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「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

5.17:入れ墨調査拒否処分撤回~大阪市交通局安田さんから

2014-05-20 11:27:35 | 2014.5.17集会

私たちの運動は、学校における「君が代」強制反対がメインというか、いわば入口です。この入口から入り、さまざまな抵抗運動、つまり声をあげる人々とつながっていきます。入口は、それぞれの仕事や生活や運動から違うかもしれませんが、つながりあっていくことによって、次第に、私たちの暮らしや仕事を脅かすものの正体が同じであることが見えてきます。

5.17集会では、これまでも連帯しともに声をあげて来た「入れ墨調査拒否処分撤回裁判」原告の安田さんからメッセージをいただきました。橋下市長による公務労働者迫害のようすがとてもよくわかります。それと共に労働者の誇りと気迫をもってそれに対峙していく様子も伝わってきます。ぜひ、ご覧ください。

 

公務と言う職務の中で市民に訴え続ける

 私は、大阪市交通局自動車部で働いております。安田です。

 自動車運転手として平成3年に当局に採用され、平成24年10月迄、市内路線バスを運転する業務についておりました。現在は交通局自動車部運輸課に、自動車運転手でありながら、事務的仕事をする部門に配属されております。

 こちらに配属になった原因と言うのは、大阪市の職員に対する入れ墨調査で、回答拒否を行い、戒告処分をされ、処分を不当として提訴したところからでした。

 本来、ここには、昇進試験を受け希望して来るのが普通ですが、提訴を取り下げない限り、バスの運転はさせないと言う粋なお計らいで。こちらに居てる訳です。

 本日講演いただいた小谷先生には最初からお世話になっております。私の訴訟は、7月2日に証人審問が行われる事になり、私を行きたくも無い事務所に押し込んだ交通局局長が被告として証言を致します。興味の有る方は是非共、傍聴にご参加下さい。

 北陸の小さな私鉄で、お金をケチったばかりに無様な事故を連発し、廃線にした経営陣の元副社長です。是非その目でご確認ください。

 

 私が未だ運転手として、現場に居た最後の一年間は、橋下市長による公務員バッシングの最中で有りました。

 市長選挙で不正があったとして嘘の名簿を市会で発表し、労働組合活動の制限や管理運営の専決事項の設定。職員倫理条例の制定。職場の環境を圧迫し、挙げ句の果てには受け入れがたい大幅な賃金カット。 

 マスコミを巻き込み事実でない事迄有ったかの様に喚き散らし、ビビった組合の委員長がペコペコとバッタさながらのパフォーマンスで日本中に恥を曝し、と悲しむネタには困らぬ状態で有りました。 

 その中でも、最初に有った政治活動アンケート調査が、考えられないほど酷い職務命令でありました。このとき私は、最初の回答拒否を致しました。

 もし職場の仲間に回答拒否を呼びかけてたら、煽動した者として処分される可能性がありましたので黙っていましたが、回答拒否者は交通局では一人だけとなり、組合からも回答要請される始末で情けない限りでした。が、弁護士野村修也が負けを認めて廃棄処分になりました。

 大阪市交通局労働組合は負けてたけど、私は勝ったのです。

 この時の年度末には750人居てたバスの運転手が、あっという間に550人に迄減りました。その後、辞めた彼等は民間の路線バスには殆ど雇われていません。バスの運転手として雇ったのは、委託先である元大阪交通運輸振興株式会社であり、非正規労働者になって、もう一度市バスの路線に、より酷い労働条件で戻る事だったのです。

 交通局長は現場に来た時のミーティングで、これは本当のリストラではないと言いましたが、彼はもっと過酷なリストラをするぞと言う、脅しの意味で言っていたのでしょう。金に釣られて雇われた人間は、命の重さを知りません。早期退職どころか生きるのを辞めた死亡退職者も四人以上含まれてる事実は隠せません。これは人命のリストラ以外の何者でもありませんでした。

 自殺者が増えるシーズンは、以前関市長が民営化を進めようとして、コンサルタントと称する禿鷹みたいな奴らを、大阪市に招いた時にもありました。彼等こそが、労働者や生活弱者に対する権利の剥奪をもくろむ新自由主義の狗です。同じメンバーを橋下は大阪市に招き入れました。前回、大阪市の財務をとことん知り尽くした禿鷹は、今度はもっと念入りに労働者だけではなく、公営企業体とその組織に対し略奪を進めているのです。

 

 政治活動アンケートはなんとかやりすごしましたが、橋下はマスコミの誤報を元に、新たなアンケート調査を実施致しました。入れ墨調査です。

 私達現場の人間は、毎日の様にお客様に見られて働いているのですから、入れ墨をお客様に見せびらかす等とは全く縁のない話であります。例え、入れ墨が入っていたとしても、それを見せたがる様な人は、過去にも現在にも一人も居なかったのです。普段からの私どもの仕事を、あまりにも馬鹿にした揚げ足取りだけの調査命令にも、私は不服従を貫きました。

 こうして、当局の言いなりにはならないスタンスは、周囲の同僚達の共感を呼び、ふがいない労働組合に変わって、自分達の力で目の前の問題を解決する気持ちを作って行けたと思っております。

 先ずその結果として、私達の承認も得ず、しかも何の抵抗もせずに20%の賃金カットを受け入れた大阪市交通局労働組合自動車部部長を、民主的な選挙で、圧倒的な大差をつけて引き摺り下ろしました。大交本部はこの事実を認めたがらず、部長に次ぐ執行委員の選出にも我々の気持ちとは全く乖離した人間を押し出しました。この者は政治活動アンケートの原因となる様な不甲斐ない典型的な大交組合幹部でありましたが、またまた圧倒的な大差550人中の450人の投票により、葬り去られたのです。以降早期退職に応ずる者は殆ど居なくなり、未だ持って500人以上が厳しい情勢の中でも健在です。私達は公営交通事業と命運をともにする団結した労働者であります。

 

 橋下市長や維新の会が進めようとする公営交通民営化が、我々の雇用を奪う事は当然。私達は一度は分限解雇されると言う事です。労働者の整理解雇には4つの要件が必要と言うハードルは、公務員にはありません。事業が無くなれば職を失うそれだけです。失業保険もありません。

 世間一般では非常に保護されている様に見える公務員と言う労働者は、意外と守られていないのです。我々を守るのは誰か、それは労働組合だけではないでしょうか?

