グループZAZA

「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

再任用拒否国賠訴訟 いよいよいよいよ判決!

2020-11-17 11:55:00 | 裁判

グループZAZAの梅原さんからの案内とお願いです。

 

2017年再任用拒否国賠訴訟も1126()にいよいよ判決を迎えます。

コロナ感染拡大の中で傍聴人数に制限がありますが、傍聴支援をよろしくお願いします。

大阪地裁809号法廷1315分~です。

 

裁判後、15時頃からエルおおさか本館5階 研修室で報告集会を行います。

判決内容の検討・資料準備等に要する時間が必要で少しお待ちいただくことになりますが、

こちらの方もご都合のつく方はご参加いただければと思います。

近くに部屋を確保できず遠くになってしまい、申し訳ありません。

 

 

裁判に先立ち、1122()14時~ エルおおさか本館604号室で

「梅原さんを支援する会」総会も行われます。

谷弁護士に判決に向けての争点などを解説していただきます。

裁判の直前に連続して行われる形になってしまいましたが、こちらにもご参加いただければ

ありがたいと思います。

 

 

裁判後の報告集会、総会共にあまり広い部屋が確保できておらず、若干「密」になる可能性も

あります。コロナ感染の状況も第三波の到来などともいわれる中ですので、健康状態に留意され

無理をされないようにお願いします。


再任用拒否国賠訴訟証人尋問補足説明:「意向確認」とは?「違反質問」とはとは?

2020-09-16 14:28:00 | 裁判
9月9日の再任用拒否国賠訴訟の証人尋問法廷は圧巻でした。それは原告梅原聡さん、そして被告側証人であった当時の管理指導主事の陳述書を読み比べてくだされば、いくらかは、わかっていただけるように思います。

ただ、そもそも「意向確認」とは何か?「違反質問」とは何か、少しわかりにくいかもしれません。原告梅原聡さんの補足説明を掲載します。どうかお読みください。


意向確認とは 


大阪府では卒業式などで「君が代」斉唱の際の起立斉唱の職務命令に従わず懲戒処分を受けた教員らに対して研修を受けることを義務付けています。内容は、関係する法令や条例の条文を読み上げることが中心で、30分程度の非常に形式的なものですが、この研修の最後に「今後、入学式や卒業式等における国歌斉唱時の起立斉唱を含む上司の職務命令には従います。とだけ書かれた文書を渡され、署名押印を求められます。


最初私達は、このタイトルも宛名もない文書を怪文書などと呼んでいたのですが、府教委の内部で「意向確認書」と呼ばれていることがわかりました。「意向確認書」は文面を書き直すことも、提出するかどうか任意とされ、担当する教員力向上要支援グループは、研修の結果を確認するためのものと説明していました。研修後に「意向確認書」を提出しなかったり、文言を修正して提出したりしても、とがめられたりすることはありません。退職してしまえば、そんなものがあったことはどこに影響することもないのです。


ところが、「意向確認書」を提出しなかったり、書き換えて提出したりした者が、定年時に再任用を申請した場合、再任用の可否を決める直前に校長から呼び出しを受けます。そして、その書面と同じ文言で「今後、入学式や卒業式等における国歌斉唱時の起立斉唱を含む上司の職務命令には従いますか?」とだけ尋ねられるのです。これに「Yes」と答えれば再任用が認められますが、それ以外の答えなら再任用が拒否され、事実上のクビがきまるのです。これが、私達が現代の踏み絵と批判してきた「意向確認」です。

 



違反質問とは 


厚労省は公正な採用選考のための基本的な考え方を示していて、応募者の基本的人権を尊重することと、応募者の能力・適性のみを基準として行うことが、その二本柱になっています。これに従って、採用選考時に面接・作文等で把握してはいけないこととして、本来自由であるべき事項(思想・信条など)や本人に責任によらない事項(本籍や家庭環境など)などの14項目をあげていますが、これを面接等で尋ねようとするのがいわゆる違反質問です。例えば、「尊敬する人物」や「愛読書」を尋ねるような質問も応募者の思想的背景につながる違反質問として、面接時の質問などについてはかなり厳しく制限をしています。大阪府教委は就職指導で違反質問を受けた場合には「学校で答えないように指導されている」と返すように指導させています。私達の再任用の審査に当たって質問された「意向確認」は、もろにこの違反質問にあたるもので、生徒に答えないように指導している私達が答えられるわけがありません。こんな質問を堂々とする府教委はどうかしてるとしか言いようがありません


再任用拒否国賠訴訟証人尋問府教委管理主事(当時)陳述書

2020-09-13 05:42:00 | 裁判


陳述書

令和2年7月17日

                                                                 ○○○○    

 略歴

(1) 私の略歴は次のとおりです。

昭和61年4月 大阪府公立学校教員に採用

昭和61年4月 大阪府立○○高等学校教員に採用

平成6年4月  大阪府立△△高等学校教諭

平成19年4月 大阪府立△△高等学校主席

平成24年4月 大阪府立△△高等学校教頭

平成27年4月大阪府教育委員会事務局教職員室教職員人事課管理主事

平成30年4月 大阪府立◇◇高等学校校長(現在に至る)

(2)本件で原告梅原聡氏(以下「梅原氏」といいます。)にーー校長が意向確認をした平成29年1月24日当時、大阪府教育庁教職員室人事課教員力向上支援グループの管理主事として勤務し、教職員の研修、指導等の業務を担当すると共に、教職員室教職員人事課が所管する再任用教職員採用選考審査会(以下「再任用審査会」といいます。)の庶務の事務をしていました。なお、教職員室教職員人事課の管理主事は、大阪府教育委員会通則第9条第5項に規定された職であり、教職員の指導、研修、再任用事務等の職務に従事するとされています。


 梅原氏の再任用に関する意向聴取について

(1)梅原氏が過去に受けた戒告処分

  梅原氏は、平成24年3月27日、同年3月8日に実施された勤務校である府立――高等学校の平成23年度卒業式において、職務命令に違反して国歌斉唱時に起立しなかったことが、地方公務員法(以下「地公法」といいます。)32条に規定する上司の職務命令に従う義務に違反するものであり、学校教育に携わる公立学校教員として全体の奉仕者たるにふさわしくない非行であり、その職の信用を著しく失墜するものとして、地公法29条1項1号及び3号に該当するものとして、戒告処分を受けました。

  また、梅原氏は、平成26年3月27日、同年3月6日に実施された勤務校である府立芦間高校の平成25年度卒業式において、職務命令に違反して国歌斉唱時に起立しなかったことで、同様に戒告処分を受けました。

 ( 2 戒告処分後の一連の手続きの流れ

府教委は、職務命令違反による戒告処分を受けた職員に対しては、資質向上研修を行っており、その研修後、「卒入学式等における国歌斉唱時の起立斉唱を含む上司の職務命令に従う」旨を記した意向確認書(以下、「文書」といいます)に署名・押印の上提出することを求めていました。そこで、何もなければ当該処分についてはそれで終了となりますが、「文書」を改変・加筆したもの

については、後日に「なぜ改変・加筆を行ったのかということから、元の「文書」に記載した内容の職務命令に従えるのかについて再度の意向確認を行っておりました。

梅原氏についても、平成28年1月に研修を行い、その研修後に前述の「文書」に署名・押印を求めましたところ梅原氏は「地方公務員法に定める上司の職務命令に従います。ただし、今回の研修では十分な説明が得られなかったため、憲法その他の上位法規に触れると判断した場合はこれを留保します。」と修正して提出しました。

そこで、府教委は、その後平成29年1月初旬から中旬頃、梅原氏が元の「文書」に記載の内容の職務命令に従えるのか確認を行うため、梅原氏の勤務校である大阪府立○○高等学校の萩原校長に指示し、同月24日朝に、――校長から、梅原氏に対し、意向確認を行ってもらいました。やりとりについては、――校長から、ほぼ訴状で書かれているとおりだった旨報告を受けています。

結局、梅原氏から、元の「文書」に記載の内容の職務命令に従えるのかの確認はできませんでした。なお、梅原氏は翌25日に、梅原氏からーー校長に「なぜ答えないかという部分をきちんと伝えたか」について確認し、府教委に「思想・信条に関わる質問を再任用に関連して聞くことは不適切ではないか」という点を聞くように依頼したところ、翌同月26日に、――校長から梅原氏に、「こちらからこの件に関して答えることはない」との府教委からの回答を伝達されたと主張していますが、梅原氏からーー校長への確認の要請は26日であり、――校長から梅原氏に対する府教委からの回答の伝達は27日のことでした。

(  大阪府商工労働部からの労政課からの質問と回答

その後、同年2月3日午後1時30分頃、大阪府商工労働部労政課の担当者が、教職員人事課に見え、教員力向上支援グループの◎管理主事と私が対応しました。そのやりとりは、本裁判で証拠として提出されている大阪府の同月13日付け部分公開決定通知書添付の文書のとおりです。

このなかで、労政課の担当者から前述の意向確認の理由を問われ、◎管理主事が再任用選考のために行っているのではなく、処分を受けた職員に対する一連の流れの中で行っているものであるとの回答をしたのは事実です。この回答の趣旨は、前述しましたように、職務命令違反による戒告処分を受けた職員に対しては、資質向上研修を行い、その研修後に、今後は職務命令に従うとの研修結果を確認するために「文書」に署名・押印の上これを提出することを求めているが、文書を改変・加筆した者には、かかる研修成果を確認できないことから、後日に元の「文書」に記載した内容の職務命令に従えるのかについて再度の意向確認を行っているところ、今回の意向確認もその手続きの流れの一環であることを理解してもらいたかったということです。

労政課の担当者は、最初に「厚労省が定める14項目は就職差別につながりやすい」云々を説明されました。私たちも、再任用するための質問の中で「思想」に関する質問をすることは違反であることは承知しておりましたが、処分を受けた職員に対する一連の流れの中で行っている意向確認は、それが再任用するか否かにかかわるものになるとしても「今後は職務命令に従うとの研修結果を確認する」ために行う意向聴取であって憲法で禁じられている思想信条の自由に違反する質問ではないと認識しており、そのことを労政課の担当者に理解してもらいたかったのです。

労政課の担当者が私たちに対し、意向聴取が思想・信条に関する質問に該当すると表明された事実はありません。「過去の処分歴について聞くことは違反質問ではありません。」と述べる一方、「聞き方については注意していただきたい。アドバイスです。」と単なるアドバイスにとどまるものでした。本件について意味のあるアドバイスではないと理解しております。


 平成29年度再任用教職員採用審査会について

(1)再任用の選考手続きについて

  大阪府の職員らの再任用は、地方公務員法28条の4、同法28条の5、及び、職員の再任用に関する条例に基づいてなされるところのものであるところ、梅原氏ら教職員の再任用の採用に係る選考に実施並びに任期の更新の手続きに関しては、「再任用教職員の採用選考等に関する要綱」に基づいて実施されます。

 梅原氏は、改正高年法の趣旨等を援用して、再任用制度が再任用を原則として制度であり、大阪府は再任用を義務付けられると主張していますが、再任用制度は高齢者の生活補償のための雇用の確保という点のみならず、公務の効率的運営の確保という趣旨も有していること、再任用制度であっても、公務員の新規任用のための選考である以上、府教委がその採否について広範な裁量権を有していることからすると、任用を義務付けられるものではありません。なお、梅原氏は、この府教委の裁量権の範囲に関連して、大阪府の再任用制度については高い合格率となっていることを取り上げていますが、そもそも大半の教職員は、通常の能力・規範意識を有しており、懲戒事由に該当するような問題行動を起こすこともなく、教師としての能力にも特段の問題がないから、結果として合格率が高いだけで、また、合格率が高いとしても、全員が再任用されるものでないことは梅原氏自身も認識していると思います同制度の目的等からして、再任用が適当でない事由があれば、再任用されないこととなること自体特段不合理不相当なことではありません。

梅原氏は平成28年度定年退職者であるところ、府教委は、梅原氏を含む同年度退職者に対し再任用希望調査を原則として書類審査によって実施し、梅原氏から再任用教職員採用選考申込書が提出されました。梅原氏は現勤務校のある2学区でフルタイムでの勤務を第1希望とされました。

