夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『FLU 運命の36時間』

2014年01月10日 | 映画(は行)
『FLU 運命の36時間』
監督:キム・ソンス
出演:チャン・ヒョク,スエ,パク・ミナ,ユ・ヘジン,キム・ギヒョン,
   パク・ヒョジュ,イ・サンヨプ,マ・ドンソク他

もうちょい続く、年末に観た映画。

12月30日(月)、心斎橋で忘年会。
おそらく15年ぶりぐらいで会う友人もいてワクワク。
その前にやはり映画をハシゴする私なのでした。

シネマート心斎橋へ行くのは『きっと、うまくいく』を観て以来。
本作の前に1週間限定上映の『ダンボーがいっぱい』も鑑賞。
同時上映だった『こま撮りえいが こまねこ』の『はじめのいっぽ』がお目当てでした。
こまちゃんに癒やされた後、こちらを。

ソウル南郊に位置する盆唐区。
救急隊員のジグは、車内に閉じ込められたまま滑落した女性イネを救出。
礼のひと言ぐらいあってもいいはずなのに、イネから酷い言われよう。
しかも落下した車に積んだままだった鞄を取って来いとまで言われる。

先輩隊員はあんな高飛車な女は放っておけと言うが、
一目惚れしてしまったものは仕方がない。こっそりイネの鞄を取りに行くジグ。
鞄の中で鳴った携帯電話に出てみると、不信感に満ちた少女の声。
「ママの電話にどうして知らない男の人が出るの?」。

少女はイネの娘ミル。少々生意気だが、賢くて可愛げもあるようだ。
イネが女医であることもわかり、ミルを手なずければイネを落とせるかもしれない。
そんな皮算用もちらりとジグの頭をよぎる。

ある日、野良猫に餌をやろうとひとりで出かけていたミルは、
病に冒されているらしい裸足の若い男モッサイと遭遇する。
心優しいミルは、具合の悪そうな彼にパンを差し出す。
実は彼は不法入国者で、一緒に入国した者はコンテナ内でウイルスに冒されて全員死亡。
ひとり生き残って逃げているところだった。

新種の鳥インフルエンザとおぼしきウイルスは、モッサイの逃走経路で拡散。
町中でバタバタと人が倒れはじめ、次々と病院へ運び込まれる。
現時点では打つ手なし、感染すれば36時間以内に発症、死に至る。
政府は発源地の盆唐区を隔離遮断することを決定。
ミルも感染したと気づいたイネは、感染しながら発症しないモッサイを見つければ、
ワクチンをつくることができると考えるのだが……。

いまではそう珍しくもないパンデミックものですが、
それに対する韓国政府の対応、そして指揮権の奪取を図るアメリカ政府とのやりとりが面白い。

ユダヤ人強制収容所さながらの居住区。
感染したとわかれば、まだ息があっても焼却場へ。
武器をかざして住民が外に出ないように脅しながら取り締まる軍人。
現状を知って暴徒と化す住民たち。

こうした凄絶な状況のなか、なんとかワクチンを開発して、
住民の隔離状態を解こうと努力する韓国大統領が頼もしい。
どんな状況下に置かれようとも、自分は救急隊員なのだからと、
ひとりでも多くの人を救い出そうとするジグの姿にも涙。
お母さんを撃たないでとミルが走り出すシーンは誰が泣かずにおられましょうか。
走り出すミルは芦田愛菜ちゃんばりの名演技。

ラストは明るく笑わせてくれるシーン付き。
原題はそのまんま『風邪』、さすがにそれは邦題にはならんか。(^^;

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