夜な夜なシネマ

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『ブラック・フォン』

2022年07月11日 | 映画(は行)
『ブラック・フォン』(原題:The Black Phone)
監督:スコット・デリクソン
出演:メイソン・テムズ,マデリーン・マックグロウ,ジェレミー・デイヴィス, ジェームズ・ランソン,
   E・ロジャー・ミッチェル,トロイ・ルードシール,イーサン・ホーク他
 
怖そうだからパスしようと思っていましたが、
飲み友だちの兄さんが「シチュエーションスリラーだから大丈夫じゃない?」と言わはる。
そうです、ホラーは苦手だけど、シチュエーションスリラーは好きなんですよね。
で、いざ観に行かんとしたら、先に観に行った兄さんが「作りが雑で残念だった」とおっしゃる。
う〜む、ならばやめておくか。でも他に観るものないし。で、やっぱり観に行きました。
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
出だしからなんだかとても“IT/イット”シリーズっぽいなと思ったら、
原作者のジョー・ヒルはスティーヴン・キングの息子なんですね。
監督は『ドクター・ストレンジ』(2016)のスコット・デリクソン。
ウィキには堂々とイーサン・ホーク主演と書かれていますが、こんなの主演じゃないです。
主演はどう見ても少年フィニー役のメイソン・テムズ。これがスクリーンデビューだとか。
 
兄さんが「どうしてこんな作品にイーサン・ホークのような一流俳優が出演しているのか」と訝っていました。
どうやら本作の製作に当たっているブラムハウス・プロダクションズの創設者ジェイソン・ブラムは、
イーサン・ホーク主宰の劇団で長らく演出家を務めていた模様で、そのご縁ではなかろうかと。
 
さて、どんな物語かと言いますと。
 
1978年。ある田舎町では男児の失踪事件が相次いでいる。
投手としては優秀だが内気な少年フィニーからホームランを打ったブルースや、
いじめられっ子のフィニーを助けてくれた喧嘩自慢のロビンも攫われたまま。
 
ある日、学校帰りのフィニーの前に止まったワンボックスカー。
運転手の怪しげな男は、フィニーに手品を見せてやると言って近づいてくる。
ワンボックスカーの後ろ扉が開くと、そこには大量の黒い風船が。
驚く暇もなく、その中に押し込まれて意識を失うフィニー。
 
目覚めると、薄汚れたベッド枠以外は何もない地下室に監禁されていた。
壁には1台の黒電話が掛かっているが、断線していて通じない。
 
ところがその黒電話が突然鳴り出す。
おそるおそる受話器を取ると、失踪した少年ブルースの声が聞こえて来る。
その後もたびたび鳴る黒電話からはそのたびに違う少年の声。
もうこの世にはいない少年たちが、フィニーを救うためにメッセージを寄越しているらしく……。
 
兄さんの言うとおり、確かに雑。
個人的には、科学的じゃないならない、科学的なら科学的に説明がつく、
どちらかの話であってほしいのですが、とても中途半端。
断線した電話が鳴るのはなぜなのよ。
あの世からの電話ならば、もっと何から何まで超常現象であってほしいというのか。
 
それに、グラバーと呼ばれる誘拐殺人魔がどうしてこんなことをするのか、動機の説明が皆無。
なぜ男児ばかり狙うのか、それはどんな男児なのか、何が目的なのか、
あの世からの電話に「ゲームを始めないと勝てない」というような台詞があるけれど、
その詳細についてもわからないまま。
 
と、いろいろ不満はあるのですが、ハードルが下がっていたおかげで結構楽しめました。
 
フィニー役のメイソン・テムズはわりと美形で、今後どんな俳優になるのか楽しみ。
彼の妹で予知夢の能力を持つグウェン役のマデリーン・マックグロウがめっちゃ可愛く知的で逞しい。
彼女をもっと見ていたくなります。
 
最後はハッピーエンドと言うべきか。そこまでやるかとちょっと不気味。
でも、そこまでやったから今までいじめられっ子だったフィニーが一目置かれるのか。
 
イーサン・ホークのたるんだ腹を見るのがキツイです。(^O^;

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