不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

La societa con cui non possono sognare i giovani

2006-06-20 06:47:42 | 日記・エッセイ・コラム

長年イタリアの少年の夢はサッカー選手、
少女の夢はVeline(ヴェリーネ)と呼ばれるタレントだった。

サッカー選手も女性タレントもテレビの露出度が高くて
目にする機械が多いので子供たちの憧れの的になるのは当然。

サッカー選手はまぁ花形としても
なぜ女の子がVelineになりたいのか不明。
だって彼女たちって裸同然の衣装でひらひら踊っているだけで、
どうみても生産的な職業ではないのだけど。
まぁ華やかだからねぇ。

しかしイタリアの子供たちもシビアになってきているよう。
14歳から18歳までを対象とした調査では
彼らの目指す職業は様変わりしたという結果。
医者、弁護士、料理人、旅行代理店などが上位に。
料理人が上位に食い込んでくるあたりがイタリア。
サッカー選手や女性タレントの人気が落ちたのと同じように
警察官や憲兵隊の人気も落ちてきているって。
これは国際情勢の悪化で
海外に派遣されて命を落とす可能性が
やたらに高くなっているからなのかな。

子供たちが現実的にならざるをえないのは
イタリアの社会が変化してきているからなのかも。
少年少女たちが不安に感じているのは
失業率の高さ、戦争やテロリズムなどの危険。
学校内での心配事は試験結果でもなんでもなく
校内での薬物の流通や
性的暴行もしくは集団暴行、そして盗難。
子供たちを取り巻く状況が
そのままイタリア社会の縮図のようだよ。

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