夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ナイトメア・アリー』

2022年04月04日 | 映画(な行)
『ナイトメア・アリー』(原題:Nightmare Alley)
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:ブラッドリー・クーパー,ケイト・ブランシェット,トニ・コレット,ウィレム・デフォー,
   ルーニー・マーラ,ロン・パールマン,メアリー・スティーンバージェン,デヴィッド・ストラザーン他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて、仕事帰りに2本ハシゴ。
その1本目はギレルモ・デル・トロ監督の最新作。
デル・トロ監督はここ5年間、『パシフィック・リム:アップライジング』(2018)をプロデュースしたり、
『魔女がいっぱい』(2020)の脚本を書いたりと、なかなかにご多忙ではありますが、
監督作となると『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)以来です。
 
本作は第94回アカデミー賞作品賞美術賞、撮影賞、衣装デザイン賞にノミネートされ、
無冠に終わってしまいましたが、私はデル・トロ監督の描く世界がやっぱり大好きです。
ただし、デル・トロ監督ファンならご存じのとおり、結構グロいし、暗い。
「映画慣れ」していない人で、楽しい作品を観たい人にはお薦めできません。
 
原作は1946年にアメリカで出版されたウィリアム・リンゼイ・グレシャムの同名ノワール小説。
“Nightmare Alley”とは「悪夢小路」という意味です。
 
1939年のアメリカ。
ブラッドリー・クーパー演じる主人公スタンが、遺体が入っているとおぼしき袋を床下に放り投げ、
その家に火をつけて立ち去るシーンから始まります。
 
列車に揺られてなんとなく降りた駅で、スタンは怪しげで華やかなカーニバルにたどり着く。
そこでは「獣人」と呼ばれる男が生きた鶏に食らいつくフリークショーが繰り広げられていた。
ショーの後、逃走を図った男をスタンがなんとか捕まえたところ、
カーニバルを仕切るクレムは、流れ者のスタンを使えると見て雇うことに。
 
スタンは千里眼の見世物を担当するジーナと親しくなり、
彼女のアル中の夫ピートから読心術のテクニックを学びはじめるが、ピートが急逝。
それを機に、電流ショーのヒロイン、モリーを連れて一座を抜け出す。
 
時は経ち、2年後。スタンとモリーはコンビを組んで大成功していた。
一流ホテルで金持ち相手に披露する読心術のショーは連日盛況。
ところがある日のショーで、客のうちのひとりである心理学者リリスから、
スタンの読心術はイカサマだと文句をつけられ……。
 
クレム役にウィレム・デフォー
カーニバルの芸人の中にはデル・トロ監督作品の常連、ロン・パールマンもいます。
リリス役にケイト・ブランシェット、モリー役にはルーニー・マーラ
スタンのカモとなる富豪エズラ役をリチャード・ジェンキンスが演じています。
 
怪しげな雰囲気がなんとも言えません。
ジーナから「幽霊ショーはやっては駄目。悪いことが起きる」と忠告されていたのに、
金に目がくらんでいるスタンはペテンを続けます。
人を騙すことに良心の呵責を感じるモリーが止めても気にしない。
 
結果、どんな結末を迎えるかは想像どおり。
想像どおりなのに、その結末が訪れたときのスタンの台詞が心に突き刺さりました。
 
この宿命を受け入れますか。
 
余談ですが、ブラッドリー・クーパーの起用が決まる前は、
レオナルド・ディカプリオに出演オファーが行っていたとのこと。
なるほど、それもありだったかなと思います。

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