ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2023.2.27 久しぶりに痛みと向き合う週初めのこと

2023-02-27 21:53:41 | 日記
 昨夜はコデインを飲んだもののなかなか痛みが退かず、入浴後、使い捨てカイロをパジャマの上から胸部に貼って温めながら休んだ。痛みが一過性のものならよいのだけれど、痛みが続くとどうしても思考がネガティブに陥りがちである。
 春から5週間に1度の間隔にするどころか、4週間に1度でもダメなのではないか、いよいよエンハーツにも耐性がついてきたのではないか等々ろくなことを考えない。
 なんとか眠ったけれど、またしても日付は変わってしまった。

 そして週初めの今朝、5時前にお手洗いで目が覚める。4時間眠れていない。カイロはまだ温かい。痛みは相変わらずである。平日仕様のアラームが鳴り、時間差で目覚ましが鳴る。だが、夫は今日、明日と休務日なので、急いで起きることもない。ベッドの中でBS朝ドラを視て、昨日大量に洗濯したのに、またしても一杯になっている洗濯機を廻して、再びベッドに戻る。

 夫は先に起きていて「また寝るの?」と訊く。「うーん、ちょっと痛いし、洗濯が出来上がった頃に起きる」としつこく横になる。
 ようやく復調し、さて、これからはアクティブな18日間と思ったタイミングでこの痛み攻撃は辛い。
 洗濯物が出来上がったところでノロノロと起きて、夫と一緒に干し、朝食を摂る。昨日、百貨店のブーランジェリーで買ったパンドゥミとクロワッサンを頂く。美味しい。けれど、痛い。食後もコデインを飲む。
 昨日の下痢はどこへやら、今度はコデインの副作用の便秘が効いてきて、朝は腹痛だけで排便なしである。

 このまま痛い痛いと言っているとゴロゴロして1日が終わってしまう。お昼からM先生のリラックスヨガに出向くことにした。
 ピンポンが鳴ったのに気づかなかったのか、玄関先には今月2回目のお花が届いていた。
 白、黄色、濃淡のピンク、赤いスィートピーが合わせて5本、ピンクとオレンジのラナンキュラス、レースフラワーが1本ずつ、麦が2本。細くて可憐な花ばかりなので、今回はボリュームが少ないが、上品な甘い香りが漂い、ガラスの花瓶の中はすっかり春だ。
 花言葉は「門出」、「華やかな魅力」、「可憐な恋」、「富」だそうだ。

 昨日で国公立2次試験の前期日程が終わり、そろそろ門出の季節である。毎年、担当する修了院生たちに小さな花束を贈っていたのが懐かしい。明るい色のスイートピーやラナンキュラス、ガーベラやスプレーカーネーションが定番だった。

 明日がヨガスタジオの休館日だからなのか、M先生ご自身が「今日はこんなに沢山の方に来て頂いて・・・」とびっくりするほどの参加者だった。マットの空いている箇所を数えた方が断然早い35,6名。いつもより15,6名多い。
 リラックスが目的のクラスなので隣同士の手等が触れるとなかなか辛いのだけれど、お互い譲り合ってのクラスである。寝ポーズで呼吸観察からスタートするいつものクラス運び。座りポーズ、四つん這い、若干の立ちポーズの後はうつ伏せ、最後は仰向け。暖かい岩盤で横になると呼吸が楽になり、痛みが和らぐのが判る。
 クラス終了後、シャワーもドライヤー台も大混雑だった。

 階下で夫と待ち合わせしてスーパーで食材を少し買ってからお昼ご飯。クラスが終わった途端に少し紛れていた痛みが舞い戻ってくる。ずっと鉄板を押し付けられているような圧痛に加え、喉の奥が息苦しく締め付けられるような痛み、グイグイと刺し込まれるような痛み、忘れていた色々な痛みが活発に動き出す。

 うーん、これはどうしたことか。食欲もなんとなく失せる感じだが、せっかく夫が来てくれたし食事を抜いたら薬も飲めないし、と中華食堂で野菜たっぷり湯麵を頂き、食後はロキソニンを飲む。
 コデインなのかロキソニンなのかどちらがより効くのか、いまいちよく分からない。そして今回の痛みが骨の痛みなのか肺の奥の痛みなのか、まだよく掴めないでいる。夫がカフェでカフェラテとチョコクロワッサンをご馳走してくれた。

 ゆるゆると2人で帰宅し、乾いていた洗濯物を取り込んで畳む。夫はクリーニング屋さんに出向く。下書きのままだったIちゃんへの手紙を完成させて、ようやく投函に漕ぎつける。
 体調不良だの痛いだのといっているうちに「2月逃げる」という言葉とおり、今月も今日、明日でおしまいだ。「今日、明日2日とも行ったところで、今月は6回で打ち止めになるから」と私からお尻を叩かれて夫はジムへ向かった。因みに私は今月14回もヨガスタジオに通った。2日に1度通っている計算になるが、実際は治療前に4日連続参加を2回繰り返し、復調してから4日だ。

 リビングで暫し横になって休憩し、母にMeet通話。今日もデイサービスの日だったが、第二便の送迎車で現地に到着したのは10時半を回っていたそうな。どうにもリズムが狂ってしまうので、第1便に戻してもらうように近々お願いしてみるとのこと。あちこちでピックアップしていくので大変なことである。

 その後、オンラインセミナーに参加する。今日は「みんなでみつける、ひとりひとりにあわせた『がん治療』」のテーマだ。セミナー開始前に言葉(プレシジョンメディシン、個別化医療、ゲノム治療)の周知度に関する事前アンケートがあった。
 最初に内藤陽一先生が「がんについて、がんと遺伝子変異、プレシジョンメディシン、がん遺伝子パネル検査(CGP検査)」について概要をお話された。一般参加者からの質疑応答の時間を経て、セッションが2つ。
 1つ目は大腸がんサバイバー矢作さんと小児がんサバイバー家族の榮島さんの体験談。2つ目は「ひとりひとりに合わせた治療を受けるために出来ること」と称して、内藤先生と父上が発見時ステージⅣだったというアキラさんの対談だった。

 各々のセッション後に質疑応答の時間があり、1時間15分ほどで終了した。終了後に再び言葉の認知度についてのアンケートがあった。がん患者であってもプレシジョンメディシン等の周知度がかなり低い(10%ほど)ことがセッションの中で言われていた。

 夫が、セミナーが終了する少し前に帰宅していたので、急いで夕食の支度。今日もミールキットのお世話になって一汁二菜。美味しく頂けたが、食後はやっぱりコデインを飲む。
 このままコデインが頓服でなくなってしまうのはちょっと困ったな、という感じ。なんとか落ち着いてくれると良いのだけれど・・・。

 がんの痛みと向き合うのはなかなかしんどい。そして、こうして痛みがあると実に現金なもので、治療の副作用は我慢するので痛みだけは勘弁してください、という気分にもなる。
 ようやく春が近づいてきて、本当なら気分が明るくなるタイミングなのに、これはどうにも悩ましいことである。
コメント
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