超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

日記短歌の断片を書く

2023-03-18 05:28:04 | 自作短歌
人生は一期一会と知りながらこの一瞬は胸に留め置く
春の雪季節外れに舞っている月寒の町冬靴で急ぐ
ルピナスの悦び茶飲みこの春の文字の収穫飽くこともなく
ジャケットに茶のコーデュロイ普段着で今年最後の雪を踏むはず

沈黙の音が聞こえる卒業の映画の場面ふと蘇える
この町のここ数年の出来事が夢の深部を幾重にも秘め
楽隊が陽気に騒ぎ子どもらがラムネ飲む日の遠い回想

実際は実現しない夢たちの紺の日記の淡い記念碑
ラテン語の聖書に読めぬドイツ語の交響曲の詩篇流れる
偶然に春降ってきた気紛れな記憶の粒は夢に書き止め
サンヤツの広告が出た春の日に全生涯が照らし出される

街角を永遠化するマーラーのアダージェットを繰り返し聞く
コメント
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