教育条例下の辻谷処分を撤回させるネットワーク(Tネット)共催で、あの、あの、あの『ショック・ドクトリン』を上映します。そのうえ、あの、あの、あの西谷文和さんのお話つきです。ぜひ、みなさん、いらしてください。
◆10月19日(土)18:30~21:00
◆大阪市立総合生涯学習センター第1研修室(大阪駅前第2ビル5階)
◆お話:西谷文和さん
◆参加協力費1000円
9月11日、橋下は、労働時間の上限や解雇の規制を取り払う「チャレンジ特区」案を、大阪市と大阪府が共同で提案すると発表しました。安倍内閣が提唱する「国家戦略特区」(地域限定の規制緩和)に呼応し、労働法適応外として労働時間の規制緩和、解雇要件までも緩和するとしています。橋下流能力主義・競争主義教育改革からすれば当然の帰結とも言えます。
この話に、私は8月16日元町映画館で観た『ショック・ドクトリン』を思い出しました。そして、映像の続編がそのまま大阪で繰り広げられるような錯覚にとらわれました。ナオミ・クラインの原作はひじょうに評判になりましたが、映像もまた強烈な印象を与える作品です。80分の時間のなかに、さながら20世紀後半から現在の日本につながる現代史を見る思いがしました。
チリ・クーデターに始まり、イラク戦争に至るまでの、ほぼ半世紀にわたる世界の主な出来事が、ミルトン・フリードマン率いるシカゴボーイズ(新自由主義者)たちの手によって、いかに企図され、操作され、現実化していったか、その有様はまさに生きた現代史と言えましょう。
新自由主義とよばれる経済思想、経済政策は、市場に委ねることを第一義的に考え、そのためには国家が経済を縛る様々な規制の緩和・撤廃を目論んで来ました。その結果、何が起こったか?これほどまでに格差が広がり貧困が蔓延するとは、いったい、だれが想像できたでしょうか。しかし、世界は今そういう社会のありように大きく反発しつつあります。
ところが、世界ではすでに破綻しつつある新自由主義思想が、1周遅れで、この日本に舞い降り立ち、特に大阪では、橋下維新体制のもと侵攻しつつあります。映像に日本は出て来ませんが、プラザ合意後の実体経済から離れたバブル経済のなかで国労解体、日教組の実質的な解体も仕組まれたものと言えましょう。阪神大震災後の復興の問題、金融ビックバン以後の人々の不安、それに乗じた規制緩和を旗印にした新自由主義政策と一見それと矛盾するように見えながら、実は車の両輪のように、新自由主義を補完する新国家主義も、「君が代」強制に見られるように一貫して進められて来たと言えます。
そして、東日本大震災後誕生した安倍政権こそが、その最たるものと言えます。惨事便乗型資本主義とナオミ・クラインが呼ぶ、ショックドクトリンの処方箋通りに、震災・原発事故を巧みに利用し、経済ショックを企み、一方で仮想敵国への恐怖を操り新国家主義的軍事強大国家をも打ち立てようとしているのですから。
どうか、多くの方々に、この映画を観ていただければと思います。そして、現在日本の危険性を世界史のなかに位置付けて、私たちの闘いの「処方箋」を考えていくことができればと思います。
教育基本条例下の辻谷処分を撤回させるネットワーク(Tネット)
当該 辻 谷 博 子