不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

L'Arte in Cantiere in Santa Croce

2006-06-11 18:29:46 | アート・文化

約25メートルの高さの九階建ての足場。
サンタ・クローチェ教会の主祭壇の修復のために
昨年7月末に組まれたもの。

実は先週の日曜日に
自分の誕生日のプレゼントにここへ行ってきたのでした。
完全予約制で
安全のために一回に10人までしか入場させてくれません。
足場に上るときには黄色いヘルメットを被らされます。

Gaddi_01
まずここで予約した旨を伝えて入場料を支払い
そしてオーディオガイドとバッチなどをいただきます。

Gaddi_02

内部は一切の撮影禁止といわれたので
遠慮して黄色いヘルメットも撮影しませんでした。(残念)

  L'Arte in Cantiere
    Chiesa di Santa Croce(フィレンツェ)
  完全予約制
  予約受付時間:月曜日から金曜日の9:00から13:00
  予約受付電話番号:055-2645184
  見学可能日時:
  土曜日 10:00、11:00、12:00、14:00、15:00、16:00
  日曜日 14:00、15:00、16:00 
  入場料:10,00ユーロ


主祭壇に描かれているのは
Agnolo Gaddi(アーニョロ・ガッディ)が
1380年から1390年までの10年間を費やして描いた
「Leggenda della vera croce(聖十字架伝説)」。
主祭壇の左右両面を満遍なく飾るこの大作は
1000平方メートルに及ぶもので
上方の絵画の様子は裸眼では
下からは到底鑑賞することもできないのです。

なので足場から見られる今は絶好のチャンス!

絵画の下方部は長年の汚れや
以前の修復時に使われた定着剤などによる損傷が激しく
色落ちや剥落もかなり目立ちます。
上方になると壁自体にクレパスができていたり
浸水による損傷も激しく、
最上部では硫酸化現象による損傷が深刻な状況。
金沢大学からの資金援助113万ユーロで
2005年から5年間にわたる修復となる予定。

このフレスコ画大作の主題は「聖十字架伝説」。
イエス・キリストの磔刑に使われた
十字架の木が主役のお話。
旧約聖書のエデンの園でのアダムの死から始まって、
7世紀の東ローマ皇帝ヘラクリウスの時代まで続く
壮大な歴史的長編。(大河ドラマになりそうな)
伝説は13世紀にジェノヴァの大司教だった
ヤコポ・ダ・ヴァラジネが編集した
『黄金伝説』(Legenda Aurea)に収められたもので
フランチェスコ会の信者に非常に親しまれたもの。
ピエロ・デッラ・フランチェスカが描いた
アレッツォのサン・フランチェスコ教会の
「聖十字架伝説」も原典は同じですが
微妙に詳細が異なっていたりします。

足場に乗ってみて近くから観察してみると
このフレスコ画のどの画面にも
「川もしくは水」が描かれているというのを発見。
それぞれの人物のまつげが非常に長いというのも発見。

作品詳細はこちらへ続く

こちらの記事
あちらの記事も参考にしてください。

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