ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2015.8.12 採血後診察、カドサイラ(T-DM1) 9回目

2015-08-12 21:34:02 | 治療日記
 明け方雨が降ったと見えて朝からかなりの蒸し暑さ。とにかく今日を乗り切れば明日から夏休み!今月唯一の通院日である。
 最寄駅でも乗換駅でも電車は順調。お盆ウィークなので通勤通学客よりも帰省客、お出かけする家族連れの姿が目立つ。乗換駅で始発電車を待って、端の席を確保。
 最近ちょっと勉強不足かな、ということで本日のお伴は山崎裕人さんの「がん幹細胞の謎にせまるー新時代の先端がん治療へ」(ちくま新書)。帯には「がんは自分自身だ。だからこそ闘いづらい。まずは知ること。本書はそのガイド役を果たしてくれる」という森達也氏の推薦文に惹かれた。
 “研究の歴史から発病・転移・再発の秘密まで”という内容で、かなり頭を整理してもらった。文字通り今、自分が最先端の治療を受けられていることを改めて感謝しながら、頁をめくり続ける。

 電車を降りると、俄然陽射しが強くなっていて、ムッとする暑さ。予定どおり病院に到着。自動再来受付機ですんなりIDカードを通し、採血の自動受付機へ直行する。待合椅子は空いている。お盆だからだろうか。今取った番号が既に「採血室にお入りください」になっている。僅か5分程度の待ち時間で、何度もお世話になっている臨床検査技師さんから3本の採取。針刺も抜針も幸先の良いスタートだ。
 今月もレントゲン撮影なしで、そのまま腫瘍内科へ移動。待合スペースも人がまばらだ。月初めの保険証確認を終えた後、読書に没頭できるいつもの位置をすんなり確保する。 

 今日は空いているから呼ばれるのが早いかしら、と取らぬ狸の皮算用をしたが、採血の結果が出るまでには最速でも1時間かかる。結局、1時間ちょっと待って「中待合へどうぞ」に番号が出た。自動血圧測定機での計測は100-65、脈拍は86。いつもどおりだ。

 中待合で30分ほど待って、先生がお顔を出された。
 ご挨拶した後、「さて、いかがお過ごしでしたか。」と問われ「おかげさまで調子は落ち着いています。天気の関係でちょっと頭痛や胸痛が酷くなったことはありました。朝食後のサインバルタの副作用で眠気が酷く、昼間に顎が外れそうな生あくびが止まらず、涙目と相まってこれはまずいと1週間かけて夕食後にずらしました。手足の痺れは相変わらずですが、痛みには効いていると思います。パソコンのキーを打ったり、本の頁を繰ったりするだけなら痛みがあまり気にならなくなっています。ただ手作業をしたり、裸足で歩いたりするとすぐに赤くなって腫れ、痛みが酷くなるので注意しています。」とご報告。診察室での検温は6度5分。

 「そうですか、ではこのまま続けて飲んでいきましょう。」ということに。採血の結果はほぼ問題なく、腫瘍マーカーCA15-3も前回と同じ数値。「安心して旅行に行ってらしてください。」と言われ、ほっとする。
 ということで、治療続行、カドサイラ(T-DM1)9回目となった。
「次回3週間後は(私の)夏休みなので、代理の先生に頼んでもいいのですが、ずらしましょうか。連休等もあり次回も曜日が変わりそうだし」とおっしゃり、4週間後の予約になる。3週に1度のカドサイラをずらすことに問題はないのか訊くと、最初はきちんと3週間毎投与をするべきだが、半年経って安定してきたので、大丈夫とのこと。ランマークも7週間空いてしまうがそれも問題ないとのご判断だ。先生には7年半の間お世話になっているが、1週間夏休みを取られるのは初めてのこと。どうぞ良い夏休みを!とご挨拶。
 4週間分のデノタスチュアブルとサインバルタの2種類の飲み薬、ヒルドイドローションの処方、若干のロキソニンを追加して頂く。次回もレントゲンなしで採血のみ予約だ。

 「雑誌の連載も終わりましたね」と言われ、「うちの患者さんなので、院内に掲示するといいんじゃないか、と言ってみたのですが“病院名も先生の名前も出ていないので宣伝になりません”と言われたんですよ」とのこと。「いえ、万一ご迷惑がかかったらと思って・・・特に明示しませんでした」とお返事。そのほかちょっぴり雑談の後、席を立った。

 化学療法室へ移動し、いつものように、待ち時間に夫やお友達に報告LINEやメール。10分ほど待ってOkさんから今日は窓側のリクライニング椅子に案内される。陽射しがないので、冷房が強く感じる。体勢を整えてポートの針刺しを待ち、30分ほどでKrさんが殆ど痛みなく刺してくださる。今日はなんだか幸先が良い。逆血も問題なし。
 10分程待って薬が届く。いつものように最初に生食を落とした後、1時間10分ほどでカドサイラ(T-DM1)を投与し、再び15分の生食で流して終了。入れ替わり立ち代わり看護師さんたちが様子を見に来てくださる。「明日からですね」「楽しんできてくださいね」と。皆さんが私の夏休みをご存知でびっくりしてしまうが、なんとなくニマニマ。
 終了後の血圧は118-70、脈拍は63。抜針はKbさん。「旅行、明日からですね。体調が落ち着いていてよかったですね」とガッツポーズしてくださる。嬉しい。衝撃はそこそこあったが、これでおしまい!と気分が高揚しているので現金なもので大丈夫。今日も針刺名人のOさんやに認定看護師のKさんの姿を見たけれど、お忙しそうで、会釈をしただけ。
 
 会計はそれほど混んでいなかった。採血、点滴の3割負担で15万円のお支払を自動支払機でカードで済ませる。
 外に出ると、蒸し暑さが一層酷くなっている。院内は冷房が効いていたので、ストールをしていたが、この温度差が体調を崩す原因だと思う。
 薬局へ移動すると、こちらもそれほど混雑していない。2冊目は大崎善生さんの「聖の青春」(角川文庫)。重い腎臓病を抱えながら将棋界に入門し、29歳で生涯を終えた天才棋士のフィクションだ。以前より大崎さんの文章がとても好きなのだが、将棋の「し」の字も知らない私が、あっという間に惹きこまれる。没頭しているうちに30分程して名前を呼ばれた。
 前回と同じ薬剤師さんからお話を聞いていたので、サインバルタの眠気が酷く、時間を徐々にずらして夕食後に変えました、とご報告。今回からは先生からの指示も夕食後に変更してくださっている。薬は28日分ということで大分量が増える。お支払いは久々に3,000円を超えたのでカードが使えた。

 病院も薬局もどちらも空いていたので早く済むかと思ったけれど、結局、本日の病院と薬局の滞在時間は合わせて5時間強。駅ビルで遅いランチを摂り、JRとバスを乗り継ぎ、明日の早朝集合に備えて今日は空港近くのホテルで前泊することに。
 夕方、空港で息子と合流し、ホテルにチェックイン。夫は仕事を終えて一足遅く到着した。さあ、明日から待ちに待った夏休みだ。

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