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「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

君が代を憲法で強制したい安倍壊憲~憲法・メディア・天皇制~前半

2013-07-29 21:58:02 | Tネット通信(ブログ版)

7月14日、教育基本条例下の辻谷処分を撤回させるネットワーク(Tネット)総会・学習会が開催されました。学習会講師の山口正紀さんのご了承をいただきましたので、当日のレジュメを2回に分けて掲載します。

君が代を憲法で強制したい安倍壊憲

~憲法・メディア・天皇制~

2013年7月14日 Tネット学習会

山口正紀(ジャーナリスト/人権と報道・連絡会世話人)

 

〈はじめに――私と天皇制〉

●夢に見た大阪大空襲の「記憶」―父母の戦争体験から

●昭和天皇と仁徳天皇陵――「天皇はなんでエライの」

●ベトナム戦争報道から学んだ「戦争加担と加害の歴史」

●皇太子一家来県取材の「業務命令拒否」(1977年、宇都宮支局)

・皇太子一家来県はニュースか

・なぜ新聞は敬語報道を続けるのか

・1975年、原爆投下を「やむを得なかった」、戦争責任を「言葉のアヤ・文学方面のこと」と言ったヒロヒト

●1988~89年の「自粛・崩御」報道

・自粛の動きを記事に

・「崩御」報道を拒否

●2002年日朝平壌会談後、週刊金曜日「拉致一色報道が隠す日本の侵略責任」記事への圧力

 

Ⅰ 9条を1条に――私の日本国憲法観

1――平和憲法をどう理解するか

⑴交戦権放棄=政府の「戦争する権利」を縛った規定

・前文「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意」及び9条2項「国の交戦権はこれを認めない」が意味するもの

・「政府の行為」の反省――侵略戦争はもちろん、「自衛戦争」も認めない

・自衛権(正当防衛権)はあっても、政府に「自衛戦争」をする権利は与えない

・背景にアジア諸国2000万人以上、日本人300万人以上の「侵略戦争の惨禍」

⑵戦力放棄=「武力による威嚇」でなく「平和外交」による安全保障を(暴力否定)

・前文「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」及び9条1項「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」が意味するもの

・武力による威嚇――「俺は銃を持ってるぞ、言うことを聞かないと撃つぞ」

・戦力不保持と平和外交――「私はあなたを信頼しています。話し合いで解決しましょう」

2――前文・9条の精神に反する「1~8条」=象徴天皇制

⑴日本国憲法の基本原理と矛盾する象徴天皇制

①憲法の基本原理――平和主義、民主主義、主権在民、基本的人権、自由と平等

②天皇制の基本原理――侵略戦争の思想的基盤(アジア侵略の正当化=八紘一宇の思想)

・一君万民・家父長制・血統主義の差別思想、すべての人権を制限できる天皇大権

⑵天皇制温存によって失った「侵略・戦争責任」を問う姿勢

①最高責任者に責任がないなら、「臣民」にも責任はない

・なぜ侵略戦争をしたのか、その検証のカベ/メディアも「仕方がなかった」論で逃避

②放置された侵略被害国・被害者への謝罪と賠償責任

・被害国への「経済協力」で被害者個人への賠償を回避(「慰安婦」問題など)

・相次ぐ妄言、払拭されないアジアの対日不信

3――天皇・沖縄・安保・自衛隊と平和憲法

⑴マッカーサーの「一存」で天皇制温存

①東京裁判の被告人選定段階で発表された「戦争放棄」憲法草案

・マッカーサー3原則(象徴天皇制、戦争放棄、封建制廃止)1946年2月13日、日本政府に手交

・天皇の発議で「憲法改正草案」発表(1946年4月17日)

・東京裁判(1946年5月3日開始)で天皇訴追回避

②オーストラリアなどの「天皇訴追要求」を抑えた「戦争放棄憲法」

・天皇の「平和主義」の証として盛り込まれた戦争放棄

⑵冷戦に向けたマッカーサーの戦略――天皇利用と沖縄要塞化

①天皇制を中心とした保守・右翼勢力の温存(至上命題だった「共産革命」阻止)

②軍事戦略としての沖縄の直接支配=全島要塞化(「日本軍の捨て石」から「米軍の要石」に)

・沖縄を切り捨て、犠牲にして生まれた「平和憲法」

⑶平和憲法を形骸化した単独講和と日米安保体制(1951年)

①ソ連・中国を「仮想敵国」に、単独講和とセットで日米安保条約(日米軍事同盟)

②日本全国の米軍基地は憲法が禁じた「軍備・武力」=近隣への脅威

・砂川事件で、「安保による米軍駐留は違憲」判決(1959年)

③朝鮮戦争(1950年)をきっかけに再軍備、警察予備隊→保安隊→自衛隊(1954年)