 それでは私達の大阪市交通局労働組合はどのように雇用を守るのか、この組織の答えは民営化して雇用を守ると言っております。今の雇用は守れませんと言っています。

 地下鉄の職員は世間知らずの方が多くて、民間ではどんな働き方してるとか比べてみる感覚が殆どないみたいですが、私達バス労働者は民間で元から働いていたので、世間の空気は未だ読めます。藤本局長が市会での質問に答え、解雇された我々の行き先を、「せいぜいタクシーの運転手で充分」と言ったり、退職後の求職活動先でも雇われ無い様にわれわれの謂れ無き悪評を流し、職にあぶれたら、安く買いたたいて委託先で雇用すると言うやり方でも良く分かります。バスの運転手が正規の社員になる事が我慢ならないと言う事なのです。

 NHKの報道でもありましたが、今、バス運転手の人材の枯渇が大変問題になっております。あまりにも長い拘束時間とそれに見合わぬ賃金。休養も取れずに人命を預かるリスクの高さ。そして何か有った時には本人だけの責任とする使い捨て、健康を崩したり仕事に対する希望もなくなったりで、定着率の悪さは群を抜いております。人的資源である我々を浪費し、安全に対するコストを削った結果が此処にあります。公務員労働者である私達でさえ、勤務と勤務の間隔は8時間、これは晩の10時に終わっても翌朝6時には仕事をしていると言う事です。勿論公休出勤は当たりまえの事なんです。

 それでも、20年以上に渉って交通労働者としてやって来れたのは、まだ、我々の法で守られた労働者の権利を行使出来ていたからです。私は大交の執行委員に民間の労働条件に対しどうしてもっと働きかけないのか?自分たちだけの権利ではないぞと言い続けて来ましたが、彼はあんたの様な理念で組合が出来るかと聞く耳さえ持たなかった。

 理念なき組合が危機に瀕した時に、今ある危機に何の対処もしないのは世の常です。幸い大交自動車部だけは、分裂する事も無く互いに助け合ってやって行こうとしております。民営化等は私どもが決めるのではなくて、市会が決めるもの。やれるものならやってみろと言う事です。最近は少し風向きも変わりました。

 

 民営化は市会でも通らず、政策としての市民に対する公営交通のサービスダウンはとどまる事がありません。私が働く場所でもありとあらゆる市民の不満が集中しております。今あるサービスダウンは公営でしているからだと。政策上の責任を橋下は公営交通に押し付けております。

 バス事業を社会インフラとしてコストを掛けるべきではないと言い。民営化したところで、補助が無ければ成り立たぬのに、そのお金をどこから捻出するのか? 単年度黒字を出したと言ってはいますが、これは資産を売り払ったり、掛けるべきコストを掛けなかったり、我々の人件費を極端にカットしているからだけで、事業上の収支と言える部分は無いのです。たこが自分の脚を食って生き延びてる様なものです。勿論相応の補助金はありません。企業としての緩慢な自死状態への誘導です。ここ迄企業としての体力を失えば回復出来ないところ迄来つつあると思います。わざと傷め続けているのです。市民の財産をです。新自由主義者達は破壊だけしかできないのです。

 我々労働者を管理する立場にありながら、公務員として市民に奉仕する気もなく、この様な政策を粛々と進める人達について、このような人々が何の疑問も持たずに、このまま進める度に。働く者の生活も命も蔑ろされ、挙げ句の果てにはサービスダウンどころか市民の財産もお客様の命迄奪いかねないと言うこの悪循環。加担したのは、彼等であるのです。旧国鉄の今を見ても分かります。労働者は切り捨て、経営側の自分たちは保身に走り、硬直した組織だけが残ったのが今です。

 私達はあくまで公務と言う職務の中で市民に訴え続けるべきだと思います。

 その職務能力を世に還元する為には、今の場所で先ずは闘うべきです。そして、バスの運転と言う仕事に携わる全ての労働者に参加出来る組織を今作るべきだと思います。企業や政府に踊らされるのではなく、自分たちの職能を自分たちで守り育てなければなりません。安全もそうして毎日毎日積み上げて行くものです。

 教職員の皆様は、子供達一人一人の未来を育んで行く、未来永劫に続く私達の営みを、まさに体現されている方々だと思います。

日の丸に頭を下げずとも、君が代を嫌々歌わずとも、立派に生きて行けますよ。

本当に大事なものは自分で見つけて行くんですよ。と、言われている様に私には聞こえて来ます。

 教職員の皆様は人の命を育む仕事。私達バス労働者が、仕事の中で一番求めている安全は、人の命を守るもの。決して、誰かの為に屈服したり、ひれ伏したりして、成し遂げられるものではございません。そこに立ち、とどまる者にのみ成し遂げられるものです。ともに闘いましょう。

 7月2日は私の裁判の日ですが、夕方6時半からこの場所で、この二年以上を橋下と闘って来た労働者達の、話し合い集まる場所にしたいと思います。是非ともご参加よろしくお願い致します。有り難うございました。

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