不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Cristalli alla Specola

2009-04-07 13:47:38 | アート・文化

Museo della Specola(スペーコラ博物館)は
フィレンツェのVia Romana
(ロマーナ通り)にある博物館で
Museo di Storia Naturale di Firenze
(フィレンツェ自然史博物館)の1セクション。
ヨーロッパでも最古の科学博物館でもあります。
1775年の博物館創設時には
膨大なコレクションを所蔵していましたが
現在はそのコレクションも分割され、
剥製の動物を集めた動物学コレクションと
1700年代の蝋モデルで形成される
解剖学コレクションの2コレクションのみの展示。

Specola(スペーコラ)という呼び名は
Granduca Pietro Leopoldo
(トスカーナ大公ピエトロ・レオポルド)が
この建物の屋根に建設した気象台の名前に由来します。

この類まれなるフィレンツェの博物館で
現在開催されているのはクリスタル展。
史上初といわれるCollezione Giazotto(ジャツォット・コレクション)
と呼ばれるクリスタル結晶の展示です。
南アフリカ、ブラジル、アフガニスタン、中国、
アルプス山脈、地中海各地など全世界から集められた
500点以上の貴重なクリスタルが一堂に会しており
自然の作り出す奇跡の美を堪能することができます。

またこの機会に長く閉じられていた
スペーコラとボボリ庭園を繋ぐ門が
久々に開けられることになりました。
科学と芸術を楽しむことのできるスポットとしてオススメです。

Cristalli
会場:Museo della Specola
   via Romana 17 Firenze
開館時間:9:30-18:30
休館日:第一・最終月曜日
入場料:常設展コレクション6,00ユーロ、
     特別展「クリスタル」6,00ユーロ
       共通チケット10,00ユーロ

この特別展をアピールするために
フィレンツェの街中にこんなものが登場!
結構びっくり。
Dscf6366
スペーコラ所蔵のフラミンゴの剥製16体と
巨大なアメジストの結晶。
Dscf6369
これが街中のVia Romaにある
LuisaViaRomaのショーウィンドーに飾られています。

で、このフラミンゴきれいなのですよ。
剥製ってなんか薄汚いものというイメージがあった私に
新しい世界観を与えてくれました(笑)。
あまりにきれいで見入っちゃうくらいです。
プロモーターはアメジストを見て欲しいのでしょうけれど、
私の視線はフラミンゴにしか行きません。

実はスペーコラの解剖コレクションが怖すぎて
未だに一度も足を運んだことがないのですが
この動物の剥製コレクションを見に行ってみようかなと
ちょっとだけ気持ちが揺らいでいるところです。
一人じゃイヤなので、一緒に行ってくれる人募集中。(爆)

ちなみに市内にはもう一箇所アメジストの展示。
Dscf6363
共和国広場の本屋さんEdisonのショーウィンドー。
Dscf6364
何気なく置かれているけど、
この石の塊いくらするんでしょうか。


Terremoto a L'Aquila

2009-04-07 13:12:48 | 日記・エッセイ・コラム

日本での報道が大きいからなのか、
すごく反響が大きいので、
メルマガに掲載した記事をこっちにも転記しておきます。

イタリアも日本と同じように火山国であり、
地震は非常に多い国です。
しかし、日本ほど耐震政策が
進んでいないのではないかという気もします。
4月6日未明、南イタリアのアブルッツォ州
ラクイラ県(L'Aquila)を襲った地震は
ここ10年でも最大級の地震で
130人以上の死者を出し、1500人の負傷者を数えています。
50,000にも上る避難者がおり、
まだ瓦礫の下で確認されていない人々も多く残っています。
この数字は4月6日夜の時点での発表で今後はまだ増える見込み。

ラクイラでも大学生寮や教会をはじめ、
数多くの建物が崩壊し、
市街部はほとんど機能しない状態となっています。
もちろん市内に保存されている
芸術的価値のある建物も被害を受けています。
ラクイラを中心に約26の市町村が被害を受け、
一部の市町村では
完全に瓦礫の下に埋まっているところもあります。

今回の地震はリッチャー震度階で5,8マグニチュード、
メルカッリ震度階で震度8を記録しています。
震源地はL'Aquilaから約1キロとされています。
1915年に同州Avezzano(アヴェッツァーノ)で観測された
震度7を超える大地震となりました。

地震観測直後から現地入りした救助隊員は約4000名で
昼夜を徹して救助と捜索に当たりました。
特に夜に入ってからは強い雨に襲われ、
冷たい雨の中での捜索作業となりました。

非常に大きな地震であり、ほとんどの建物が崩壊しているため
捜索自体も難航していますが、
臨時の避難民の収容場所などについても
数が足りない状況となっています。

G20に続き、ロシア訪問を控えていたベルルスコーニ首相ですが
ロシア訪問を中止し、ラクイラに視察に向かいました。
今後数時間および数日以内に余震も考えられることから
彼自身が生存者に対して、
近隣の親戚の元に一旦身を寄せるようにメッセージを発しています。

まだ最終的な損害被害額は明らかになっていませんが、
閣議は昨夜ラクイラ県一帯に対し緊急天災事態を設定し
即座に30,000,000ユーロを捜索、救助資金として決定。
また4月9日には改めて閣議を開き
追加資金の捻出を予定するとともに
EUに対して災害資金の援助協力を要請する運びとなっています。
ベルルスコーニ首相は経済的な問題はまったくなく、
必要な資金は最大限に捻出すると発表しています。

実は先週までに、軽度の地震が同地区で観測され、
イタリア中の地震学者がラクイラに集結して
様々な検査と議論を重ねましたが、
4月6日の大地震を予測することはできませんでした。
地震はある程度の震源地の予測が可能であっても、
完全に予防できるものではないのは
我々日本人も痛いほどよくわかっていることですが、
今回もおおよその震源地の想定はしていたものの
発生日時の特定などは
不可能であったことが明らかにされています。

震源地のおおよその特定が可能であることから
今後は地震の起きる可能性の高い地区に対して
より重点的な耐震政策を進めることによって
被害を最小限に食い止めることが必須であると
地震学者たちは提案しています。

現時点ではラクイラ周辺の生存者の確認と救助、
そして避難民の生活場所の確保が先決となっていますが、
イタリアではこれまでに地震の被害を受けた他地域では
未だに避難所や簡易住宅での生活を
余儀なくされている人々が多くいます。
今回の地震も一時の災害対策としてではなく、
引き続き市民の正常な生活の普及に至るまで
きちんと政府も対策と予算を練り上げてほしいと思います。


ローマあたりは揺れを感じたようですが、
フィレンツェはほとんど揺れませんでした。
ちょっとでも揺れると目が覚める私は
確かにその夜中になぜか目が醒めたのですが、
揺れによるものだとは思いもせず
そのまま深い眠りに再び落ちたほどです。
ビリーもチッチーノも特に騒いでいなかったので
きっとあんまり感じなかったのでしょう。

ということでフィレンツェはまったく影響なし、
普段の生活が続いています。

震災で犠牲になられた方の冥福をお祈りします。