⑷自衛隊と日米安保・米軍基地は平和憲法違反

・自衛隊も安保も近隣諸国に重大な脅威を――積極的平和外交の放棄、近隣諸国民の不信

⑸問い直すべき侵略戦争の原因と責任

①歴史認識の見直しと共有――侵略被害国の市民との共同作業

②教育とメディアの責任――戦争に加担した歴史とその原因

③「被害者意識」の平和運動からの脱却――加害の反省に立った平和運動へ

⑹平和憲法と現実の矛盾解消へ

①象徴天皇制をどうするか――立憲君主制から共和制へ

②自衛隊をどうするか――災害救助組織への改組

③安保・沖縄の米軍基地をどうするか――日米軍事同盟からの脱却

Ⅱ 自民党「日本国憲法改正草案」                             

1――前文が示す自民党改憲草案の基本的性格

⑴現行憲法の前文から憲法の神髄である文言を削除=否定

・「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」=侵略戦争の反省

・「国政は国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」=国民主権の原理

・「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理念を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」=武力ではなく、平和を愛する諸国民への信頼による安全

・「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」=全世界の人々の平和的生存権

⑵「草案」が前文に入れた文言

・「日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家」=「天皇を戴く」=国民主権の否定 

・「日本国民は、国と郷土を気概を持って自ら守り」=国民の国防義務明記

・「和を尊び、家族は社会全体が互いに助け合って国家を形成する」「我々は自由と規律を重んじ…」=個人の内面に属することであり、憲法に書く必要のない問題

・「良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここにこの憲法を制定する」=立憲主義への無理解。憲法の目的は、個人を尊重し、その権利を実現するために国家権力を縛ることであり、これは「改憲」でなく、事実上の新憲法制定

2――自民党憲法改正草案の特徴と問題点

⑴立憲主義の否定=憲法を「権力を縛るもの」から「国民を縛るもの」へ

①基本的人権の永久不可侵性を否定し、国民に憲法遵守義務

・憲法97条「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在および将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである」をまるごと削除

・草案102条1項=「全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」として、国民に憲法遵守義務を押し付け=立憲主義に反する規定

・草案102条2項=天皇の憲法遵守義務を削除

②政府・首相の権限拡大、国会の権限縮小

・草案54条1項=閣議にかけずに総理大臣が衆議院を解散できる

・草案72条3項=総理大臣に国防軍の最高指揮権

・草案98条=武力攻撃、内乱、大規模災害などの「緊急事態」に、総理大臣が「緊急事態宣言」をし、緊急財政処分などができる大権(事実上の戒厳令)

③改憲発議要件の緩和=いつでも権力に都合のいい改憲を可能に

・草案100条=96条を「改正」し、改憲発議要件を両院の「3分の2以上」から「過半数」に

④新たな「国民の義務」のオンパレード

・草案前文=国防義務(「日本国民は、国と郷土を気概を持って自ら守り」

・草案3条=日の丸・君が代尊重義務

・草案9条の3=領土・資源確保義務

・草案24条=家族の尊重、助け合い義務(家族が個人より優位に立つ家父長制への復帰)

・草案25条2=環境保全義務(国民にも保全義務)

・草案99条3項=緊急事態指示服従義務(緊急事態宣言が発せられた場合、何人も国・公共機関が発する指示に従わなければならない=人権制限も)

⑵平和主義の否定=戦争のできる国作り

①第2章「戦争の放棄」→第3章「安全保障」に

・前文と連動した侵略戦争の反省の否認、武力によらない安全の否認

②草案9条=現憲法9条の全面否定

・草案9条の2=自衛権の発動、国防軍保持を明記、交戦権否認条項を削除

・草案9条の2第3項=国防軍の任務として①国際社会の平和と安全確保=海外派兵②公の秩序維持=治安維持

・草案9条の2第4~5項=軍事機密保護法、軍事法廷設置

・草案25条の3=在外国民保護規定を新設。「国防軍」海外派兵の根拠に

・草案66条2項=「内閣総理大臣その他の国務大臣は文民でなければならない」を「現役の軍人であってはならない」に緩和(大臣になる前に退役すればいい?)

⑶天皇の神格化=大日本帝国憲法化

・草案前文「天皇を戴く国家」(先取り=4月28日の政府行事で安倍らが「天皇陛下万歳」)

・草案1条=天皇を元首にし、神格化の方向に(国民主権の否定)

・草案3条=日章旗(日の丸)を国旗、君が代を国歌に(尊重義務)

・草案4条=元号制定の明記

・草案5条=現憲法「憲法に定める国事に関する行為のみを行ない」から「のみ」を削除

・草案6条4項=現憲法「内閣の助言と承認により国事行為を行なう」を「内閣の進言を必要とする」に(進言=天皇は内閣より目上?)

