夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『美女と野獣』

2014年11月17日 | 映画(は行)
『美女と野獣』(原題:La Belle et la Bête)
監督:クリストフ・ガンズ
出演:ヴァンサン・カッセル,レア・セドゥ,アンドレ・デュソリエ,エドゥアルド・ノリエガ,
   ミリアム・シャルラン,オドレイ・ラミー,サラ・ジロドー,イボンヌ・カッターフェルト他

わが家のお風呂の給湯と床暖房はなかなか珍しい灯油。
引っ越してきてから10年、建ってから20年、
不調を感じることはありませんでしたが、なんだかこのごろ灯油くさい。
ちょっと不安になり、点検に来てもらうことにしました。

そのために休みを取った日、どうせならレディースデーにしておけば、
昼から2本ぐらいは観られたかなぁと悔やんでいたら、
ちょうど109シネマズデーであることが発覚、
109シネマズ箕面にて2本観ることができました。
まず1本目に観たのがこれ。

母親が幼い息子と娘を寝かしつけるために、物語を読み聞かせます。
それがこんな物語。

都会で裕福な暮らしを送っていた商人一家。
母親の亡き後、父親は息子3人と娘3人を大いに可愛がり、
ほしがるものは何でも与え、わがままも許していたが、
あるとき、大嵐で貿易船を失い、破産してしまう。

仕方なく、一家は田舎に移り住む。
三女のベルだけは、どこであろうと家族一緒にいられることに幸せを感じ、
自然に囲まれて自給自足の生活を送ることを楽しんでいた。
しかし、贅沢に慣れきっていた3人の兄と2人の姉は不満顔。

そんな折り、行方不明だった貿易船が見つかったという報せが入り、
これで都会に帰れると、父親とベルを除く子どもたちは大喜び。
ところが船は借金の形に取られ、すでに商人のものではなくなっていた。
田舎に帰る道すがら、チンピラのペルデュカスに襲われた商人は、
吹雪に遭って逃げ込んだ古城で宝の山々に目を見張る。

長女と次女がほしがっていたドレスを確保して古城を出ると、庭には深紅のバラが。
バラはベルが唯一ほしがっていたもの。
商人が一輪のバラを手折った瞬間、世にも恐ろしい野獣が姿を現す。

野獣はバラこそが何よりも大事にしていたものだと言い、
それを盗んだ代償として商人の命を要求。
家族に別れを告げるために一日だけ猶予を与えられた商人は、帰宅して事情を話す。
バラをほしがったのは私だからと、ベルは父親の身代わりを買って出る。

死を覚悟して古城に足を踏み入れるベルだったが、
野獣が要求するのは毎晩7時のディナーをともにすることだけで……。

どうしましょうかね、これ。
ベル役のレア・セドゥがお気に入りなので、
彼女を見られればそれでよしとしてもいいのですけれど、
彼女を含め、登場人物にあまり深みがなく、魅力を感じることができません。
強いて挙げるなら、古城の亡きプリンセスでしょうか。

だいたい、野獣/王子役のヴァンサン・カッセルがもう47歳なんだもの。
同年代の人がいつまでも色男を演じているというのはその頑張りが嬉しくもありますが、
もうちょっと若いイケメンを使ってもよかったんでないのという思いも。
『ジェヴォーダンの獣』(2001)の監督だからといって、
おつきあいでヴァンサン・カッセルを選んだということはないですよねぇ。

ただ、なぜ王子が野獣になってしまったのかが
しっかりわかるように描かれているのは良かったと思います。
悪人、俗物が多すぎて、こんな黒々とした『美女と野獣』もありかと。

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