夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ほつれる』

2023年10月12日 | 映画(は行)
『ほつれる』
監督:加藤拓也
出演:門脇麦,田村健太郎,黒木華,古舘寛治,安藤聖,染谷将太他
 
シネ・リーブル梅田まで行ったからには1本だけで帰るのはもったいない。
上映時間が合わずに見逃しかけていましたが、ちょうどいい時間にあるじゃあないか。
 
加藤拓也監督のことは存じ上げません。
大阪出身の劇作家で、劇団をいくつか立ち上げ、TVドラマの脚本も多く担当。
映画監督としては『わたし達はおとな』(2022)でデビュー。未見ですが。
 
綿子(門脇麦)には文則(田村健太郎)という夫がいるが、やはり既婚者の木村(染谷将太)と不倫中
バツイチの文則が前妻との間の子どもに会う日はもれなく木村と逢瀬を重ねている。
 
その日、綿子と木村は山梨のグランピング施設へ。
翌日別れの挨拶を交わした直後、綿子のすぐ背後で木村は交通事故に遭う。
駆け寄りたいが、ふたりの関係を誰かに知られては困る。
救急車を呼ぶことすら躊躇して、その場から立ち去る綿子。
 
木村とはもともと親友・英梨(黒木華)に誘われて出かけた先で出会った。
綿子と木村がいつのまにかそういう関係になっていたとは知らない英梨は、
木村が事故で亡くなったことを綿子に連絡してくる。
告別式の日取りを聞いたものの、彼の妻・依子(安藤聖)と顔を合わせたくはない。
 
後日、英梨と綿子は木村の墓参りのために山梨へ。
そこにいた木村の父親(古舘寛治)から彼の思い出話を聞く。
 
一方、文則との夫婦仲は冷えてゆくばかり。
もとはといえば子どもと会うと偽って浮気をしていた文則なのに、
綿子の言動がおかしいことに気づいて彼女の浮気を疑いはじめ……。
 
淡々としていて嫌いじゃありませんが、人としての魅力には欠ける。
染谷将太はいい俳優だと思いますけれど、不倫相手になりそうな男性かと言われると、ん!?
イケメンのいかにもそんな人じゃないほうがこの場合はいいんですかね。
そして夫役の田村健太郎はどう見てもモラハラ男で、こんな奴と結婚するのがどうなのか。
 
終盤の台詞で綿子と文則ももともと不倫から始まった仲であることがわかります。
不倫の間が双方いい人でいちばん楽しかったよねと。
結婚すればいろいろと構いたがる姑の存在もありそうで、大変です。
 
登場人物の気配だけが感じられて姿は見せないのは面白い演出。
姑なんて、綿子の留守中に勝手に部屋に上がり込んでいることがわかるだけで姿は映らず。台詞もなし。
安藤聖演じる木村の妻も後ろ姿のみで声しか聞こえません。
 
物足りなさは感じましたけれど、私はもともと劇作家の映画監督作品はわりと好きかも。
こんな淡々としたやつ、また観たいです。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする