先程クーが板の間の上で、横になり伸びていた。一寸茶目っ気を起こし、背中をスーと撫ぜ、尻尾に軽く触ると、いきなり「シャー」であった。今朝は何回も何回も、僕の側に来ては煮干のおねだりをしていた。それを断ったので、ご機嫌斜めになったようだ。クーは「何すんのよ。いきなり触らないでよ」とばかり怒ったのだった。「ごめんよ」と言いながら、頭を撫ぜても、歯をむき出しにして「シャー」であった。神経質で、本当に気難しいニャンコである。僕は直ぐに退散した。その後ココの側に行き、横になって、雑誌の頁をめくり始めると、ココは足先に登り、頭の上迄歩いて、下に下りるとゴロンと自分もお腹を見せ、横になった。そこで、お腹と背中を撫ぜ、尻尾を軽く握ったが、ゴロゴロとグルーミングをし「ぼくお父さんの側が良いの」と。手で僕の手を押さえ、指を舐め始めた。ここで気を抜くと、時としてガブリが出で来る。今日もそうであった。舐めながら腕にガブリ。もちろん本気ではないが、オチビの歯はとがっており、痛い。
ココは、明るく陽気なニャンコである。甘えたくて仕方がない。大勢の猫家族の中で、乳児期を育ったせいか、寂しがりやでもある。
同じ事を、同じようにしてもこうも違うのだ。
ココは、明るく陽気なニャンコである。甘えたくて仕方がない。大勢の猫家族の中で、乳児期を育ったせいか、寂しがりやでもある。
同じ事を、同じようにしてもこうも違うのだ。