⑷人権の制限・抑圧、平等原理の否定

・草案12条=憲法が保障する自由と権利に「責任及び義務が伴うことを自覚し、公益及び公の秩序に反してはならない」の条件(法律による人権制限容認=明治憲法化)

・草案13条=現憲法「個人として尊重される」の「個」を削除し、個人の尊重を認めないものに

・草案15条3項=公務員の選定権限を「日本国籍を有する成年者」に限定(外国人参政権の明文否定)

・草案18条=身体の拘束に関して現憲法の「奴隷的拘束」をはずし、「社会的経済的関係において」を加筆(政治的関係での拘束・徴兵を容認するため?)

・草案19条=思想・良心の自由を現憲法の「侵してはならない」から「保障する」に(権力を縛るための条項を「権力が保障する」に)

・草案20条=政教分離原則を骨抜きに(現憲法20条1項の「宗教団体による政治上の権力行使の禁止規定」を除外。国の宗教活動の禁止を定めた20条3項に「社会的儀礼または習俗的行為の範囲をこえないものについては、この限りでない」と追加。公人の靖国参拝などを容認)

・草案21条=表現の自由(集会、結社、言論、出版その他)に「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行ない、並びにそれを目的として結社することは、認められない」と条件(警察・検察の判断で、あらゆる表現に規制をかけることを可能に)

・草案24条2=婚姻について「両性の合意のみに基づいて成立」という現憲法の規定から「のみ」を削除(合意に基づかない婚姻=家父長制下の戦前回帰も)

・草案25条の4=犯罪被害者への配慮規定(被疑者・被告人の人権と対立させる新規定)

・草案28条=勤労者の労働基本権、団結権を保障する現憲法に「公務員については、全体の奉仕者でることに鑑み」として、「制限することができる」との追加規定

・草案36条=公務員による拷問・残虐な刑罰について、「絶対にこれを禁ず」としている現憲法から「絶対に」を削除(禁止は絶対ではない!)

・草案77条2項=「検察官は、最高裁判所の定める規則に従わなければならない」との現憲法の規定に「弁護士その他裁判に関わる者」を追加(弁護士自治への介入)

⑸自民党改憲草案が狙うのは「戦争のできる神の国」復活

①「天皇を戴く国家」を浸透させるための「日の丸・君が代」尊重義務

・「義務」に従わないと「非国民」=石原都政・橋下府・市政を憲法に明文化

②闘い・抵抗の武器を奪う21条改悪

・「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動」とは

③戦争できる国に向けた9条改悪(「国防軍」だけでない問題点)

・軍機保護法・軍事法廷復活=先取りとしての秘密保全法

⑹「96条先行改正」は憲法破壊

①「96条改正」は、立憲主義・憲法の根幹にかかわる問題

・安倍首相は「国民の過半数が憲法を変えるべきだと思っても、国会議員の3分の1が反対すれば改正できないのは問題」などと国会答弁

・憲法は権力者の横暴な権力行使から国民の権利・自由を守るための歯止め

・だからこそ改憲発議には厳しい「特別多数決」の条件=96条の「3分の2」規定

・「縛られる側」の権力者たちがルール変更するのは、憲法を根底から否定する行為

②「憲法に風穴を空ける」96条改悪

・自民党新憲法草案(2005年)を作った舛添要一氏は『読売』のインタビューで「まず96条を改正し、憲法に風穴を空ける」と言明

・96条さえ変えれば、あとは与党がいつでも好きな時に好きなように憲法を変えることができる

 

Ⅲ 差し迫る〈安倍壊憲〉の危機

1――民主党政権下でも進行していた壊憲

⑴末期の鳩山政権下で国民投票法施行(2010年5月18日)

①改憲派が3分の2の賛成で憲法「改正」案を通過させれば、「改憲のための国民投票」が可能に

②平和憲法が壊憲勢力の「人質」にとられるという、戦後初めての危険な状況

⑵菅政権下、民主・自民が参院の「憲法審査会」規程作りで合意

①2010年10月19日、参院の民主・自民国会対策委員長が参院の憲法審査会規程作りで合意

②憲法審査会=憲法改正原案を審査する「改憲のための」機関

・衆院では09年6月、麻生政権下で自公が審査会規程を強行制定

・参院では民主党などの反対で規程が作れず、政権交代後も宙に

⑶東日本大震災のさ中にも壊憲の動き

①2011年5月18日、民・自・公の賛成により、参院憲法審査会規定を決定

・背景に2010年夏以降、菅直人政権下で進行した民主党の「第2自民党化」

・前原グループを中核とした菅政権は普天間・辺野古問題、「尖閣」問題で著しく自民党化

②震災のどさくさに紛れ、6月7日、「憲法96条改正をめざす議員連盟」設立

・総会には民・自・公など国会議員約100人が参加、賛同者は200人を突破

③橋下徹「大阪維新の会」も改憲・96条改悪で「公約」

・2012年3月に発表した「維新8策」(公約叩き台)に「96条改正)」

⑷国民投票法制定から4年半、野田政権下で憲法審査会始動(2011年10月20日)

