夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『イコライザー』

2014年11月05日 | 映画(あ行)
『イコライザー』(原題:The Equalizer)
監督:アントワーン・フークア
出演:デンゼル・ワシントン,マートン・ソーカス,クロエ・グレース・モレッツ,
   デヴィッド・ハーバー,ビル・プルマン,メリッサ・レオ他

週末に日本シリーズに行くことで頭がいっぱいだった先週初め。
第6戦がなくなり、はたとちょうどその日が1日であることに気づく。
うおっ、「映画の日」ではありませんか。
野球モードから映画モードに切り替えて、TOHOシネマズ西宮へ。

ネット予約してから出かけようと思ったら、
封切り前から気になっていた『小野寺の弟・小野寺の姉』はすでに満席。
もう劇場で観る機会がないかもしれないけれど、致し方なし。
これも気になっていた本作を観ることに。

新作なのになんだか古くさい感じがすると思っていたら、
もとは1984年から1989年にかけて放映されたTVドラマ“ザ・シークレット・ハンター”。
こちらも原題は“Equalizer”だったそうで、邦題はものすごく昭和的。
予告編を観たときには、「昼間は普通の仕事、夜は闇の仕事」という、
『ドライヴ』(2011)のような主人公を想像していましたが、ちと違いました。

ホームセンターの従業員ロバートは、寡黙ながら温厚で真面目、明るい人柄。
他の従業員から慕われる一方、これまでの経歴を問われると冗談でかわしてばかり。
前職はいったい何だったんだろうとみんな興味津々、面白がられている。

実はロバートは元CIAの凄腕エージェント
引退した今は過去を消し去り、整頓された部屋でひとり静かに暮らしている。
そんな彼の日課は、24時間営業のダイナーでの深夜の読書。
そこでまだ少女の娼婦テリーと言葉を交わすようになる。

ある日、テリーがロシアンマフィアから手酷い扱いを受けているのを知る。
穏やかな日々を送ることを心がけてきたが、どうしても見過ごせない。
ロバートはテリーを救うべく、単身でロシアンマフィアのアジトへ。
凶悪な複数の敵をあっというまに退治してのける。

警察はロバートとロシアンマフィアの繋がりになど気がつかない。
しかし、ロシアンマフィアのボス、プーシキンは、状況に危機感を抱く。
一刻も早く犯人を見つけだすため、最強の殺し屋で部下のテディをアメリカへと送り込むのだが……。

最近のデンゼル・ワシントンでいちばん良かったかもしれません。
今回はいかにも善人な顔つきなのに、その殺し方のえげつなさと言ったらワラけるほど。
ラストのテディとの対決シーンは、『サプライズ』(2011)並み。
ホームセンターの商品をフル活用していてスゴイです。

どこか悲しみを湛えた彼が読む本は、亡くなった妻から聞いた「読むべき100冊」。
この辺りの話はホロッと来ます。
また、従業員とのやりとりはユーモアと優しさに満ちています。
警備員を目指すデブの従業員ラルフィの良きアドバイザーとなり、
それがラストの対決シーンでも生きてくるのがいいところ。

おそらく突っ込みどころはたくさんありますが、観ていて気持ちよし。
「完璧よりも前進」。

余談です。
30代ぐらいの女性とそのお母様とおぼしき70代の女性が観に来られていました。
終映後、足元もおぼつかない様子で退出するそのお母様、
あんな残虐な殺人シーンは大丈夫だったのかなと思ったら、
「寝ぇへんかったな。おもしろかった」ですと。よかった(笑)。

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