大阪国際フェスティバルの記念すべき第一回目は「大阪国際芸術祭」という名前でした。
1958年4月10日(木)午後7時、朝比奈隆指揮、ABC交響楽団と関西交響楽団演奏の「君が代」で開幕。新築の新朝日ビル・フェスティバル・ホールには内外の3000人が詰め掛けたということです。
↑ 全員起立で君が代。
↑ 君が代に続くオープニング・コンサートでは近衛秀麿指揮で「マイスタージンガー序曲」が、朝比奈隆指揮で「皇帝円舞曲」が演奏されました。
オープニング・コンサートに続いて、ニューヨーク・シティ・バレエ団による「檻」(The Cage)上演。音楽はストラヴィンスキーの「弦楽のための協奏曲」。
↑ わーぉ。主演はメリッサ・ヘイドン(Melissa Hayden, 1923-2006)。
↑ メリッサらは再三のアンコールに挨拶しました。大成功!
さて第一回フェスティバルの最大の呼びものはレニングラード・フィルハーモニー交響楽団の演奏会。4月15日(月)夜、フェスティバル・ホールにてアレクサンドル・ガウク(Aleksandr Gauk, 1893-1963)の指揮でグリンカ「ルスランとリュドミラ序曲」、チャイコフスキーの交響曲第4番等が演奏されました。
↑ ↓ ガウクの指揮。
↑ 第4交響曲が終わって鳴り止まない拍手にチャイコフスキーの「雪姫」、「白鳥の湖」よりアンコール曲が演奏されたということですが、当時のソ連のオーケストラにはアンコール演奏の習慣はなく、異例なことだったようです。
なお、このときの演奏がCD化されたようです。ちょっと高いけど聴いてみようかな?
↑ 辻久子さんから花束を受け取ったコンサート・マスターのシュピールベルク。
朝比奈隆さんの感想:「従来のスラブ民族の大陸的なノンビリした感じでなく、むしろ西欧的、近代的な厳しさを感じた」。
↑ 朝日ジュニア・オーケストラの演奏する日ソ両国国歌に迎えられる、ソ連のジェット機2機で来日したレニングラード・フィル。
◎印左からアルヴィド・ヤンソンス、ガウク、団長ポノマリョフ、ロストロポーヴィチ。ガウクの右のクルト・ザンデルリング(ですよね?)が何故か無印。。
。。。第一回目のフェスティバル、なんかすごく熱気がありましたね!(以上『アサヒグラフ』1958年4月27日号より)