①臨時国会冒頭、衆参両院で憲法審査会委員(衆院50人、参院45人)選任

②以後、衆参両院で憲法逐条審査

2――国民投票法の問題点

⑴有権者の5人に1人の賛成でも実現する憲法改定

①最低投票率の制限がなく、20%の賛成でも改憲が可能

・憲法96条は「国民の過半数の賛成」による承認、国民投票法は「有効投票数の過半数」

②外国の多くは最低投票率の規定

・デンマークは全有権者の40%以上の賛成、韓国は有権者の過半数の投票が条件

⑵市民の知る権利を侵す「広報」規定

①     改憲派の広報機関となる「国民投票広報協議会」

・国会議席数に応じた委員=自動的に3分の2以上が改憲派に

②放送を利用した無料広告も改憲派の宣伝機関に

・有料CMは規定なし(財界の買占めも可能に)

⑶公務員・教職員から、言論・表現の自由を奪う「地位を利用した投票運動の禁止」規定

①自治体労働者・教育労働者には、憲法を論じることを許さない違憲規定

・授業で憲法9条の意味を語ると「政治的行為」に(いくらでも拡大解釈可能)

②公務員には本来「憲法尊重擁護の義務」(99条)

・任期中の改憲を公言した安倍首相、橋下徹・大阪市長らこそ、99条違反

3――自民党圧勝の総選挙

⑴自民党の「改憲」公約をきちんと報道しなかったメディア

①安倍晋三総裁は11月21日、「日本を、取り戻す。」と銘打った衆院選政権公約を発表

・集団的自衛権行使、「国際平和協力法」制定、「憲法改正草案」に沿って国防軍の設置

・96条改正=憲法改正の発議要件を「両院の3分の2以上」から「過半数」に緩和

・「憲法改正原案の国会提出」に積極的に取り組む方針を明記 

②政権公約を報じる各紙22日朝刊各紙一面の見出しは経済政策が中心

・《成長重視、保守を前面/TPP交渉に条件》(『朝日』)

・《物価上昇2%目標明記/日銀法改正を視野》(『読売』)

・《「経済成長3%以上」/安保「安倍色」濃く》(『毎日』)

・《TPP「国益なら交渉」/金融緩和の実行強調》(『日経』)

・『東京』が《再稼働判断3年以内/改憲し国防軍創設》、『産経』が《集団的自衛権「行使可能」/経済再生 司令塔カギ》とした以外、改憲を取り上げた見出しなし

・記事本文でも『朝日』『毎日』『日経』の一面には、「改憲」の2文字が皆無

・原発、沖縄、憲法を争点からはずし、自民党政権公約が「経済再生」を実現するかのような報道

⑵自民圧勝・民主惨敗の選挙結果

①選挙結果を端的に表現した『東京新聞』12月17日朝刊1面の見出し

《自民290台 政権復帰/安倍氏 首相再登板へ/4割投票棄権 推定投票率最低水準/維新含め改憲派3分の2/脱原発の民意と隔たり/「9条」が焦点に/維新、自民に協力方針》

②自公で3分の2、自民+維新でも3分の2以上

・自公で衆院の3分の2(320)を上回る325議席

・自民+維新でも3分の2を大きく上回る348議席

・「9条改正」賛成は343人(75・6%)、「集団的自衛権行使」容認は81・1%(共同通信調査)

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〈安倍壊憲〉にもっと警鐘を/96条と参院選

2013-07-04 16:38:33 | Tネット通信(ブログ版)

いよいよ参議院選が始まりました。7月14日(日)、教育木基本条例下の辻谷処分を撤回させるネットワークでは、総会に先立ち、東京から「壊憲NO!96条改悪反対連絡会議共同代表」の山口正紀さんをお迎えし、参議院選の最も大きな争点の一つである改憲問題について講演していただきます。いま、有権者である私たちが考えなければならないことは何か?山口さんから「週刊金曜日」に掲載された批判文が届きました。ご本人の了承を得て掲載させていただきます。

 

〈安倍壊憲〉にもっと警鐘を/96条と参院選

山口正紀

(人権と報道連絡会世話人・壊憲NO!96条改悪反対連絡会議共同代表)

「6、7割の国民が憲法を改正したいと思っても96条があるために発議できないのはおかしい、と安倍が決めつけた。向こう側が96条の意味を考える材料を提供し、そもそも憲法とは何か、を人々に考えさせる機会を作ってしまった。僕らにとって願ってもないことでした」

6月15日、都内で開かれた「アブナイ〝改憲騒動〟 あやうい改憲報道」シンポジウム。憲法学者の奥平康弘・東京大学名誉教授は、安倍晋三首相が打ち出した「96条先行改正」論を、皮肉を込めてこう評した。

