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「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

「君が代」不起立戒告処分取消共同訴訟 弁護団声明

2019-12-23 20:45:00 | 「君が代」裁判
「君が代」不起立戒告処分取消共同訴訟 弁護団声明
2019.12.23

このたび,最高裁判所は,君が代斉唱時に起立しなかった教員らに対する戒告処 分の取消し等を求める訴えについて,私たちの上告を棄却する判断をしました。

今回の裁判で,私たちは,大阪府における卒入学式での君が代斉唱のあり方が極 めて異常であることを訴え続けてきました。2011年6月13日,大阪府国旗国 歌条例が成立しました。その直後の2011年8月19日,大阪維新の会が発表し た大阪府教育基本条例案では,教員が同じ内容の職務命令違反を3回繰り返したと きは免職とするという規定が盛り込まれました。この条例案は,まさに,君が代斉 唱時に起立斉唱しない・できない教員を狙い撃ちにして学校から排除することを目 的とするものでした。その後,大阪府教育基本条例案の露骨さをごまかすために「3 回の職務命令違反で免職」のルールが教員から大阪府職員全体に広げられ,大阪府 職員基本条例が成立しました。その結果,教育は上司の立場に従う一般公務員の仕 事と同じく扱われることになってしまいました。

最高裁判所は,かねてより,卒入学式において教員に対して君が代斉唱時に起立 斉唱を命じることは,教員の思想良心に対する間接的な制約にすぎないとして,起 立斉唱の職務命令は憲法違反ではないと判断してきました。しかし,大阪府では最 初から君が代斉唱時に起立斉唱しない・できない・すべきでないと考える教員を狙 い撃ちにして学校から排除するための制度を整え,起立斉唱の職務命令を出してい ました。したがって,大阪の事例は教員の思想良心に対する「直接的な制約」にあ たることがより一層明白なケースでした。

その意味で,最高裁判所は,今回のケースを新たな目線で判断すべきでしたが, そのような判断はされませんでした。そのほかにも,この裁判で新たに主張した「教 員としての思想良心の自由」の論点を含む憲法上の争点に対して,最高裁判所は何 らの回答もしませんでした。これは,最高裁判所が,君が代の起立斉唱を教員に強 制することが子どもの教育にどのような影響を与えるかについて検討しなかったこ とを意味します。

私たちは,人権の最後の砦であるはずの最高裁判所が,人権侵害を訴える主張に 目を向けず,特に根拠なく持ち出された社会の多数派の視点に立って「君が代の起 立斉唱は慣例上の儀礼的な所作である」などとして教員の思想良心に対する広い制 約を許す姿勢を示していることに深く憂慮します。今後も,裁判所に対して「人権 の砦」としての存在意義を問い続けたいと思います。
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私たち原告一同は最高裁棄却決定に抗議します‼️

2019-12-23 14:08:00 | 2014.5.17集会

私たちは、今回の最高裁棄却決定に抗議します!原告7名の思いをどうぞお読みください!
 
私たちは「君が代」条例下の大阪の教育で起こっているさまざま問題に今後も対処していきます。そして、なぜこれほどまでに、政治も行政も、そして司法さえもが「君が代」強制を是とするのか、その背景にあるものの正体を露わにし、それが子どもたちにどのような影響を与えるのか、みなさんとと共にこれからも大阪の教育について考えていきたいと思います。
 

2019.12.23
「君が代」不起立戒告処分取消訴訟原告一同

12月17日、最高裁判所第三小法廷は私たちの上告を不当にも棄却しました。
大阪地方裁判所への提訴から高等裁判所への控訴、そして最高裁判所への上告を通して、私たちが一貫して司法に求めたことは、全国で唯一大阪だけにある、いわゆる「君が代」強制条例の違憲性の判断でした。さらには、3度の「君が代」不起立により免職を規定する、職員基本条例の不当性でした。しかし、司法の場では、それらが憲法に違反するかどうかについて一切真摯な議論はなされませんでした。私たちは、今、怒りと不信感を禁じ得ません。
戦中、侵略戦争のシンボルとして使われた「日の丸」と「君が代」は、戦後しばらくすると、再び学校に入ってきました。私たちの先輩である教員たちは、「愛国心」を煽る教育の推進者として軍国主義に加担したことを深く反省し、二度と過ちは繰り返すまいと「教え子を再び戦場に送るな」を合言葉としました。「日の丸」「君が代」強制反対の原点はここにあります。そのような声があったからこそ、1999年国旗国歌法制定の折にも、政府は、この法律が国民に「日の丸」「君が代」への尊重義務や起立を押しつけるものではないと言わざるを得なかったわけです。事実、尊重を義務化する条項はありませんでした。ところが、学校に対する「日の丸」「君が代」の強制は年々強まっていきました。卒業式や入学式で「君が代」が導入されるようになると、職員会議で反対の意見表明をし、それでも強行実施された時には一時退出や「不起立」という形で、多くの教員が抵抗してきました。
しかし、2011年「君が代」強制条例が施行されると、その翌年から大阪の公立学校全教職員に「君が代」斉唱時には、起立し斉唱せよとの「職務命令」が出されるようになり、「懲戒処分」や「3回で免職」という力づくの強制に対して、教職員は悩み苦しみながらも、それぞれ、立つ・立たないという選択をせざるを得なくなりました。
私たち7名は、これまでの生徒や保護者や、あるいは同僚との関係において教員生活を振り返った時、これまで通り、学校における「君が代」斉唱行為には「不起立」という形で抵抗する道を選びました。そのことに、今も一片の後悔もありません。
私たちが提訴に踏み切ったのは、数の力により議会で成立された条例を根拠に、教職員全員にウタを歌えと命令し、その教職員の姿を子どもたちに見せることで「愛国心の意識の高揚に資する」と明記した「君が代」条例の危険性を多くの方々に知っていただき、教育の場における「君が代」強制には最後まで抗いたいと考えたからです。戒告処分取り消しを訴えることで、その大元にある「君が代」強制条例が憲法で保障するところの「思想良心の自由」「信教の自由」「教育の自由」「表現の自由」等を侵害するものであることを知ってほしいと考えたからです。
ある憲法学者は現在の司法の状況をこう述べています。「憲法判断を行わないのが司法のプロという裁判官の意識が問題だ」と。それならその司法のあり方を変えていくのは、私たちひとりひとりの行動や世論しかありません。これまで応援してくださったみなさまへお礼を申しあげるとともに、私たちは今後も憲法に則り、「日の丸」「君が代」を利用した「愛国心」押しつけの教育には反対していきたいと思います。
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