電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

NHK高校講座「日本史」で「武士の誕生」と「院政と荘園」

2022年03月21日 06時00分33秒 | Weblog
最近、「理系の日本史知らず」を実感する日々です。東北学院大『大学で学ぶ・東北の歴史』を読みながら、高校日本史の基礎の欠落を自覚、これではならじとNHK高校講座:日本史で「武士の誕生」と「院政と荘園」を観ました。当地もかつては荘園の一部だった時代があるようで、特に「荘園」に関心があります。

律令制というのは、刑法に相当する律と行政法や民放に相当する令からなる、天皇・朝廷を中心とする国家体制だそうですが、「公地公民」すなわちすべての土地が国家に属し、土地の私有は禁じられていたのだったけれど、墾田永年私財法により土地の私有が認められていったなかで、これを奪われるのを防ぐために地方領主が武力を磨き武士となり、武士は血縁・地縁をもとに武士団を形成していきます。武力の基本は馬と弓で、騎馬武者の集団戦が基本スタイルだったようです。

一方で、自分の力が弱いときには土地の所有権を維持したいと有力者を頼り、年貢を出す代わりに庇護を受けるという形で荘園が発達します。時代を経て荘園を多く蓄積したのが大寺院で、そのバックには上皇がいたのだそうな。これが院政というわけですが、当方はあまり朝廷の動向には興味がなく、もっぱら別の方向に関心が向きます。

  • 荘園の中では、どんな暮らしをしていたのか。住居、衣類、食物、身分、年貢など。
  • 荘園の中で作られていた作物はどんなものだったのか、また農業技術はどんなものだったか。
  • 古代と中世の交通はどんなものか。特に荘園と他所を結ぶ道路や舟運はどんなものだったのか。

残念ながら、NHK高校講座では平氏と源氏に話が収斂していき、これらの疑問に答えるものとはなっていません。おそらくは、文書に文字で記録を残せた人々、すなわち権力者とその周辺については比較的わかっているけれど、文字で記録を残すことができない一般の人々の暮らしはよくわからない、というのが正直なところなのでしょう。これ以上は、たぶん専門分野の解説書など、別な形で調べてみるのがよさそうです。

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