クーたんとココ君のお家

燕尾服を着た女の子クーたんと神戸から来たやんちゃ坊主ココ君の小さなドラマ。

待って45年

2009-03-24 07:00:07 | Weblog
今日はニャンコの話ではない。
先日手にした鉄道雑誌に『東海道すれちがい夫婦』復刻と言う小さな記事を見付けた。この本こそ僕が45年余探し続けていた小説である。高校生の頃の昭和38年10月NHKでテールライトと言うドラマが放送された。国鉄の専務車掌と食堂車のウエイトレスの夫婦を描いた青春ドラマ。鉄道少年の僕は釘付けとなった。そして原作を読みたくなり、家の近所の書店や、新宿の紀伊国屋書店を探し回ったが見付からず、公立図書館で蔵書リストを検索すれど全て無しであった。その後も折にふれ、神保町の古書店等を探し回ったが、見付ける事は出来ずにいた。
雑誌で復刻を知った後、ネット書店で検索すると、幸いにもアマゾンであと2冊在庫ありとの結果が出た。待って45年、僕はやっと念願の本を手にする事が出来た。
この小説は、著者、檀上完爾氏の初期の代表作。氏は東京車掌区の専務車掌として東海道線に乗務され、夫人も東海道・山陽線の食堂車のウエイトレスをされていた。私的小説である。新幹線開業前の長距離列車内の人間模様と、若夫婦の姿、街の風景も、ユーモアとペイソスを交えて描かれている。今となっては、貴重な時代資料でもある。
当時の国鉄には文学賞もあり、駅員、機関士、車掌等現場勤務の方々が執筆し、作品を発表されていた。それを僕達鉄道青少年は読んだものである。
本書を復刻したのは、㈱クラッセ 電話042-310-1552 http://www.klasse.co.jp
である。