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「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

2022年、私の2.11 増田俊道

2022-02-12 19:23:54 | 当該から

ZAZAの増田俊道さんの寄稿です!

 

2022年、私の2.11

 

増田俊道

 今年の大阪ネット主催の2.11集会は、コロナ感染拡大のため、残念ながら中止になったが、2月10~12日、私は山形県にいました。米沢からローカル線で西に向かい、新潟との県境の豪雪地帯、小国町にある基督教独立学園高等学校で講演を依頼されたのです。きっかけは、昨年5月3日に出版された、田中伸尚著『憲法を生きる人びと』を読まれた学園の社会科の先生が、「君が代」不起立者として紹介されていた私に話を聞きたいということでした。

 この学園は、内村鑑三に学んだ、鈴木弼美氏が戦前に創立したもので、「読むべきものは聖書である 学ぶべきものは天然である 為すべき事は労働である」という目標のもと、全寮制で牛や米を育てながら生活に根差した学びを深めています。毎年2月11日は、「思想・良心・信教の自由を守る日」として生徒向けの講演会、教職員向けの研修会を実施しています。担当の社会科の先生は、最近の生徒たちはオリンピックなどの影響もあってか、「日の丸」や「君が代」の問題性について無自覚であることが気になっていて、憲法学習の一環としても天皇・天皇制の問題を深めたいという意向があったそうです。

 生徒向けには、まず、「不起立COLOR」の歌とともに、「君が代」不起立に至った経過とその後の運動の広がりを伝えました。次に、「イマジン」の替え歌とともに、雁屋哲著『日本人と天皇』も参考にしながら、「日の丸」「君が代」「元号」など』天皇にまつろうものがいかに日常にあふれているか、どうすればまつろわない生き方ができるのだろうかという話。さらに、「青空」の替え歌とともに、楾大樹著『檻の中のライオン』も参考にしながら、憲法の位置づけと国家権力による人権抑圧の例、そして昨年夏の「表現の不自由展かんさい」をめぐる攻防についても話しました。最後に。ドイツのニーメラーの詩を紹介しながら、国家権力の弾圧は最終段階の「労働組合への攻撃」に至っていることを関生弾圧の例などを取り上げながら「No Union,No Rights」を歌って終えました。

 教職員向けには、東京の10.23通達、大阪の国旗国歌条例・職員基本条例による強制と処分、私の人事委員会陳述書を紹介しながら、教育公務員として何を訴えたかったのか、来年度から高校でも実施される「新カリ」をめぐる管理強化の問題、各地のオルタナティブスクールやスウェーデンの民主教育にみる展望などを話しました。

 夕方にも、参加自由の座談会を開いていただいて、生徒・教職員が20名ほど集まっていただいて、それぞれの思いを語っていただきました。小中学生の時に「君が代」を歌うことを強制され、何か変だなと思いながら何もできなかった悔しさや、こどもが公立学校に通っている教職員が、保護者として何ができるかもやもやしていることなど、やり取りができて充実した時間を過ごすことができました。

 全国には、私たちと思いを同じくする人びとが、まだまだたくさんいることを実感できたことは、私にとっては大きな励みになりました。こういう場に導いてもらった、大阪ネット、グループZAZA、田中伸尚さん、をはじめ様々な方に感謝します。

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