シンポは、新聞労連など日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)と日本ジャーナリスト会議(JCJ)が、改憲の動き、その報道を検証しようと開いた。

連立政権発足後しばらく「安全運転」していた安倍首相は4月に入り、「自民、みんな、維新の三党が連携して参院選後に96条改正を」という「橋下維新」の尻馬に乗って「96条改正を参院選の争点に」と言い出した。

ところが、それは改憲派憲法学者も含む強い批判を招いた。メディアも問題点を報じ、憲法記念日には多くの新聞が「96条改正反対」の社説を掲げた。五月の各紙世論調査では「96条改正に反対」が多数になった。

「憲法とは権力がやってはならないことを定めたもので、簡単に多数決で変えてはならない。だから、3分の2という特別な多数を求めた。96条は単なる手続きでなく、憲法の全条文に関わる特別な規定です。安倍はそれだけを先に変えて多数決にし、憲法を他の法律と同じにしようとした。そうして人々が立憲主義を考える機会を作った」

奥平さんはこう指摘した。ただ、〈壊憲勢力〉が96条改正を唱え始めたのは最近のことではない。東日本大震災後のどさくさに紛れ、2011年6月に「96条改正議員連盟」が作られた。また、昨年3月に大阪維新の会が発表した「維新八策」も、4月に自民党が発表した改憲草案も、96条改正を掲げていた。

メディアはそれをどう伝えてきたか。パネリストの徃住嘉文・北海道新聞東京報道センター編集委員は「反省しています。道新で96条を取り上げたのは昨年12月。それも『日本の改憲条件は厳しすぎる』といった96条改正議員連盟の情報を垂れ流すような記事でした。9条とのつながりで96条を考え、ルールを途中で変えるのはおかしいとして、3月にやっと反撃しました」と率直に話した。

他の新聞・テレビも同じだ。憲法学者たちが批判の声を上げてからようやく報道を始めた。

パネリストの倉重篤郎・毎日新聞専門編集委員は「96条先行論はつぶれた。報道はそれなりの役割を果たしました。ただ、参院選での自民党勝利は揺るがない。圧勝した場合、民意が改憲を了承した形にされる。それをどうするかが問題」と述べた。

その危険にメディアが警鐘を鳴らすのは「今でしょ」と思う。総選挙では、自民党が改憲を公約に掲げたのに大半のメディアはそれを無視した。維新の失速もあってトーンを下げたが、自民党は「96条」も含め、改憲公約を取り下げたわけではない。

労働組合を中心に4月発足した「壊憲NO!96条改悪反対連絡会議」は6月18日、都内で集会を開き、650人が参加、「安倍壊憲を許さない」思いを共有した。奥平さんが「96条改正は、憲法の死刑宣告」と題して講演、民主党、共産党、社民党の参院議員のほか、与党公明党の荒木清寛参院議員も「96条改正に反対」と明言した。

こうした運動・集会の報道も含め、メディアは「安倍壊憲の危険」をもっと伝えてほしい。

 

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これからの大阪の教育―憲法・人権教育の観点から考える―レジュメ 高作正博さん

2013-01-29 22:53:19 | Tネット通信(ブログ版)

※高作正博さんの了承を得て、掲載します。

これからの大阪の教育――憲法・人権教育の観点から考える――

 作 正 博 (関西大学法学部)

序――「教育を受ける権利」の観点

(1)生徒の教育を受ける権利

 ①自由権的側面――国家介入の過剰(過度の国家介入)の排除

  *学習権の保障;子供が教育を受けて学習し、人間的に発達・成長していく権利

  *旭川学テ判決(最高裁昭和51年5月21日大法廷判決)

-「国民各自が、一個の人間として、また、一市民として、成長、発展し、自己の人格を完成、実現するために必要な学習をする固有の権利を有する」。

   -教育に「政治的影響が深く入り込む危険」を考慮

 ②社会権的側面――国家介入の過少(過度の国家不介入)の排除

  *権利内容;国家に対して合理的な教育制度の整備と適正な教育とを要求する権利

  *旭川学テ判決(前掲最高裁昭和51年5月21日大法廷判決)

   -「学習要求を充足するための教育を自己に施すこと」を要求する権利

  *義務教育無償の意義(最高裁昭和39年2月26日大法廷判決);「授業料不徴収」

(2)教師の教育の自由

 ①教師の教育の自由;教師の専門職性故に保障される自由

*「子どもの教育が教師と子どもとの間の直接の人格的接触を通じ、その個性に応じて行わなければならないという本質的な要請」(旭川学テ判決)

 ②職務権限の独立性・自律性の保障

  *憲法第23条「教授の自由」、教育基本法第16条「不当な支配」の禁止

-「不当な支配」;教育の自主性を阻害する危険のある党派的勢力・個人による教育への介入・干渉

  *独立性・「不当な支配」禁止と指揮命令関係(法律・学習指導要領)との緊張

   -「直接の人格的接触」が子どもにとって有害かどうか

   -教育委員会の統制権限の範囲と限界

  *独立性が侵害された事例;東京都立七生養護学校事件

-都議等の行為は侮辱に該当し違法、都教委の不作為・厳重注意は違法(東京地裁平成21年3月12日判決、東京高裁平成23年9月16日判決)

  *独立性の範囲逸脱の事例;伝習館事件(最高裁平成2年1月18日判決)

 

1 「教育」の現状――「教育改革」の流れ

(1)「規制」の緩和

 ①基本的な考え方;公費削減、学校の閉鎖性・密室性批判、市場原理の導入

  *社会権としての保護から「競争」による向上へ → どちらも生徒・親の利益

  *競争・民間活力の導入 → 教員免許更新制、教員評価の推進、民間人校長の導入

 ②「選択」と「参加」の自由

  *選択の対象;学校選択制・学校間競争、予算配分上の措置、統廃合

  *選択の基準;学力テストの実施・結果公表(都道府県別・市町村別・学校別)

  *参加の機会;PTAによる親・教師の対話、学校評議会(校長諮問機関)への参加

 ③競争原理導入の理屈と問題点

  *理屈;学校の活性化・効率的運営 ←→ 画一性、平等性、中立性

   -適正な規制と適正な競争のバランスが必要

  *問題点

   -子供の精神面に現れる問題(モラル・ハザード、学校・教育の序列化・較差化)

   -「生活格差」と「教育格差」との連動、「選択からの排除」の固定化

   -選択からの排除へ、教養からの排除へ、就業機会からの排除へ、格差の連鎖へ

(2)「規制」の強化

 ①基本的な考え方;政治の介入、首長への期待の増大、改革の「抵抗勢力」の排除

  *政治介入の排除から「民意」による改革へ → どちらも生徒・親の利益

  *「上からの改革」 → 例;府立エリート校の重点化(大阪)

 ②教育内容の変化

  *学習指導要領;詳細な教育内容の決定、学校・教師への詳細な指示

  *教科書採択をめぐる動向;沖縄・八重山の採択問題 → 政治介入による混乱

   -事実経過

八重山地区(石垣市・竹富町・与那国町)

県・文科省の対応

A 採択協議会会長の石垣市教育長

①協議会規約を改正

②協議会委員から学校関係者を排除

③育鵬社の採択を可能とする人員構成

④教科書調査員の報告から順位付け廃止(調査員の推薦以外の教科書も選定可能)

D 県教育委員会

・3市町の教育委員全員の協議と採択を有効とした。

F 文科省

・「E」の文書を正式の文書とした。

・石垣・与那国には育鵬社を無償供与。しかし、竹富町は育鵬社を採用しなければ、東京書籍を町費で買って供与するよう主張。

B 協議会

①5分の協議で、推薦されていない育鵬社公民を選定・答申。

②石垣市、与那国町は採択。しかし、竹富町は拒否・不採択。

C 3市町の教育委員全員の会議開催

・育鵬社の不採択、東京書籍の採択決定。

E 与那国・石垣の教育長

・勝手に公印を捺して公文書番号を記して「C」の協議は無効、という「直訴状」を文科省に送付。

   -「C」の採択決定の有効性を争う訴訟(那覇地裁平成24年12月26日判決)

 ③教師に対する対応の変化

  *教育目標・学校評価を通じた統制の強化

   -教育基本法「改正」(2006年)、教育目標の規定の組み込み(第2条)

   -学校評価の義務;自己評価の実施・公表の義務づけ、学校関係者評価の実施・公     表の努力義務

   -学校評価の実施;PDCAサイクルの導入、学校目標・教師の教育目標の点検

   -学校評価の行方;授業評価アンケート、人事考課制度・給与査定

  *組織改革を通じた規制の強化

   -職員会議の位置づけ・運営;校長の職務の円滑な執行のための場、校長「主宰」

   -新しい職種の設置;副校長・主幹教諭・指導教諭 → 組織のピラミッド化

  *規律・命令の強化と処分の徹底

 

2 「教育」の行方と課題――大阪における「教育改革」

(1)4条例の制定とその影響

 ①4条例の制定

  *「国歌起立斉唱強制条例」

  *「教育行政基本条例」(平成24年3月23日可決)

   -知事と教育委員会との協議による「教育振興基本計画」作成(第4条第1項)

   -基本計画の進捗を管理するため「点検」「評価」「報告」(第6条第1項)

   -「基本計画に定めた目標の達成のために必要な措置」(第7条第1項)

   -点検・評価に基づき「罷免事由に該当するかどうかを判断」(第7条第2項)

  *「府立学校条例」

   -府立高校の配置につき「3年連続して定員に満たない」「改善する見込み」なし     → 「再編整備」(第2条第2項)

   -「高等学校の通学区域」は「平成26年4月1日から府内全域」(第2条第3項)

   -校長は「学校経営計画」を策定、「学校協議会の意見を聴く」(第7条)

   -保護者等への説明責任・参加促進のため情報を積極的に提供(第9条)

   -「学校評価」(第10条)、評価結果の「学校経営計画」への反映(第11条)

   -校長の採用は「原則として公募」、職員以外の者は「任期」付き(第16条)

   -教員評価(校長による。「授業に関する評価」は「生徒又は保護者による評価を     踏まえる」。第19条)

  *「職員基本条例」

   -「人事評価の結果は、任用又は給与に適正に反映」(第14条第2項)

   -人事評価は「相対評価」(第15条)

   -職務命令違反の場合の処分

    1)「標準的な懲戒処分は、戒告」(第27条第1項)

    2)1)の場合、「指導、研修その他必要な措置」(第29条第1項)

    3)1)で「再度職務命令」違反の場合、「免職」もありを文書で警告(同条第2項)

    4)2)3)の後も「職務命令」違反を繰り返し、「その累計が5回(職務命令に違反      する行為の内容が同じ場合にあっては、3回)となる職員に対する標準的な‥      ‥処分は、免職」(第27条第2項)

 ②全国的な動向との一致

  *競争原理、「選択」と「参加」により消費される教育

  *政治による教育内容の決定、「評価」と「処分」による統制

 ③憲法・法律からの逸脱

  *「教育基本条例案」についての文科省の見解

「『知事による教育目標の設定』については、‥‥地方公共団体における『教育目標』の設定は、その内容が、同法第24条の規定により又は同法第24条の2の規定に基づく条例により地方公共団体の長の職務権限に属するとされた事項に係わるものである場合を除き、教育委員会の職務権限に属するものであり、地方公共団体の長にその職務権限はないと考えられる。」

  *処分の基準の画一性・不当性

「過去2年度の3回の卒業式等における不起立行為による懲戒処分を受けていることのみを理由に同上告人に対する懲戒処分として停職処分を選択した都教委の判断は、停職期間の長短にかかわらず、処分の選択が重きに失するものとして社会観念上著しく妥当を欠き、上記停職処分は懲戒権者としての裁量権の範囲を超えるものとして違法の評価を免れないと解するのが相当である」(最高裁平成24年1月16日判決)

(2)「大阪府教育振興基本計画」(素案)の内容

 

結び――「改革」の方向を正す

(1)「ある国」の話

 ①「授業についていけない子を出さない」国

  *能力別クラスの廃止、少人数教育(小学校25人、中学校18人)

  *教育費(教材費・給食費含む)の無償;就学前教育から大学院まで

  *「国家カリキュラム」の役割;最低限の指針

 ②破綻寸前の「競争主義」教育の国

  *競争原理導入、国家管理・学校監視 → 「テストのための教育」「生徒は顧客」

  *「国家カリキュラム」による教師の拘束

  *階層の固定化

(2)改革の行方、日本の未来

 ①「市民」像?;「勝ち組」は海外移住、市民は貧困の苦しみを「日の丸」で埋める

 ②「改革」像?

  *教師・親・生徒の関係性の再構築――「消費」の対象ではない教育

  *教師集団の専門性・自律性の回復――教育と政治の適切な関係

 

【参考文献】

・「特集・教育をめぐる危機と展望」『法と民主主義』465号(2012年1月)2頁以下

・ミルトン・フリードマン、村井章子訳『資本主義と自由』(日経BP社、2008)

・ピエール・ブルデュー、ジャン=クロード・パスロン、石井洋二郎監訳『遺産相続者たち――学生と文化』(藤原書店、1997)

・沖縄タイムス社『学力ってなに――「最下位」の衝撃を超えて』(2008)

・志水宏吉『検証・大阪の教育改革』(岩波ブックレット、2012)

・広田照幸編『自由への問い5・教育』(岩波書店、2009)

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これからの大阪の教育―憲法・人権教育の観点から考える―① 高作正博さん

2013-01-29 20:55:32 | Tネット通信(ブログ版)

※本日、職場の人権教育研修で、高作正博さんから「これからの大阪の教育―憲法・人権教育の観点から考える―」というテーマでご講演いただきました。

目前の仕事に追われる毎日ですが、私たちの仕事が日本の教育、大阪の教育のどのような流れのなかに位置しているかを明確にとらえることができたように思います。

シリーズでその内容をお伝えします。

これからの大阪の教育―憲法・人権教育の観点から考える―①

まず、最初に、「教育を受ける権利」の観点についてお話しいただきました

戦後の憲法学、教育学は生徒の教育を受ける権利をどのように捉えているか、その到達点として次の2点を示されました。

自由権的側面―教育に対する過度の国家介入の排除。教育に対して政治的な介入を許さない権利。

社会権的側面―国家に対して合理的な教育制度の整備と適正な教育とを要求する権利。

つまり、国家の教育への過度な介入を排除することと、逆に学習権を保障するために国家の介入が必要ということは、どちらも教育の権利として主張することができるということになります。

次に「教師の教育の自由」についてですが、これはあたりまえのことですが、と前置きされたうえで次のように話されました。

教師の専門職性ゆえに保障される自由、憲法の保障されているところの学問の自由とは教授の自由も含まれると。

また、職務権限の独立性・自律性の保障として、教育基本法において、「不当な支配」は禁止されている。

教育の自主性を阻害する危険のある党派的勢力・個人による教育への介入・干渉は許されない。

教員は公務員組織として上意下達の指揮命令関係にはあるが、教師としての「直接の人格的接触」が子どもにとって有害かどうかが判断基準となるとのことです。

 

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市民的不服従の権利~学習会補足~

2013-01-15 21:44:08 | Tネット通信(ブログ版)
※昨夜のTネット学習会「市民的不服従の権利--君が代不起立の法的理論--」の多くの方々にご参加いただきありがとうございました。
 
高作正博さんから、 そもそも、「人権」とは何か。そして、権利としてある「市民的不服従」について、
ドゥウオーキンの議論を中心に具体に起こっている様々な事案も交えてお話しいただきました。
 
法は裁判によって変わっていく。
裁判が起こらなければ法は(変わることなく)深刻な状況に陥ってしまう。
おかしいと思えば異議申立をする、良心に従えない命令は拒否する、そして裁判を起こす。
それは、いわば、日本の法に貢献していることになる。
 
(なるほど、まさに、市民的不服従が社会を変える、いや新しい世界を創っていくことにつながると励まされる思いでした。)
 
良心を尊重し合える社会のために
不起立、それをエゴイズムととらえるのではなく、人権の論理として考える。
それぞれ違う互いの良心を尊重する日本社会に
違う良心をもっている社会が寛容である。
 
(なるほど、良心は一つではない。それぞれ異なっているからこそ尊重しあうことが大事。学校で共有したいと思います。)
 
さて、本日フェイスブックで、学習会についての応答がありましたので、ご紹介します。
 
☆FB高作正博さん投稿☆
昨日の学習会にご参加下さいました皆さん、また、主催者の皆さん、本当にありがとうございました。
私自身もいろいろと考えることの多い機会を与えていただきました。
改めて、問題の深刻さと広がりを考えることができました。

そこで、1つ補足です。

「ルールだから従うのが当然だ」「これは人権の問題ではない」
不起立・不斉唱を処分する側のもちだす言い分です。

それでは、次のようなルールを作り、違反したら処分する、というのはどうでしょうか?
...
【ルール】
給食を食べる時は、全ての皿から少しずつ、しかも時計回りに食べなければならない。
【教師の義務】
生徒にそれを指導する義務。
生徒が食べているところの「口元チェック」をする義務
いずれかの義務に違反したら処分

もし、権力者が、この仮定上のルールはバカバカしいもので、しかし、日の丸・君が代は必要なルールだ、と考えるとすれば、日の丸・君が代のルールが重要だと考えていることとなる。
この場合、それを強制する側こそが、特定の価値に依拠していることとなるはずだ。

そこで、次の点が指摘されうる。
日の丸・君が代は思想・良心・価値に関わるため、異なる思想等を押しつけるのは違憲だ、という結論。
そもそも、一律に強制すること自体が違憲、という結論となる。
決して、処分が重すぎることが問題なのではない、ということだ。
 
☆FB:Yさんコメント☆
昨日は有難うございました。
わかりやすい補足も有難うございます。
ルールだから従うんだ、ルールの中身は関係ないんだ、という「価値中立」はまやかしだ、ということですよね。
 
☆FB高作正博さんコメント☆
Yさん、昨日はありがとうございました。
また、コメントをいただき、ありがとうございます。
ご指摘の通り! です。
私の申し上げたかったポイントを汲み取っていただき、感謝申し上げます。
 
☆FB:Tさんコメント☆
昨日のお話をお聞きして感じました。「日の丸・君が代強制」が「歴史」にこだわるまでもなくいけないことだと。
「市民的不服従の権利」というものが!これは現代の若者に対してとても有効な訴え方だと感じました。
 
☆FB:高作正博さんコメント☆
Tさん、コメントありがとうございます。
また、昨日の会へのご出席、誠にありがとうございます!
ご指摘の通り、「日の丸」「君が代」の問題は、必ずしも歴史固有の問題ではないと思います。
何を動機として「不服従」すべきなのかは、本人の内心にのみ由来することです。
アメリカの判例のように、「国旗」敬礼義務に対し、宗教を理由に拒否することも認められます。
また、表現の自由を理由に「国旗」を焼却することも犯罪とはならないとされました。
内心の問題故に、他者から理解されないとダメ、という発想ではないという点が重要かと思います。
 
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