夜な夜なシネマ

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2023年9月に読んだ本まとめ

2023年10月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
2023年9月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2547ページ
ナイス数:795ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly/2023/9

■六人の嘘つきな大学生 (角川文庫)
『ノワール・レヴナント』が結構好きでした。それよりもこっちのほうが面白いとの噂。本当でした。こんなにも時代は変わっているのに、確かに就活だけは何十年も変わらない。私はスマホもエントリーシートもない時代に就活した世代ですが、面接やグループディスカッションなどはそのままなのですね。たったひとつの採用枠をめぐる争い。その最終選考で、自分を含む6人の中から採用に最もふさわしい人を自分たちで決めるとは。イヤミスの終わり方もあり得ると想像していたら、なんとも温かい気持ちになる「それから」。波多野くんの冥福を祈ります。
読了日:09月03日 著者:浅倉 秋成
https://bookmeter.com/books/21091110

■こちら空港警察 第1話 【単話】こちら空港警察 (野性時代連載)
最近ひと月の読書数が激減していて、なぜなのだと自問したら、ほぼ毎晩劇場に足を運んで映画を観ているからだと気づく。今月こそもうちょい読みたいと思ったときに、DMでしつこく薦められているこれなら冊数を荒稼ぎできるんじゃないかとひらめき、本は紙で読む派だけど手を出してみました。七里ファンとしてはそりゃ物足りない。でも、そんなに読むスピードが速くない私でも20分とかからずに読了できて、1冊にカウントできるお得感(笑)。そのうえなんとなく自分も空港に居合わせているような気分になれるのです。とりあえず既出の全話購入。
読了日:09月06日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/20488232

■こちら空港警察 第2話 【単話】こちら空港警察 (野性時代連載)
そんなわけで、毎晩劇場通いして映画を観て帰っても、これなら日付が変わるまでに2話ぐらい読めちゃいます。「冴子」ってどこかで聞いた名前だなと思ったら、『逃亡刑事』のアマゾネス刑事ですね。あれを読んだときにはただただガタイがよさそうで、ガル・ガドットのイメージしかありませんでしたが、これを読んだらもう少し和風な感じがしてきました(笑)。アマゾネスが冷酷非情な人と思っているふしのある警察署長の仁志村。彼の見立てに狂いはないみたい。今後どんな事件を片付けて行くのか、グランドスタッフの咲良目線で楽しめそうです。
読了日:09月06日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/20594173

■ハーメルンの誘拐魔 刑事犬養隼人 (角川文庫)
『こちら空港警察』に手を出した勢いで、長らく積んだままだった本作も読む。七里センセは著作が多すぎて、なかなか制覇できそうにありません。このシリーズは映画化されたのをきっかけにまず第4作を読んだから、綾野剛北川景子の顔しか浮かんでこない。第1作からようやく第3作に辿り着いた今も、そのおかげでより速く読めます。社会問題をいち早くご自身の小説で取り上げる腕はさすがとうなるばかり。子宮頸がんワクチンの副反応は、ちょうど本作の発行年に取りまとめられたようですね。このような思いをしている人は実際にいるかもしれない。
読了日:09月07日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/12453604

■潮騒のアニマ 法医昆虫学捜査官 (講談社文庫)
ハマり中のシリーズ。存在を数年前まで知らなかったおかげで既刊巻を大人買いしたから、まだ続けて読めるのが嬉しい。本巻の単行本が出版されたのは2016年。当時アカカミアリは硫黄島や沖縄島などでしか見られず、本巻発行の数年後に各地の港でも発見された様子。先取りしているのも凄い。今までの岩楯刑事の相棒に比べると今回の兵藤刑事にはあまり愛着が湧きません。でも赤堀先生に振り回されているうちにきっと変わる。「私を信じなさいって。悪いようにはしないから」「今まで、悪いようにしかしてこなかっただろうが」にふきました(笑)。
読了日:09月13日 著者:川瀬 七緒
https://bookmeter.com/books/13451358

■近畿地方のある場所について
感想を書くに当たり、記述を確かめたくても怖くて頁を戻れない(泣)。数々の怪異は黒丸の伏せ字にされたどこかで起こったこと。おいでおいでと呼ぶ人、意味のわからない言葉を叫ぶ人々、自殺が多発するマンション。ほら、こうして書いていると思い出してぞわぞわする。とにかく終始暗くて不気味。オカルトなんだからそれも当然か。しかも残りのページが少なくなってくると、本が「きゅるる」と軋む音がするのよ(涙)。中扉は黒地に白抜きの文字、巻末の取材資料なるものも同様で袋とじ。怖くて開けられません。読み返したくないモキュメンタリー。
読了日:09月15日 著者:背筋
https://bookmeter.com/books/21248687

■私の唇は嘘をつく (二見文庫 ク 12-2)
冒頭、ジャーナリストのキャットの様子を見て、不動産業者のふりをするメグはとんでもない詐欺師なのだろうと想像する。ところがいまいちキャットに肩入れできないまま進むうち、メグもある人物に騙された過去があり、目的があって詐欺を繰り返していることがわかります。同著者の『プエルトリコ行き477便』のほうが好みではあるものの、これも心が震える読み応え。最近は国内小説ばかり読むようになったけれど、こんなのを読むともっと海外小説を読みたくなる。落ち込むだけなら誰でもできる。「正義」と「復讐」は違うということ。これは正義。
読了日:09月22日 著者:ジュリー・クラーク
https://bookmeter.com/books/20526344

■スイート・マイホーム (講談社文庫)
斎藤工が齊藤工名義で撮った映画を観たとき、まったく予想できなかった超バッドエンドに戦慄し、これの原作は決して読みたくないと思いました。しかしやっぱり気になるじゃないですか。平屋であること、天井裏と往復するルート、妻が夫の浮気にもともと気づいていたことなど、映画版と原作では異なる点がいくつかありますが、斎藤工は巧い。本田が恐ろしいのはもちろんですが、妻が狂っていくさまが何よりも怖い。どちらもオチそのものが映し出されなくてよかったけれど、ついついユキの眼を想像してしまいます。読後感は最悪。でも面白いのが困る。
読了日:09月27日 著者:神津 凛子
https://bookmeter.com/books/17969141

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