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『北極百貨店のコンシェルジュさん』

2023年10月29日 | 映画(は行)
『北極百貨店のコンシェルジュさん』
監督:板津匡覧
声の出演:川井田夏海,大塚剛央,飛田展男,潘めぐみ,藤原夏海,吉富英治,福山潤,
     入野自由,花澤香菜,村瀬歩,陶山恵実里,氷上恭子,清水理沙,津田健次郎他
 
イオンシネマ茨木に行くたびに予告編を観て、ちょっとだけ気になっていました。
この日の本命を観るまでの時間つなぎにちょうどいいから観ることに。
 
西村ツチカの同名漫画をProduction I.Gのアニメーション制作で映画化。
板津匡覧監督は本作で劇場版デビュー。
 
幼い頃に訪れた“北極百貨店”で接客してくれたコンシェルジュに憧れ、
自分もいつかこの百貨店に勤めたいと思い焦がれてきた秋乃。
まずは試用ながらコンシェルジュの職に就くことが叶い、嬉しくも緊張しっぱなし。
先輩たちに助けられながら一歩を踏み出す。
 
彼女の前にやってくるのは、ワライフクロウやウミベミンク、ニホンオオカミといった絶滅種の客。
無理難題を言われても決して「できません」「ありません」「知りません」と答えてはいけない。
お客様が幸せな気持ちになれるようにと懸命に考える秋乃だったが……。
 
心温まるさまざまなエピソードが盛り込まれています。
 
父親と娘、それぞれが相手の喜びそうなものを贈りたいと来店。
まさか相手も北極百貨店に来ているとは思わないから、
偶然にもそれを知ってしまった秋乃は、サプライズがサプライズでなくなってしまうと慌てふためく。
 
娘が来たがっていた北極百貨店なのに、その娘が入院中。
せめてなにかプレゼントを買おうとひとりでやってきた母親はワンコインしか持っていない。
高級百貨店のここにはワンコインで買えるような品物はまずなくて、頭を捻る秋乃。
 
レストランでの給仕の研修中は、プロポーズしたいのになかなか切り出せない男性に、
その場を作り上げようと、給仕も料理人も巻き込むことを秋乃は考えつきます。
 
どれもこれもいい話だけど、秋乃がフロア内をドタバタと走るのですよね。
百貨店でも飲食店でも、サービス係が走っちゃ駄目でしょう。
これはどうよなどと冷ややかな目で見つめてしまったりも。
 
また、少年が片思いの少女に香水を贈りたいと言ってやってきたときは、
相手の少女が「これと同じ匂いの香水を見つけてきたら結婚してあげてもいい」と言ったらしい。
どないに上からの女やねんと思いましたね(笑)。
そんなこと言う奴と結婚したらろくなことないでと言いたかったけど、
北極百貨店のおかげで誕生したこのカップルが終盤ものすごくよい働きをして。
 
彫刻家のウーリーさんと、パティシエ志望の少年の最後のくだりなんかも、涙目になっちゃいましたよ。
文句を言ったり、ないないない!と思ったりしつつもとても和んだ1本でした。

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