これを受けて、各再任用希望者の所属校の校長等からの内申を経て、選考を実施することになるわけですが、選考に当たっては、公正を期するため、府教委内に再任用職員採用審査会(以下「本件審査会」といいます。)が置かれ、本件審査会において選考の合否及び任期の更新の可否、その他再任用に選考に関する重要事項についてあらかじめ審査し、その意見を教育長に報告することになっており(再任用職員審査会規定(内規))、再任用審査会の審査は、教育長による再任用または再任用任期更新の決定を補助する性質のものとなっております。

 ( 2 ) 梅原氏にかかる審査

梅原氏については、同年1月30日開催の本件審査会において審査され、懲戒処分歴、研修後に提出された「文書」や意向確認の経緯等もふまえ、総合的に判断して結果再任用選考結果を「否」とする意見となったものです。

これを受けて、府教委は、梅原氏について再任用しなかったものであります。


以上のとおり、間違いありません。


再任用拒否国賠訴訟証人尋問:原告陳述書

2020-09-11 05:31:00 | 裁判

 

 

陳述書

2020616

 梅原 聡

私は府立高校の教員として36年間勤務し、20173月末に定年を迎え、再任用を希望しましたが、府教委はこれを拒否しました。府教委が私の再任用希望を拒否する理由は、総合的判断とはいうものの、「君が代」に関する私の思想良心を強制的に回答させるよう意向確認に私が応じなかったことのみを理由とするものであり、明らかに不当なものです。この裁判では私の再任用が拒否された過程を、嘘偽りのない形で検証し、事実に基づく公正な結論が導かれることを望みます。

私は20123月の卒業式の「君が代」斉唱時に起立しなかったために戒告処分を受けました。さらに、20143月の卒業式でも同様の戒告処分を受けています。2014年の処分では、「君が代」の起立斉唱をしたくないと考えていた同年の卒業生から相談されていたこともあって、同年7月に同僚・元生徒・保護者と共に大阪弁護士会に人権救済申立を行いました。これについては、20163月に、教員に対する職務命令や機械的な処分が、教員や生徒の思想良心の自由を侵すことになることを認めて、府教委に対して起立斉唱の職務命令やそれに違反したことに対する処分をやめるように勧告書が出されました。

2014年の戒告処分のおよそ2年後の201618日、この処分についての研修を121日の朝、授業前に受けるように命じられました。処分から2年も経ったこの時期に、また、授業準備にも支障をきたすような日時を指定して、研修を命じられたことに抗議し、説明を求めました。時間が経過したことについては2年間にわたって研修のための準備をしていたという冗談のような説明で、研修を行うこと自体が非常に恣意的に行われている印象を強く受けました。また、なぜこの時期かということについては、次の卒業式に同様のことが起こらないようにと答えたので、ではなぜ昨年行わなかったかと聞きましたが、答えはありませんでした。授業の時間が近づいたので、納得がいかないまま、研修に臨まざるを得ませんでした。


研修の内容は、前半は公務員の服務について、後半は国旗・国歌の問題について、学校教育法や指導要領・国旗国歌条例などの条文を読み上げるような内容でした。当日は講義を行うだけで質問は受けないとのことでしたが、それでは意味がないと、質問したところ、若干の応答がありました。その中で、命令の内容に疑義があっても従うべきであるというような説明があったので、疑問を呈すると、「明らかに違法なものでなければ、権威ある機関などによって取り消されるまで命令には従わなければならないと法律は解釈される」という返答がありましたが、「これについては、根拠などについて説明する準備ができていない」と付け加えられました。


研修の後、文書名も宛名もなく「今後、入学式や卒業式等における国歌斉唱時の起立斉唱を含む上司の職務命令には従います」とだけ印刷され、署名捺印をする形式の書面(甲第24号証参照])を渡され、署名捺印をして提出するように府教委の職員に言われました。私が確認すると、「提出は任意である」「書き換えてもいい」ということは認めました。誰が何のために書かせるのかと聞くと「教員力向上支援グループが研修結果の確認のために書いてもらう」と答えていましたが、さらに、再任用等の判断材料になるのではないかと問うと、「意向を確認するためのものということしか言えない」と答えた後に、「いったん、提出していただいたものは行政の内部でどのように使おうと自由だ」という内容の言葉が付け加えられ、唖然としてしまいました。


この書面については、命令に疑問を感じる場合の対応が十分に説明されなかったことや、不服申立てのような制度があるはずなのにそれについても説明されなかったことなどから、「憲法などの上位法規に触れると判断する場合は留保する」ということと、「担当グループが研修結果の確認をするため以外の目的に使わないこと」を書き加えて提出しました。(甲第11号証)

定年を迎えるにあたって、2016年末の再任用希望調査には、フルタイムでの再任用を希望しました。年が明けて、2017124日の朝、○○校長から校長室に呼ばれました。「再任用に関連してお聞きします」と言われ、これまでの君が代不起立による戒告処分の履歴を確認された後、「今後、入学式や卒業式等における国歌斉唱時の起立斉唱を含む上司の職務命令に従いますか? はいか、いいえで答えて下さい」と言われました。


これまでに他の方に同様の質問がなされたことは聞いていましたが、こんな質問を本当に教育委員会が聞くのかという思いが強く沸き起こりました。私たちは生徒の就職指導にあたって、採用の面接で思想・信条に関わるような質問をされたら「そのような質問にはお答えしないように学校で指導されています」と返すように教えています。愛読書や尊敬する人物など、一見問題がなさそうな質問でも思想信条に関わる可能性があるので、同様の説明をして答えないように指導しています。これは厚労省の「公正な採用選考の基本」に沿って府教委自身が指導させているものです。その府教委がこんなことを聞くのか、答えないよう生徒に指導している私たちが、これに答えられるはずがないではないか、と強い憤りを憶えました。


また、「はい」という答え以外は認めない=再任用はさせないという聞き方にも心が震える思いがしましたが、「これが再任用に関わる質問であるということなら、生徒の就職の面接でも、このような質問には答えないように指導しているので、答えることはできません」と返答しました。○○校長は「意向確認はできなかったことになるがよいか」と言うので、私は「今の回答でそうなると判断するというのなら仕方がないが、なぜ答えないかと言うことをきちんと伝えて下さい」と念を押しました。


2日後の26日に、「なぜ答えないかということをきちんと伝えたか」ということを校長に確かめ、「思想・信条に関わる質問を再任用に関連して聞くことは不適切ではないか」という点を府教委に確認するように依頼しました。すると、翌27日に校長から「こちらからこの件に関して答えることはない」という全く誠意のない府教委からの回答を伝達されたのです。校長は意向確認に答えない理由を伝えたと言っていましたが、最終的な校長の報告書には「意向が確認できなかった」ことだけが記されていました。(甲第25号証)この内容は府教委からの指示によるものであると校長から聞いています。私の再任用を拒否することを正当化するために、あえて私が答えない理由を記載させなかったのだと思います。


「意向確認」の内容は、厚労省が示し、府でも企業などを指導している公正採用の基本に反するものであることは明らかなので、2月1日に私も加わっている市民グループ(「日の丸・君が代」強制反対!不起立処分撤回を求める大阪ネットワーク)から、大阪府の商工労働部労政課に対して相談と府教委に対する指導の要請を行いました。翌2日には私自身も労政課の○○氏らと面談をさせてもらいました。その席では「意向確認」が研修の一環として行われることについては、担当としてものを言う立場にはないが、再任用であれ、採用に関わって質問されているのであれば、厚労省の示す14項目に触れるものであるから、質問すべきではないという認識をお聞きすることができました。後日、私たちからの相談を受けて商工労働部の○○氏らが府教委の教職員人事課の亀甲氏や石村氏と面談し、「意向確認」が公正な採用選考に関する14項目のうち「思想・信条に関わるもの」に該当するので十分注意するように、との改善要請を行ったことを聞いています(甲第1号証の1、2)。府教委は、この時点で意向確認の内容に問題があることが確認できたのですから、当然、非を認めて意向確認をやり直し、私の再任用を認めることができたのに、これを怠ったのです。

教員力向上支援グループが労政課との面談の結果をどう受け止めているのかを、府教委に出向いて確認を求めたところ、○○氏がこれに対応しました。その中で、124日の「意向確認」が研修の一環として行われたと始めは答えているのに、さらに確認すると再任用審査会の際に聞かれて答えられるようにするためと答え方を変えたことに不信感を憶えました。労政課との面談で再任用の審査に使うために聞くのはまずいと指摘されたからではないかと思いました。労政課との面談で「意向確認」がまずいと指摘されたことで困っている状況がありありと感じられ、思想信条に関する質問で、厚労省の示す14項目に触れるのではないかと問いただしても、結局はっきりと答えないままでした。しかし、「意向確認」の内容に思想良心に関わる文言が入っているから「答えられない」、と対応をせざるを得ないので、その文言を除くように求めても、あくまで必要なことと考えていると答えていました。その後、私たちが○○氏らと持った数度の話し合いの中でも「意向確認」の中の「…国歌斉唱時の起立斉唱の…」という部分は不要ではないかと再三指摘しましたが、一貫して必要な文言であると修正を拒んできました。ですから、その数ヶ月後の入学式での不起立処分者に対する研修に用いられた意向確認の書面の文言が「今後、上司の職務命令に従います」だけに変更されていたことを知ったときには、開いた口がふさがりませんでした。(甲第14号証)それならば、私にも同じ聞き方ができたはずではないか… と考えてしまいました。


また、「意向確認」に示される「意向」を勤務実績として審査会に報告するという説明には非常に強い違和感を憶えました。どんなことを考えているかという私の内心を勤務実績として評価することは、思想良心の自由・沈黙の自由を侵すことにもなり、絶対に許されないことだと思いました。 

2017217日、校長より「総合的に判断して再任用結果を否とします」と口頭で連絡を受けました。その理由については任命権者から知らされている決定事項を伝えているだけなのでわからないとのことであったので、人事課の教員力向上支援グループに聞いたところ、総合的判断であるという以上のことは説明されませんでした。本当に総合的判断で再任用を「否」とされたのであれば、この年に再任用を希望した数百人の教員の中で、私が最低の教員であるという烙印を押されたということになります。そんな屈辱的な評価を受け入れることはとてもできません。しかし 、後に開示請求によって明らかになった再任用審査会の議事録(甲第2号証の2)によれば、不起立による処分をうけたことと、意向確認ができなかったこと以外は全く話題にのぼっておらず、また、校長の再任用に関する内申も4項目すべてが「適」とされている(甲第2号証の3)ことからも、国歌斉唱時の起立斉唱に関する意向確認に答えなかったことのみを問題として再任用を拒否したことは明らかです。それを総合的判断などとごまかすのはなぜでしょうか。


府教委は総務省の通知を尊重するといいながら、事実上無視して、私の再任用を拒否し、実質的に首斬りを行いました。これは、私の教員としての経歴を全面的に否定するもので、絶対に許すことはできません。これによって私は20174月から年金の支給が開始されるまで収入を失いました。私と同じ年に同様の理由で再任用を拒否された○○氏は、非常勤講師としての採用がいったん決まり、使用する教科書まで受け取っていたのに、府教委からの横やりが入り、非常勤講師の採用を取り消されました。(甲第21号証:今年の弁護士会勧告)このような中で、貯金を切り崩して生活することを余儀なくされ、現在は年金の支給を一部受けていますが、全額が支給されているわけではないので、今も大変苦しい生活を続けています。


府教委は、私の再任用に関してとった対応と、再任用を拒否した結果について、過ちを認め、請求通りの賠償を行うよう強く求めます。

      

以上


 


9月9日再任用拒否国賠訴訟いよいよ証人尋問:傍聴支援のお願い

2020-09-07 23:01:00 | 裁判

ZAZAの梅原です。

 

次回裁判が目前に迫りました。

9月9日(水)1:30~ 大阪地裁809号法廷です。

裁判も最終盤を迎え、今回は原告本人(梅原)と府教委の元人事課管理主事(現香里丘高校校長)の石村氏

の証人尋問が行われます。およそ2時間程度の予定です。

コロナ感染防止のために傍聴人数が限られ、一度に多くの方に法廷に入っていただくことができませんが、

お時間の許す方は、傍聴していただければと思います。

よろしくお願いします。

 

まだ、場所が確保できていないのですが、可能であれば、裁判後、報告集会を開きたいと思っています。