語の指導資格を持つ外国人もいる。任期付きで管理職にもならないのになぜ制限するのか」と訴える。山形県で文部省(当時)の英語指導主事助手を務めたタレントのダニエル・カールさんは「生徒のニーズにあった教員がベストの人材であり、国籍は関係ないのではないか」と話す。【石戸諭】

 

府教委9月会議傍聴記②~大阪市公募校長の失敗に懲りず:今度は公募スーパーティーチャー」(2013.9.21)

http://blog.goo.ne.jp/zaza0924/e/ca4751f397cffee53fd9b1c53d892204

 

9月20日大阪府教育委員会会議傍聴報告の第2弾です。議題5英語教育改革のもう一つの提案は、公募制スパーイングリッシュティーチャー(SET)の任用。中原教育長がこれまでの壁を破ってハイレベルな英語教育を実施すると自負のほどをのぞかせる進学校向けの提案です。

しかし、橋下大阪市長肝いりの公募校長は、数々の問題を引き起こしていますが、その原因は、そもそも成果を狙った人材の登用にあるように思います。特に学校現場では人権感覚が求められますが、およそ選考の基準には入っていなかったのではないでしょうか。

今回の公募SETの応募資格もTOFELiBTスコア100点以上だそうです。まさに唯点主義。給与は約740万円。ちなみに28歳新規採用だと、約440万円。同じように生徒を教える英語教員に、このように賃金格差をつけることは何かと問題が起こるように思います。

しかし、それだけの年収をもらうからには成果をあげてもらうとばかりに、達成目標もすでに決められているようです。もちろんここでも数値であがっています。SET配置3(~5)年後生徒80人中、TOEFLiBT80点以上5~14人、60点以上42人以上が達成目標としてあがっています。

中原教育長の英語教育改革の提案を聞いて、最も不安に思うのは、数値による成果しか教育の価値を認めていないところです。しかもそれが目標になると、教育という営みは本質的なところから変わっていくように思います。自分さえよければという教員と生徒の営みはさびしいものになるような気がするのですが…。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大阪府教育委員会、本日(1/14)ふたたび口元チェック通知を出す!

2014-01-14 16:27:09 | 中原教育長下の大阪の教育
大阪府教育委員会は、本日(1月14日)、ふたたび「君が代」の斉唱を目視・現認し、不斉唱者を報告せよとの、いわゆる「口元チェック」通知を発出しました。
 
なぜ、そこまでして「君が代」を歌わせようとするのか?私たちは多くのみなさんとこの問題を考えていきたいと思っています。命令で強制するような遣り方が児童や生徒に悪影響を与えないわけがありません。
 
しかし、それにしても、1月9日提出した「口元チェック」通知撤回署名7910筆を提出したときには、大阪府教育委員会植木指導主事は、12月27日の校長会で意見を聞いた、再び同じ通知を出すかどうかは検討中だと、説明していたのですが、あれはたんなる詭弁であったのでしょうか。そんなことを繰り返していてはますます大阪の教育は府民から不信感を持たれることになります。私たちは、検討の結果、再び通知を出すに至った説明を教育委員会に求めたいと思います。
 
 大阪ネットは、17日17時半より府教委への抗議・応接をもちます。参加可能な方は17時15分に府教委別館の1階ロビーにお集まり下さい。
 
下記は、通知と、そして、校長に求められている報告書です。卒業式が、教育委員会のエキセントリックな異常性によって冒涜されるようで言葉もありません。府民がこのようなことを学校に求めているとはとても考えられません。
 
 
 
 
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする