昭和46年の『日刊レコード特信』(レコード小売店向け雑誌)から、テイチク洋楽グループの広告です。
クラシック・レコード界に「1000円ブーム」を到来させたテイチクの大攻勢!
でも曲目は確かにみんな人気曲ですが、指揮者の名前を見ると、下のほうの「歴史的名盤」を除いては自分が知っているのはギュンター・ヴァント、ハンス・シュミット=イッセルシュテットくらいで、残りは??
ネットでちょっと調べたくなりました。
まず、この広告で一番多く名前が出るハンス=ユルゲン・ワルター(Hans-Jürgen Walther, 1919- )。廉価盤の王?
↑ ワルターの白鳥の湖
ヴィルフリート・ベッチャー(Wilfried Boettcher, 1929-1994)はブレンデルとモーツァルトの協奏曲などを録音しています。
↑ ヤノヴィッツの伴奏をしています!
ミラン・ホルヴァート(Milan Horvath, 1919-2014)は、クロアチアの指揮者。Wikipediaに「幽霊指揮者名義での演奏を実際に指揮している一人として知られている」とありますが、指揮界の新垣さんみたいなもん?
↑ マーラーの復活と悲劇的。ちゃんとご自分の名前を出されています。
ハロルド・ニューマン(Harold Newman) 詳細がわかりませんでした。
↑ 体が地面に完全に埋まってしまうのも時間の問題?
ナポレオーネ・アノヴァッツィ(Napoleone Annovazzi, 1907-1984)はイタリア出身。
主にスペインで活躍したオペラ指揮者。
アルトゥール・ヴァインベルク(Arthur Weinberg)。この指揮者についても情報があまりありませんでした。
↑ ハイドンの交響曲
ランドルフ・ジョーンズ(Randolph Jones)
↑ 自作の交響曲第1番"Southern Scenes"と"Prelude To Night"を録音しています。
ジョージ・ハースト(George Hurst, 1926-2012)はイギリス生まれの指揮者です。
↑ このCDの中でハチャトゥリアンの「チェロと管弦楽のためのコンチェルト・ラプソディ」を指揮しています。
ガボール・エトフォス(Gábor Eötvös)
↑ モーリス・アンドレとの録音。
アタウルフォ・アルヘンタ(Ataúlfo Argenta, 1913-1958)はスペインの指揮者。
これから、という時に事故(一酸化炭素中毒)で亡くなってしまったそうです。残念。
ロバート・シュテーリ(Robert Stehli, 1930年チューリヒ生まれ)。
↑ ニューイヤーコンサートの広告。
ワルター・マルティン(Walter Martin)
↑ このCDの中でエフゲニー・オネーギン、ホフマン物語からの数曲を指揮しています。
ヴィルヘルム・ブリュックナー=リュッケベルク(Wilhelm Brückner-Rüggeberg, 1906-1985)はドイツの指揮者です。
↑ クルト・ヴァイルの三文オペラ。このCD、有名ですよね!
フランコ・ヴェルテッツァ(Franco Vertezza)もあまり情報ないです。
↑ カルメンを指揮したCD。
最後に、ヴィンフリート・ツィリヒ(Winfried Petrus Ignatius Zillig, 1905-1963)はドイツの指揮者・作曲家で、Wikipediaによるとウィーンでシェーンベルクに個人的に教えてもらったそうです。相当すごい人!
↑ ツィリヒが大きいのか、シェーンベルクが小さいのか。。
。。。ということで結局、残念ながらどんな指揮者たちなのかネットではあまりわかりませんでした。ただ、無名な音楽家の録音を集めてきた「安かろう悪かろう」的なシリーズではないということはわかります。さらに情報を加えていきます。こうやって少しでも調べると録音を聴いてみたくなってきますね。
ちなみにメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲のヴィルヘルム・メルヒャー(Wilhelm Melcher, 1940-1995)はメロス四重奏団のヴァイオリニストでした。ソロとしても活動していたんですね。