通勤電車(が 編)

残業して少し遅い電車で帰る。
この電車、乗り込む駅で十数分停車しているのだ。

発車10分前位に乗り、本を読んでいると、手に何かが止まった。


蛾・・・!!


慌てて払う。
今日はもう夏の陽気ではない。秋だ秋。
蛾の出る幕ではない。

つーか、基本夏の虫は嫌いだ。特に光に惹かれてくる小さいのは。
蛾はいらない子、この世界から消えても誰も悲しまない。

で、その蛾、車両の外の何処か遠い空へ行ってしまえばいいのに、何故か隣の席の真ん中に着地。
そのうち何処かへ行くだろうと、そのままにした。
わざわざ触る必要はない。


発車数分前、車内はそれなりに混んできた。
が、蛾のいる席、私の隣には誰も座らない。
そりゃあそうだ。私だって座りたくない。

しかし蛾に席を占領させておくのも、もったいない話だ。
仕方がないので、追い飛ばそうかとも思ったのだが、そのまま誰かにくっつくのも、それはそれで迷惑。
やむなく放置。

発車のベルが鳴り、扉が閉まる寸前、年の頃は20~22、女子大生っぽいスタイルの良い美人さんが走り込んできた。

で、真っ直ぐ私の隣へ


(あっ! ちょっ! まっ!!)




ぷち




座っちゃった・・・
蛾はフィットしたジーンズに包まれた形の良いお尻の下に

何も言えず、そして何も言わない私。

数駅でその方は降車。
隣の席を見ると、鱗粉で描かれた蛾の形が。

蛾は潰されてなお、お尻にくっ付いて行った(逝った)ようだ。

この惨事は、やはり私の所為なのだろうか?? 
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