不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Scoppio del Carro 2007

2007-04-08 19:34:34 | アート・文化

毎年恒例の「スオコッピオ・デル・カッロ」。
フィレンツェの復活祭はこれなしには語れない。
でも毎年同じような写真になるので、
今回の写真のセレクトはマニアックです(爆)。

Bue_in_lavoro_02
山車はVia il Pratoから
白いキアーナ牛4頭に曳かれて行進。
出発は9時、ドゥオーモ前に到着するのは10時過ぎ。

到着するとキアーナ牛は避難して
最終花火と天辺の旗の設置。

Aggancio_bandiere_03
その準備の間に広場では旗振り隊のエキシビション、
洗礼堂内では復活祭の祝福のミサが行われます。

通常ならば「カルチョ・ストーリコ」の対戦抽選も行われますが
今年は色々問題があるため「カルチョ・ストーリコ」の
開催中止が決定となっているため、抽選もなし。

11時の鐘の音を合図にドゥオーモの中から
張りぼての白いハトが飛び出して点火。
15分に及ぶ花火&爆竹&煙幕のショー。

そして最後に天辺の3本の旗が回転。
「教会」「フィレンツェ市」「イタリア」を象徴する旗が
すべて開けば一年安泰といわれ、
結構フィレンツェ人はこの言い伝えを信じています。

今年は残念ながら「教会」の旗だけしか開きませんでした。
フィレンツェ市民の間にはかなりの衝撃が走りました(笑)。

一連の行事が終わると
山車はまたキアーナ牛に曳かれて戻っていきます。

この行事の隠れた主役・はりぼてのハト。
Colombina
結構よくできているし、
ぴゅーっと来てさっとドゥオーモ内に戻っていくので
あまり焼け焦げてもいない(笑)。

Carro_dettagli_10
めちゃくちゃ狭いところに上手に仕舞うのです。
こういうところは尊敬します。
イタリア人でもきめの細かい仕事はできるのです。
それが伝統と文化に基づいていると。

そして私の中では12年間「英雄」のこのおじさん。
Carro_in_casa_04
消防隊員なのですが
山車の天辺に旗をくくりつけるのも
山車の仕舞い場所の扉を閉めるのも彼の任務。
どっちも重要な任務です!!

Carro_in_casa_06
3階建ての建物と同じ高さの倉庫。
山車を仕舞ってある秘密の場所(笑)。
この扉は3階部分と2階部分は
こうしてはしご車を使って「手動」で閉めるのです(笑)。
梁を渡して手で扉閉めてかんぬきかけて。
地道だけれど、綿密な作業。
このおじさんはやっぱり英雄!
でも今年は若い助っ人が一緒に旗付けしていたので
もしかしてそろそろご引退かな?

Chianina_02
きれいに飾られたキアーナ牛も
一仕事終えてちょっとほっとしているかも?
花や飾りを外されて車に積まれて運ばれていくとき
心の奥で一人密かに「ドナドナ」を歌うのが
私の復活祭の慣わしでもあります(爆)。

今年は幸運にも式典の間の
花と卵配りにも参加できたので
お土産にフィレンツェの象徴・Giglioの花をもらいました。
私の中では、これでとってもいい復活祭。
Giglio_01

動画はこちら
昨年はローマ暮らしのため初めて見逃したスコッピオ・デル・カッロ(泣)
2005年のスコッピオ・デル・カッロの様子はこちら
2000年の復活祭の様子はこちら
メジャーな写真や歴史についてはそちらで説明しております。